貴方の花

戒月冷音

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第21話

「だから、クロールフ殿下が植えたあの薔薇で、女王の呪いをそのまま
 カサブランカ様が受けることになる」
「「女王の・・・呪い?」」
アーロン様とジェームズ様が、揃って聞く。
「ダマスクローズの呪いで、貴方達2人の花は、彼女の中にある子種と卵を
 吸い取って咲くのよ」
「「「「は?」」」
最初の2人に加えて、カサブランカ様の声も混じった。
「子種と卵・・・って」
クロールフ殿下の言葉に、私ははっきりと
「カサブランカ様はもう・・・子供は望めないの」
伝えた。

「それから、アルザイル公爵とメイサード公爵に、お伝えいたしておきますわ」
「何か、問題でも?」
アルザイル公爵が、私に問いかける。
メイサード公爵は、一人息子が大変なことを起こしたと言うことで、言葉もない状態なのだが、私が知っている花印の情報を教えておかなければ、家が続かない可能性がある。
「私が、王太子教育で教わった中に、花印の呪いについての講義がありました。
 その中で、王家のダマスクローズと同じ土台に咲いてしまった花印には全て、
 色かなくなると聞いております。
 その花印の花は色を失くし、それ以降の種は開花せず、子も生まれない。
 その期限は、黒い薔薇が消えるまで・・・と習いました。
 カサブランカ様の体を見ると、マリーゴールドもいるようです。
 直ぐに確認をされた方が、よろしいかと存じます」
私がそう話すと、アルザイル公爵とメイサード公爵は直ぐに奥様を確認した。

2人の奥さまはぼーぜんとしていて、夫の声に反応しない。
良く見ると、今までメイサード公爵の奥様の肩にあった、ライラックが見えなくなっている。
やはり、教えられた通り、色がなくなったのでしょう。

アルザイル公爵は直ぐに、次男のクロース様に連絡を取り、婚約者の種を確認しろと指示を出す。
しかし帰ってきた返事は、枯れていたと言うことだった。
これから先、アルザイル公爵家はクロース様が婚姻されたとしても、クロールフ殿下の薔薇が失くならない限りは子供に恵まれない。
ほんとうに、楽しい呪いを女王陛下は残されたものだ。

「す、スノウローズ様」
「なんでしょう?」
「わが、アルザイルの花印は、もう咲くことはないのでしょうか?」
私はそう聞かれた後、ゆっくりとクロールフ殿下に視線を向けて
「あの、黒いダマスクローズと、そこに咲く3種の花がある限り、咲かないでしょうね」
「で、では、あの女性がなくなるまで・・・」
「それまで、クロース様とその婚約者様に何も起こらなければ、良いのですが、
 もし、何か起こってしまえばそこで終わりますわね」
私のその話を聞いたアルザイル公爵は、その場にペタリと座り込んでしまった。
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