人の心の裏表

第15話 レイノルズ side

エリス嬢の異変に、アンナが気付いた。
そして何故か彼女の母親もおかしい。

2人をすぐベットに運び、医者に見せる。
すると
「精神的なストレス？もしくは何か暗示がかけられている可能性があります。特に奥様は強いですね」
と言った。
「暗示？そんなもの何処で…」
子爵は思い当たらない。その時

「きゃああああっ」
エリス嬢が叫び目を覚ました。

俺が声を掛けると、荒く息をしながらもこちらを見た。
その目は涙ぐみ今にも零れ落ちそうだ。
怖い夢を見て、飛び起きた子供のようだ。

しかし彼女は一瞬歯を食い縛った後、何かを話し始めた。

「わ、わたし、と母は…伯父に、教え…お、脅されて、いました。お前達は下位だから、自分より上の爵位の人に会うな…と。会えば、な、慰み者に、なると」

「は？エリス？それはどういう…」
エリス嬢の言葉の子爵が慌てたように声を掛ける。

「わたし、は、外に行くことが出来たのでここ数年は、それを聞くことは、少なくなったのですが、おそらく母は、伯父か伯母に会う度、言われていたと…」

彼女がだいぶ落ち着いた気がしたので気になった事をを聞いた。
「あの、済まないが、先ほど御母上も言っていたが、下位…とは何の事だろうか？」
「えっ!?伯父の話では、伯爵以上は上位貴族、それ未満は下位貴族だと…」
それを聞いた瞬間、怒りが込み上げた。

あの男は自分の優越の為に、弟を利用しその家族を従えた。
ここにいる一家族はあのクソ伯爵家を支えるのでは無く、あいつらに踏みつけられる事を当たり前にされたのだ。
「それともう一ついいか？」
「はい」
「エリス嬢は学園には？」
「行っておりません」
それを聞いた時、一番驚いたのは子爵だった。