貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第49話

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「学園長さま~、あんな病弱な方の言うことなんて、信じることないわ」
「で、ですが、あの方は・・・」
「あら~・・・私の言うことが聞けないのね。
 じゃあ良いわ。貴方は、ルクシアに頼んで下ろしていただくから」
そう言うとルイーザ様は、その場を後にする。
それにリチャード様が続くが、ガウラス様はメイビス殿下が去っていった方角を、じっと見ていた。

気がついたのかしら?

とも思ったが、何事もなかったかのように振り返り、ルイーザ様の後を追うガウラス様。
そしてその日は、いつも通りの日を過ごした。


無事に役目を終えられたメイビス様を心配して、その日の内に手紙を送ると、数日後に返信が来た。
《エレノア・グノーシア公爵令嬢様
 暖かなお手紙を頂き、ありがとうございます。
 目的は達成され、兄上は今、二度とルイーザには会いたくないと言っておりますが、
 父上の決定ですので、逃れることはできません。
 間違いなくルイーザと婚約を結ぶことになるでしょう。
 ただ今は、エレノア様に謝罪したいと、アウグストに迫っているところです。
 これから毎日の攻防が始まりますが、見ていて楽しいくらいです。
 今後、あの2人がどうなるか、楽しみだね。
 じゃーあまた  メイビス》

私は手紙を読んで、クスクスと笑った。
私にはもう、関係ない。
婚約破棄をした後、ルイーザの本性がばれようが、側近と騎士が食われていようが、興味がない。


ただ今は、学園で静かに過ごしたいだけ・・・


それから一週間後。
学園でいつものように、図書室で休憩していると、久しぶりにアウグスト様が来られた。
「ここ、良いですか?」
「どうぞ」
私の前に座ったアウグスト様は、持っていた本を開き、2,3ページ進んだところで
「エレノア様。ルクシア兄上が、謝罪の場を求めているのですが、どうしますか?」
と話しかけてきた。
「謝罪ですか・・・今さら、何を謝罪されると言うのでしょうか?」
「それは・・・俺には分かりません。
 俺もこの数日、あの女のせいでまだ被害を被っているエレノア様に、
 何を謝るのか聞いたのですが、はっきりした答えは頂けませんでした」
「そうですね・・・
 ただ、自分が犯した罪から逃げたいだけなのであれば、お断りいたしますわ」
「でしょうね。分かりました。そうお伝えしておきます」
「お手数をお掛けして、申し訳ございません」
「いいえ。エレノア様に、落ち度はありません。
 全て、兄上がしでかしたことです」
そう言うとアウグスト様は席を立ち
「大事な休憩時間を、お邪魔してすみませんでした」
と言って帰ろうとする。

「アウグスト様」
私はそれを、呼び止めて
「また、いつでもおいでください」
と言った。
それを聞いたアウグスト様は、ビックリした顔をした後、微笑むと
「また来ます」
と言って、図書室から出ていった。
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