貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第31話

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「あの女は、自分に興味がある男を、片っ端から食ってる」
「「「「「はぁ?」」」」」
アウグスト殿下の話の最初は、ここにいる全員をビックリさせるものだった。

「それは、どういう事だ?」
「あの女・・・毎日毎日ルクシア兄上と買い物に出ていますが、兄上と別れた後、
 他の男のところへ行き・・・・・・やってました」
「何時見たの?」
冷静に聞いたのは、キエラ妃。
「たまたま、街に出た時に二人を見て、ちょうど別れる時だったから、気になって
 女の後をつけた。
 そしたら、次にあったのがリチャードで、そのまま宿屋に入っていった」
「事実確認は?」
「そのまま待って、出てきたリチャードを捕まえた」
「そこで聞いたのね」
「あぁ」
「マルチアス伯爵令息は、どうしたの?」
「父親に渡して、今は謹慎中の筈だ。学園にも出てきてない」
「分かったわ」
それから、大人だけの話し合いが行われた。


その間私達は、部屋の隅で向こうに聞こえないように、こそこそと話を始めた。
「なぁ、アウグスト」
「なんですか?」
「もしかしてさぁ。男爵って、聖魔法の扱いを知らない?」
「そんな気がしてます」
「じゃあ今、ちょっと調べて良い?」
「何をですか?」
「男爵の事に決まってるじゃん」
「だから・・・少し前に言っただろ。無理は駄目だって」
「無理じゃなくて・・・今、近くにいるんだよ」
「「えっ!?」」
「だから、ちょっと聴力上げれば、何か聞けるかな?って思って」

メイビス様は、本当に体が弱いわけではない。
メイビス様の五感が、ちょっと他の方より強いだけ。
それは、体内にある魔力が関係していて、子供の頃は、その調整を間違えたり暴走したりして、大変だった。
それを隠すため、体弱いことにしていたのだった。
「ぶっ倒れないでよ」
「アウグスト、が居るところではね」

そんな兄弟のやり取りの中に、私が居て良いのかどうかを訪ねると
「俺の義妹になりそうな気もするから、良いんじゃない?」
と、スルッとメイビス様に答えられてしまった。
「い、義妹、ですか?」
「うん?駄目?」
「それはお父様方がお決めになることですので、私には何も・・・」
「アウグストは、乗り気だよね?」
そう言われたアウグスト様は、戸惑いながらも頷かれた。
「ずっと、目で追ってたから、ばればれ」
「メイビス兄上に、隠し事はできません」
「うん。良い弟だ」
そう言うとメイビス様は、目を閉じる。

ゆっくりと静かに、魔力が広がっていくのが分かる。
それは、魔力を持つものだけが分かる、感覚・・・
そしてその波は、ある男のところまで広がった。
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