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第22話
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「あらあら、仲良くなったみたいね」
「マルクスが笑ってる…ミシェル、なんの魔法を使った?」
「そんなの使ってないわ。
ただ、お兄様と話してると思って、話しただけ」
「久しぶりに楽しかったよ。アクイラスとはまた違った考え方をしてるから」
「そうなのか」
お兄様は、少し複雑そうな顔をしていたが、私が
「お兄様が、もう一人増えた感じで楽しかったですよ」
と言うとホッとしていた。
「あ、あの、叔母上?」
「メリテッサでいいわ」
「では、メリテッサ様」
「何かしら?」
「あの、またミシェル嬢と、お会いしてもいいでしょうか?」
マルクス様がそう言うと
「あらあら、ミシェルはどうかしら?」
お母様は私に確認した。
「私…ですか?」
「えぇ、マルクス様だけではダメでしょ。貴方にも好みはあるのだから」
「私は、構いませんが」
その答えにほ~~っと息を吐くマルクス様。
しかしお母様が
「ただし、一つ提案がございます」
と言った瞬間、シュピッ…と背筋を伸ばした。
「何でしょう?」
「また、王妃様にお茶会などで、引っ張られるのはよくありませんから、
次は我が家にお呼びしますわ」
「で、ですが俺が出かけると、母上が…」
「側妃様がご心配でしたら、私共の侍女を付けましょう。
そうすれば、何かあれば直ぐに、連絡が入りますわ」
「良いのですか?」
「私も夫も、あの方のやり方は熟知しています。
それに、私達の情報を甘く見てもらっても困りますよ。
今マルクス様がここに来ていられるのは、マルクス様が信頼できる者が
当番になっている時間だからですね。
その人以外の時間は、ずっと傍に付いていらっしゃる」
「知って…おられたのですか」
マルクス様は少し安心したようだった。
さっきの話だと、マルクス様は常に誰かを警戒している。
そんな事を一人でしていれば、疲れて当たり前だ。
「知っているだけで、なにか出来ている訳ではないので、
大きな顔はできませんが…」
「いいえ。知ってくれている人が居るだけで…」
「マルクス様。
一人で全て出来る訳はないのです。頼れる時は頼ったほうが…」
「そうだね。ミシェル嬢。ありがとう」
マルクス様は少し微笑んでくれた。
しかし、あのおばさん。やってくれるじゃないですか。
そう考えた私の横で、お兄様がブルル…っと震えた。
「お兄様?どうかなさったのですか?」
「いや。何か、寒気がしたものだから…」
そう言いながら私を見るお兄様に、首を傾げる私。
そんな私達を見て、クスクスと笑っているマルクス様とお母様がいた。
「お母様。笑わないでください」
「クス…ごめんなさい、ミシェル。可愛かったものだから」
「笑うのは後にして、マルクス様を助けてあげてください。
そうすれば私も、沢山お話することが出来ます」
「あら、そんなに気が合ったの?」
「い、その…趣味とか、興味があったもので、お互い同じ物が多く…その」
「大丈夫ですわ。
では、マルクス殿下が時間を作れるようにいたします。
少しだけ、お時間…頂きますね」
「よ、よろしくお願いします」
その話の後、私達は一旦このお茶会を、お開きとした。
まさか、自分のパートナー探しの中で、自分以外の転生者に会うなどと思っていなかった私は、帰った後も少しの間興奮が収まらなかった。
「マルクスが笑ってる…ミシェル、なんの魔法を使った?」
「そんなの使ってないわ。
ただ、お兄様と話してると思って、話しただけ」
「久しぶりに楽しかったよ。アクイラスとはまた違った考え方をしてるから」
「そうなのか」
お兄様は、少し複雑そうな顔をしていたが、私が
「お兄様が、もう一人増えた感じで楽しかったですよ」
と言うとホッとしていた。
「あ、あの、叔母上?」
「メリテッサでいいわ」
「では、メリテッサ様」
「何かしら?」
「あの、またミシェル嬢と、お会いしてもいいでしょうか?」
マルクス様がそう言うと
「あらあら、ミシェルはどうかしら?」
お母様は私に確認した。
「私…ですか?」
「えぇ、マルクス様だけではダメでしょ。貴方にも好みはあるのだから」
「私は、構いませんが」
その答えにほ~~っと息を吐くマルクス様。
しかしお母様が
「ただし、一つ提案がございます」
と言った瞬間、シュピッ…と背筋を伸ばした。
「何でしょう?」
「また、王妃様にお茶会などで、引っ張られるのはよくありませんから、
次は我が家にお呼びしますわ」
「で、ですが俺が出かけると、母上が…」
「側妃様がご心配でしたら、私共の侍女を付けましょう。
そうすれば、何かあれば直ぐに、連絡が入りますわ」
「良いのですか?」
「私も夫も、あの方のやり方は熟知しています。
それに、私達の情報を甘く見てもらっても困りますよ。
今マルクス様がここに来ていられるのは、マルクス様が信頼できる者が
当番になっている時間だからですね。
その人以外の時間は、ずっと傍に付いていらっしゃる」
「知って…おられたのですか」
マルクス様は少し安心したようだった。
さっきの話だと、マルクス様は常に誰かを警戒している。
そんな事を一人でしていれば、疲れて当たり前だ。
「知っているだけで、なにか出来ている訳ではないので、
大きな顔はできませんが…」
「いいえ。知ってくれている人が居るだけで…」
「マルクス様。
一人で全て出来る訳はないのです。頼れる時は頼ったほうが…」
「そうだね。ミシェル嬢。ありがとう」
マルクス様は少し微笑んでくれた。
しかし、あのおばさん。やってくれるじゃないですか。
そう考えた私の横で、お兄様がブルル…っと震えた。
「お兄様?どうかなさったのですか?」
「いや。何か、寒気がしたものだから…」
そう言いながら私を見るお兄様に、首を傾げる私。
そんな私達を見て、クスクスと笑っているマルクス様とお母様がいた。
「お母様。笑わないでください」
「クス…ごめんなさい、ミシェル。可愛かったものだから」
「笑うのは後にして、マルクス様を助けてあげてください。
そうすれば私も、沢山お話することが出来ます」
「あら、そんなに気が合ったの?」
「い、その…趣味とか、興味があったもので、お互い同じ物が多く…その」
「大丈夫ですわ。
では、マルクス殿下が時間を作れるようにいたします。
少しだけ、お時間…頂きますね」
「よ、よろしくお願いします」
その話の後、私達は一旦このお茶会を、お開きとした。
まさか、自分のパートナー探しの中で、自分以外の転生者に会うなどと思っていなかった私は、帰った後も少しの間興奮が収まらなかった。
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