貴方は・・・いらない

戒月冷音

文字の大きさ
30 / 58

第30話 ルイーザside

しおりを挟む
やった。やったわ。私、ルクシア殿下と、とうとう結ばれたのよっ!!


私はルイーザ・リコリス男爵令嬢。
元は、ちょっと聖魔法が使えるだけの、何処にでもいるような平民の娘だった私を、リコリス男爵が気に入り、娘にしてくれた。
そして男爵様は、何故か私を聖女様と呼び、学園にいれてくれたのだった。
そこには沢山、貴族様がいた。
そしてお父様が
「聖女様だから、王子様に案内してもらおうか」
と言って、学園に入る前の日、学園長に、そう頼んだらしいのだった。

王子様?えっ!?ルクシア第1王子殿下?
だめっ・・・駄目よ。
そんな方に案内してもらったら、好きになってしまうじゃないのっ。
それでもし、ルクシオ殿下が私の事を~~・・・何て事になったら。

きゃゃーーーーっ!私、王太子妃?ゆくゆくは王妃じゃない。


わたし、がんばる・・・


そう意気込んで会った第1王子は、それはそれは簡単に、私の中に落ちてきた。
学園は卒業していたから、私の授業が終わってから会いに行った。
会いに行って、一緒にお買い物をして、楽しい時を過ごした。

それを毎日続けて・・・

ある日、私達はキスをした。
もちろん彼からよ。

何時ものように、買い物をしている途中、突然手を握り、走り出したルクシア様についていくは辛かったけどがんばった。
そして小道を抜け、人通りの少なくなった場所の路地に入った瞬間、背中を壁に押しつれられてからの、キスだった。
私は、とろっとろに溶けた。
だって、気持ちいいのだもの。仕方ないじゃない。

その後、話を聞くと、自分の婚約者は私のように笑わない。
楽しいことも、嬉しいことも、体験したことがない。
ただ隣にいるだけ。微笑むこともない。そんな方なのだとか・・・
だから、私といるのが楽しいと言ってくれた。

確か・・・学園の女生徒にこんなことを聞いた事がある。
グノーシア公爵令嬢は、ただ唯一、王家の血を引く公爵家の令嬢で、お高くとまっていると。
そんな婚約者が嫌だから、ルクシア殿下はわたしを選んでくれた。
だったら私が、あなたを愛してあげる・・・

その数日後、
私達は、一夜を共にした。
ルクシア様が借りた宿屋で、夕方から次の日の夜まで、ずっと愛し合った。
何度も果てる私を、愛しそうに見つめてくださるルクシア様に、私は愛を囁き続けた。
そしてルクシア様が、私の中で弾けた時、暖かい何かが、私の中に流れ込んだ。

私達は、一つになったと感じたのだ。


しかし、その幸せは、直ぐに終わりを告げることになる。
それは・・・ルクシアの妻になると言う夢より、王妃になると言う願いを優先した私の、おろかな選択のせいだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

鈍感令嬢は分からない

yukiya
恋愛
 彼が好きな人と結婚したいようだから、私から別れを切り出したのに…どうしてこうなったんだっけ?

「妹の方が可愛い」と不倫夫に捨てられた私。どうぞ借金まみれの実家ごと引き取って。私が肩代わりしていた負債、すべてお二人に引き継いでおきました

唯崎りいち
恋愛
「お前より妹の方が可愛い」 不倫した夫は私を追い出し、略奪した妹と笑った。 どうぞ、その「可愛い妹」と地獄までお幸せに。 私が肩代わりしていた実家と店の多額の借金、すべてお二人に引き継いでおきましたから。 「財布」を失った元夫と、逃げ場を失った妹。 身の丈に合わない贅沢を望んだ寄生虫たちの、惨めな末路を特等席で眺めさせていただきます。

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

だって悪女ですもの。

とうこ
恋愛
初恋を諦め、十六歳の若さで侯爵の後妻となったルイーズ。 幼馴染にはきつい言葉を投げつけられ、かれを好きな少女たちからは悪女と噂される。 だが四年後、ルイーズの里帰りと共に訪れる大きな転機。 彼女の選択は。 小説家になろう様にも掲載予定です。

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

婚約者の心が読めるようになりました

oro
恋愛
ある日、婚約者との義務的なティータイムに赴いた第1王子は異変に気づく。 目の前にいる婚約者の声とは別に、彼女の心の声?が聞こえるのだ。

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

運命の番より真実の愛が欲しい

サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。 ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。 しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。 運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。 それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。

処理中です...