貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第9話 アウグスト殿下side

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俺はアウグスト・エルディニア。この国の第3王子だ。
今は、学園に通っている。
この学園は、15歳に入学し18歳で卒業になる3年制の学校だ。
俺は16だから、学年では2学年になる。
同級生には、ルクシオ兄上の婚約者の、エレノア様が居る。
彼女はずっと、ルクシオ兄上にベッタリだった。
ルクシオ兄上が昨年卒業された時、大泣きして離れたくないと言っていた事を、良く覚えていた。


しかし、そんな彼女が数日前から変わったと聞いた。
その日ルクシオ兄上は、婚約者が倒れたと聞き、急いで屋敷に向かった。
けれど、顔を見たとたん隠れられ、今日のところは帰った方がいいと言われたと言って、帰ってきたのだ。
そして次の日・・・
毎朝、ルクシオ兄上を引きずって通っていた学園に、彼女は一人で来た。
皆、不思議に思ったが、とりあえず様子を見ていた。
すると彼女は、今日兄上が来ると分かったとたん、避けるような素振りを見せた。

何故だろう・・・

あんなに、好きだの愛しているだの、ギャーギャー言っていた子が、1日2日でこんなに変わるものか?
俺のところに用があり、話しに来ていたルクシオ兄上も、エレノア様が登園していると聞くと、驚きを隠せずにいた。

しかしその時、何故かルクシオ兄上の隣に、見たこともない女性がいた。
だから俺は
「兄上、こちらの方はどなたですか?」
と兄上に尋ねた。すると
「あっ、はじめましてアウグスト様。
 私ルイーザ・リコリスと言います。
 平民ですので、いつでも声をかけてください」
と、にっこりと微笑みながら、規則を平気で破り、俺に直接声をかけてきた。
この学園では、ある程度平等をうたってはいるが、貴族のルールや規則を学ぶための場でもあるため、その辺りは厳しい。

兄上?・・・と、無言で圧を送ると、兄上はスッと目をそらす。
そうですか、分かりました。では俺も、無視させていただきますね。
この女性に、しっかりと教えてあげてください。
そんなことを考えながら、俺は兄上だけに挨拶をして、その場から離れる。

俺たち兄弟の間で、そんな会話が成立していたとは露知らず、ルイーザと名乗った女性は、兄上の腕にくっつき、楽しそうに話していた。

そんな面倒な場所から俺はすぐに離れると、沢山の個人教室が並ぶ校舎の廊下を歩いた。
この場所は、人が少なくて、俺としては好きな場所だったからだ。
すると、どこからか女性の声が聞こえてきた。
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