貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第57話

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ルクシア様は、こんなに純粋な方だったのかと思うほど、ルイーザ様の行動に疑いを持っていない。
「メイビス、不貞・・・とは、どう言うことだ?」
「ルイーザ様は、ガウラスとリチャードとは既に、体を繋げているのでは?
 ・・・と、言うことです」
「どうしてそんなことが、お前に分かる?」
「では逆に聞きますが、疑問に思いませんでした?」
「何を?」
「学園に変装して行った時に見た、ガウラスとリチャード。
 どう見ても、兄上よりあの女性を、大切にしていましたよね?」
「あ?あぁ・・・」
「どうしてですか?どうして、兄上がいないのに守るのですか?
 あの2人が守らなければいけないのは、兄上とエレノア様だったはずです。
 どうして、ルイーザなのですか?」
メイビス殿下の言葉に、ルクシア様は頭を抱えた。

その問いは、少し前に自分も思ったことだ。
しかしあの時、ルクシアは考えるのをやめたのだ。
ルイーザの姿が、余りにも信じられなくて・・・

「やっぱり、そうなのか?それしか、考えられないのか?」
「俺はそうだと思います。特にリチャードが、ルイーザにつくこと事態おかしい。
 彼の保護対象は、兄上のはずです。
 それが、ルイーザを守る・・・そんなことあるはずがありません。
 それでは、兄上が狙われてもあの男はルイーザを守るでしょう。
 その様なものに、命を預けられますか?」
そうだ。彼は、俺の近衛だ。俺を守るために、付けられる騎士だ。
なのに彼は今、俺の傍にいない。
俺の近衛が、傍にいない・・・それだけで俺の首は簡単にとぶ。

「そうだな。俺はあの男に命を預けたはずだ。
 それなのに、この距離を平気でとる理由など、それしかないな」
ルクシア様の言葉で、メイビス殿下は自分の近衛隊に
「数人、学園に向かい、ガウラスとリチャードを拘束。王城の騎士団練習場に、連れてきて」
と指示を出した。
アウグスト殿下は、騎士団から5名出すことを指示した。

「兄上。兄上は継承権を失っても、俺たちの兄上であることに変わりありません」
「ルクシア兄上は、俺の兄上です。だから俺は、メイビス兄上もルクシア兄上も守ります」
メイビス殿下とアウグスト殿下のその言葉に、ルクシア様は必死に泣くのを我慢しながら
「お前らは・・・ほんとに。俺は、良い兄弟を持ったよ」
声を震わせて、そう言った。
それを見ていたメイビス殿下とアウグスト殿下は
「兄上、泣かなくて良いんですか?」
「俺は泣くと、思ったのに・・・」
等とからかっているが、ルクシア様の顔に笑顔が戻ると、お二人とも嬉しそうに笑っていた。
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