貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第50話 ルクシアside

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学園から帰ってから数日、俺はとんでもないことをしてしまったと、後悔に明け暮れた。

メイビスが、学園を見学にいく予定を学園に取り付けてから、何故変装して着いていかなければ行けないのかと、思っていた。
学園には、アウグストがいる。
だから俺が行く必要は、ないのではないかと、ずっと思っていた。

しかし・・・

学園に行ってみて、やっとアウグストの言っていたことが分かった。
ルイーザは、俺の前では
「ルクシア様、おはようございます。いいお天気ですね」
「今日は、どうされますか?」
「ルクシア様。エレノア様が私を睨んでこられたのです。
 私はなにもしていないのに、すれ違いざまにぶつかられて、私は転んでしまいました」
と話す。

しかし変装し、俺ではない者の前だと、あんな言葉を使い、威嚇することを初めて知った。
しかも、ガウラスとリチャードが何故、俺がいないのにルイーザを守っているのかも分からなかった。
あの2人は、俺の側近と近衛になる予定だった。
年齢は少し下で、体力もあり、ガウラスは進んで勉強するような男だった。
リチャードは、父親が騎士な事もあり、幼い頃からの俺の相手をしてくれる頼もしい男だった。
「それが・・・あんなルイーザを見ても、なんとも思わない男だったとは・・・」
そして俺が、1番やってはいけないことをした相手が、エレノアだ。

彼女は、俺の婚約者になってから何年もかけて、教育を受けた女性だ。
しかも、俺の王家の血が、薄まっているのを濃くしてくれる、大切な存在だった。
そんなエレノアの話を全く聞かず、ルイーザの話のみを信じて、俺は彼女にひどい言葉ばかりを浴びせた。
「お前が仕向けたんだろっ!」
「どうしてルイーザを虐めるんだっ!」
「貴様の言うことが本当か、分からないだろうがっ!」
等など、思い出したらキリがない。

「だから彼女は、俺の婚約者をおりたんだな・・・」
俺がそう呟いたとき
「そうだよ」
と、正面から返事が返ってきた。
おれが、ガバッと顔を上げると、いつのまにか目の前に、メイビスとアウグストがいた。
「やっと気付いた」
「長かった・・・」
そう呟く2人は、静かに紅茶を飲んでいる。

「お前達、いつのまに・・・」
「兄上が、部屋に入って直ぐかな?エライザ様が、入れてくれた」
「母上が?」
「エレノア様からの返事・・・って言ったら、入れてくれた」
「エレノアから?彼女は・・・」
俺は身を乗り出して聞いた。だが、帰ってきた答えは・・・
「自分の罪から逃げたいだけなのなら、断るって」

逃げ・・・

まぁ、そうだろうな。
彼女から見れば、自分が頑張っている時にルイーザと不貞しておきながら、何を言っているんだ・・・と言うことだろう。

俺は、全てを間違えた。
エレノアを信じていれば、彼女がルイーザの言うような事を、するはずがないと分かるはずだった。
しかし俺は、儚げに見せるルイーザの策にはまり、エレノアを詰った。
後から気がついても、もう遅い。
俺の進退は廃太子となり、恐らくルイーザに宛がわれるだけだろうと思っている。

だが、それでいい。

聖女と偽り、貴族の中に入り込もうとする輩等は、メイビスとアウグストの治める治世に必要ないからだ。
俺はこれから表に出ず、裏で働くことになるだろう。
弟2人の治める世界で、俺を貶めた女とその家族、そして、側近と近衛の監視として・・・
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