貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第58話

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次の日の朝、学園の校門前では、騒ぎが起きていた。
「なんでっ!なんで、リチャードとガウラスが、連れていかれるのよっ」
「離せっ!」
「離せよっ!俺は、ルクシア様の近衛だぞっ」
「その、ルクシア様は、今どちらに?」
「はっ、あんた達が、学園に来れなくしたんだろ」
「それは、国王陛下に対しての、意見でしょうか?」
「「えっ」」
「それとも、メイビス殿下でしょうか?」
「お前ら・・・何を?」
「私達は、メイビス殿下のご指示で、ここに来ております。
 ルクシア様の進退は、国王陛下がお決めになられたこと。
 それに、リチャード殿は、マルチアス伯爵から廃嫡にしたときいております。
 なぜまだ、学園におられるのか、理解に苦しむのですが?」
メイビス殿下の近衛騎士、ハミュエル様からの言葉に、リチャードが固まる。
「そしてガウラス殿。ソリュード侯爵家はまだ、御座いますか?」
ガウラスもそこで、動きを止めた。

「2人ともどうしちゃったの?私達3人で、ルクシアを待っていましょう。
 ルクシアが帰ってきて、私達がいなければ、彼が悲しむわ」
両手を胸の前で組み、可憐な乙女を演じるルイーザ。
彼女も、気付いていない。
自分の実家が、なくなっていることに。
そして、自分の両親が処刑されることが、すでに決定していることに・・・

「私はここで、ルクシアを待つわ。ずっと待つ。私を迎えに来てくれるのを・・・」

まだ演じているルイーザに、ハミュエル様から一言・・・メイビス殿下からの伝言が伝えられた。
「メイビス殿下から、ルイーザ様に、お伝えすることが御座います」
「まぁ、第2王子殿下から?なにかしら?」
とても嬉しそうな声をあげる、ルイーザ。
「ルクシア様は、継承権をなくしました。
 そして貴方のご両親は死刑。リコリス男爵家は没落・・・
 貴方はどこに、帰られるのですか?・・・とのことです」
「へ?」
ルイーザの間抜けな声が、風のなかに消えた。


そして、祈りの姿のまま放置されたルイーザは、その後学園にはいることも出来なくなり、そのままどこかへと姿を消した。
ガウラスとリチャードは何が起こっているのか分からないまま、騎士団の訓練場に連れてこられ、そこで始めて継承権がなくなり、側近と近衛が要らなくなったことを、ルクシア様から直接聞いた。
「ルクシア様がなぜ?どうして、継承できないのですか?」
「どうして・・・貴方がいなければ、俺は・・・」
そんなことを言っていた2人だが、ルクシア様が
「ではなぜ?お前達は常に俺の傍にいなかったのだ?
 お前達は、俺を守る者だったはずだ。なのになぜ、ルイーザを守っていた?」
そう聞かれた瞬間言葉を失くし、なにも言えなくなってしまった。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

ねねね
2026.03.06 ねねね

せんせぇー。33話飛ばしてまーす。

ちらっと右上見たら 55/55なのに56話で「えっ、とうとう私の邪眼が発動したのねっ」って久し振りの中二病が…

「それは死んだね」
「生きれるわけがない」
2人の阿吽の呼吸大好きです!

2026.03.06 戒月冷音

教えてくださり、ありがとうございます。

今、ちょっと忙しく、時間がないので、直ぐには無理ですが、数日かけてでも、必ず修正します。

変換間違いや、こういう間違いが多くでご迷惑をお掛けして・・・スミマセン

解除

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