59 / 68
終章 選ばれた未来
知性を与えられた猫たちは何を見る? 第59話
しおりを挟む
しかし、危機を脱したとはいえ、戦いは続いていた。制御送信装置の部屋で三木が息を切らしながらエージェントと戦っているのが見えた。
安心する間もなく、急いで私達もそこに加わる。
「茶丸!三木さんに疲れが見える。三木さんをバックアップしよう!」
「うん。」
セイくんはドローンで三木が戦う男に催涙スプレーを発射し、茶丸はスパークスティンガーで三木を狙う背後の男に電撃を加えた。
「お!頼りになるバディだぜ!」
三木は疲れた顔で、彼らにニヤリと笑いかけた。
「任せて!僕たちは知性を得たスーパーキャットなんだから!」
茶丸とセイくんは今まで以上にパワーアップして動き回った。
しかし、いくら撃っても、次から次へと数を増やすエージェントやロボットが後を絶たない。
私もエージェントの一人を相手にエアガンを撃ち、抗戦していたのだが、次第に部屋の隅へと追い詰められていった。そして背中の後ろにある、また別の部屋へと続くドアまで近づく。逃げ場を失い、そのままドアの中までジリジリと後退する。と、突然、目の前のドアが閉じられ、ガシャンという音だけが残った。
慌てて、ドアに駆け寄り開けようとしたが、ロックが掛かっている。すると背後で別の足音が聞こえた。振り返るとこの部屋に入ったドアと反対側のドアから別のエージェントが入ってきて、私に近寄ってきた。私はエアガンを彼に向けたが、その男は巧みにそれを避け、私を床に押さえつけた。
「クッ!」
私は腕を後ろに回したまま縛られ、必死に抵抗した。男が「今から最終尋問室に連れていく」と電話口で話しているのが聞こえた。
「こんなところで・・・終わるわけにはいかない!」
心の中で叫び、縛られた腕を見る。
「何とか、何とかしなきゃ・・・。でも、どうやって・・・・」
ふと、前に拘束された時のことを思い出した。そして、
「そうだ、この指輪・・・・!」
私は三木がこれをくれた時の言葉を思い出した。
「まあ、最後のお守りってとこだ・・・」
彼の言葉とそれを言った時の彼の顔が目に浮かんだ。
私は親指で指輪のカバーを開け、ボタンを押し、そして、体を捻じる。
「これが・・・・最後の頼みの綱!三木・・・お願い!」
ねじった勢いで縛られたままの腕を振って、めい一杯、力任せに男にパンチを加えた。
バリバリッ!と鋭い音と共に電撃が男に伝わり、男はその場に倒れた。私は急いでシューズの底に仕込まれたマルチツールで腕の拘束を解いた。
私は入ってきたドアに駆け寄ったがロックされたままだ。仕方なく、反対側のドアに向かい廊下に出た。
安心する間もなく、急いで私達もそこに加わる。
「茶丸!三木さんに疲れが見える。三木さんをバックアップしよう!」
「うん。」
セイくんはドローンで三木が戦う男に催涙スプレーを発射し、茶丸はスパークスティンガーで三木を狙う背後の男に電撃を加えた。
「お!頼りになるバディだぜ!」
三木は疲れた顔で、彼らにニヤリと笑いかけた。
「任せて!僕たちは知性を得たスーパーキャットなんだから!」
茶丸とセイくんは今まで以上にパワーアップして動き回った。
しかし、いくら撃っても、次から次へと数を増やすエージェントやロボットが後を絶たない。
私もエージェントの一人を相手にエアガンを撃ち、抗戦していたのだが、次第に部屋の隅へと追い詰められていった。そして背中の後ろにある、また別の部屋へと続くドアまで近づく。逃げ場を失い、そのままドアの中までジリジリと後退する。と、突然、目の前のドアが閉じられ、ガシャンという音だけが残った。
慌てて、ドアに駆け寄り開けようとしたが、ロックが掛かっている。すると背後で別の足音が聞こえた。振り返るとこの部屋に入ったドアと反対側のドアから別のエージェントが入ってきて、私に近寄ってきた。私はエアガンを彼に向けたが、その男は巧みにそれを避け、私を床に押さえつけた。
「クッ!」
私は腕を後ろに回したまま縛られ、必死に抵抗した。男が「今から最終尋問室に連れていく」と電話口で話しているのが聞こえた。
「こんなところで・・・終わるわけにはいかない!」
心の中で叫び、縛られた腕を見る。
「何とか、何とかしなきゃ・・・。でも、どうやって・・・・」
ふと、前に拘束された時のことを思い出した。そして、
「そうだ、この指輪・・・・!」
私は三木がこれをくれた時の言葉を思い出した。
「まあ、最後のお守りってとこだ・・・」
彼の言葉とそれを言った時の彼の顔が目に浮かんだ。
私は親指で指輪のカバーを開け、ボタンを押し、そして、体を捻じる。
「これが・・・・最後の頼みの綱!三木・・・お願い!」
ねじった勢いで縛られたままの腕を振って、めい一杯、力任せに男にパンチを加えた。
バリバリッ!と鋭い音と共に電撃が男に伝わり、男はその場に倒れた。私は急いでシューズの底に仕込まれたマルチツールで腕の拘束を解いた。
私は入ってきたドアに駆け寄ったがロックされたままだ。仕方なく、反対側のドアに向かい廊下に出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる