あいして…

戒月冷音

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第28話

「分からない?何故だ?」
「私が思い出した記憶の中に、自分以外が居ないからです」
「それは、おかしいだろう?」
「何故ですか?」
「家の中なら、使用人や両親等の家の者がいる。それが居ないとは・・・」
「閉じ込められていた、可能性もある」
ウォルツ父さんが言う。
「はぁ?それはまた、何故?」
「お前の家では、絶対にあり得ないことだが、たまにあるんだよ。
 体のどこか、一部分が違うとか、性格が家に合ってないとか言って、
 虐待する奴ら」
「そ、そんなことが?それは、親がするのか?」
「あぁ、親がやって、子が真似る。だから子が居れば起こることだ」
宰相様は、信じられないような顔をしている。

そりゃあ、ありますよ。
先祖返りになった人は、その先祖が近ければ良いが、遠ければ誰も証明できない。
そして、本当に違う種で出来てしまった場合、これが一番厄介だ。
これは、夫にも責任がある時もあるが、大抵は、夫で満足できないまま一人目を生んだ妻が、夫に二人目をせがんだ後、他の男といたして出来た子。
もしくは、夫に種がなかったため、子が出来なかったが、子がほしくて、夫に内緒で妻が種をもらってきた時である。


「宰相閣下はずっと、幸せな家庭なのでしょうね・・・」
私はその時、そう・・・ぽそっと、呟いた。
「「えっ!?」」
父さんと宰相様が驚くが、今の私には分からない。
頭の中がもやっとした状態になり、私は半目を伏せたまま、何かを話し始めた。
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