貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第33話

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その後キエラ妃は、実家の公爵家と絶縁したと言う。
実家は、今も謝罪してくるが、キエラ妃は全て突っ返しているそうだ。
それもそうだ、せっかく見つけた自分の居場所を、突然奪い取るような縁は切った方が良い。
自分の行く先は、自分が決める。それが出来ない場所は、自分には必要ない。

だから王家も、同じことをする。
キエラ妃の実家と同じように、王家に害をもたらすものは、早い内に縁を切る。
そして、王家には置かず、他所に出す。
それが、今日この場で決定したことだった。

それから・・・

「エレノア様」
「はい。王妃様」
「貴方がもし、イヤでなければ、アウグスト殿下に嫁ぐと言うのは・・・ダメかしら」
「ですがそれは、私ではなくお父様が・・・」
「俺は、エレノアが良ければ、なにも言わん」
お父様にそう言われ、私は考え込む。

「申し訳ございません。少し、考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」

アウグスト殿下のお気持ちは、メイビス殿下とのやり取りで既に聞いている。
けれど、そうだからといって、直ぐに答えて良いものでもない。
私は、ルクシア殿下の婚約者だったのだ。
おそらくこの後、お父様が書類を提出され、国王様が受理なさる。
しかし、それが分かっていても、ずっとお支えすると誓っていた人がいる。
その人と婚約破棄をするからといって、その人の弟と・・・直ぐに承諾は、しない方が良い。

私が言った言葉に、直ぐに頷いたのはアウグスト殿下。
「アウグスト、良いのか?」
国王陛下の問いかけに、「はい」と答えた後
「先ほど父上達を待っている間に、自分の気持ちは兄上に暴露されたので、
 エレノア様にも伝わっています。
 だから俺は、急かす気もありません。
 エレノア様の気持ちが落ち着かれるのを、待てますので」
と答えた。
「アウグストは本当に、16なのか?ルクシアより、上のような気さえする」
「本当に・・・やっぱり私が、あの子を甘やかしすぎたのだわ」
王妃様がまた、ご自分の責任だと言う言い方をされる。


「ルクシア兄上がああなったのは、父上が褒めすぎたせいであって、王妃様に
 責はありません」
「確かに、ルクシア兄上ばかり、父上は褒めてたね。
 それで、何でも許されると思ってしまった方が、有力だと俺も思います」
アウグスト殿下とメイビス殿下の言葉に、国王陛下はうぐっ・・・となった後
「そうかもしれんな。あいつを褒めすぎたのは確かだ。すまない」
と家族に頭を下げた。
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