貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第23話

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「父上。お話しの途中、失礼いたします」
「ルクシア。何の用だ?」
「父上に用ではなく、エレノアに話があって、まかりこしました」
「エレノア嬢に?」
「はい。
 このところ、俺の招待を全て断り、好き勝手していると聞いておりました。
 ちょうどこちらに、来ていると聞いて・・・」
そう言って、私の姿を見た瞬間、ルクシア様は
「なぜ、そのようなドレスを?」
と突然、話の内容を変えた。

「お久しぶりでございます。ルクシア様。
 私がどのような姿をしていようと、関係ないのでは?」
「だが、聞いていたものと違う。いつもであれば、もっとスリムで・・・」
「誰に聞かれたのかは知りませんが、私はいつもこの装いです。
 スリムだったのは、ルクシア様がそう言う方が好みだと、言われたからに
 ございます」
「ドレスだって、もっとフリルの沢山ついたものを・・・」
「女性とは、そう言うものを好んで着ると言われ、私のドレスを全て
 そのようなものにされたのは、ルクシア様です」
「だ、だが今まで、俺の言ったことを・・・」
「そうしてきた結果、私の印象は最悪ですが・・・それは、ご存じですか?」
「えっ!?最悪?」


私・・・エレノア・グノーシアの世間の評価は、最悪なものだった。
ルクシア様と婚約を結ぶ前は、お母様の言いつけを守り、質素で大人しい子供だった。
あまり沢山のドレスを持たず、モノをねだらない子供だった。
しかし、ルクシア様の婚約者になった時
「僕は、そんな粗末なドレスを着ている婚約者は嫌だね。
 だから君は、僕の言うことを聞くように」
そう言われ、その日の内に5着のドレスを作られ、そのうちの1着に着替えさせられた。

私はその時から、気持ちが悪かった。

どうして婚約者になっただけで、強制的に衣装替えをし、命令されるのか。
婚約者とは、将来婚姻する者。夫婦となり、一生を共にする相手の事だ。
その相手に命令し、言うことを聞け?
命令されるのであれば私は、貴方に嫌われる方を選ぶ。
四六時中追い回し、貴方の大好きそうなドレスを着て・・・

そうして、嫌がらせのように、付きまとった日々を過ごしてきたある日
「エレノアは、細くないんだよな。母上のようなスタイルなら、良かったのに・・・」
王宮からの帰りに、それを聞いた。これはルクシオ様と、側近との会話。

それを聞いた翌日から、地獄のようにコルセットを絞めた。
絞めて絞めて、食べ物が入らなくなるまで絞めまくって、会いに行った。

そうして、今の私の印象は・・・次期王妃に見えない、跳ねっ返りの小娘。
自分で何も決められない、ルクシオ殿下のお荷物で、派手好きでわがままな女・・・となった。
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