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1章
ep7 代替制度~修~
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修はその後も話しかける事によって由美達女子グループと仲良くなる事に成功した。
名前のわからなかったショートカットの子も後でクラスメイトの名簿を見る事で佐藤 春乃である事がわかった。
由美は結局、吹奏楽部に入部した。
初めはレンタルのを借りて練習するつもりらしく、時々はアルバイトをしながら自分のフルートを買えるようにお金を貯めるらしい。
楽しそうにしている由美を見るのは嬉しかった。
しかし、そうなると聞かれるのは優紀の事だった。
由美、理沙、春乃の3人にも優紀が中学時代に野球をやっていた事が知れ渡り、何でやらないの?帰宅部してたら勿体ないよと言われたものだ。
野球の事となると何処からともなく健人も現れてしつこく優紀を勧誘してきた。
修はジムで身体を鍛えたいからと言う理由で断り続けて、5月末頃になってようやくこの話題は出てこないようになったのだ。
その頃には由美達は放課後は直ぐに教室から出て行き、部活動に精を出すようになっていた。
ただ教室から出て行く時にタイミングが合えばこちらに手を振ってくれるのが嬉しかった。
5月末になると雨が降り続けていた。
いつもなら何でもなく傘を差して帰る修だが、この日は違った。
玄関で一人、理沙が立っていたのだ。
理沙は雨を眺めながら困った表情をしている。
流石に無視はできないなと思った修は声をかけるようにする。
「どうしたの?」
「あ、有田君。」
「ちょっと急に帰らないと行けなくなってね。部活も抜けてきたんだけど雨が。」
そう俯く理沙に聞く。
「傘もってないの?」
この状況だから予想はできたが案の定、
「うん。」という返事が返ってきた。
傘立てにはまだ何本かの傘が刺さっていたがそれを使えなんて言うのもおかしい。
急に帰らないといけないというと急ぎの用なのだろう。
修は何で由美じゃないんだと思ったが、普段から由美と仲良くしている理沙を邪険にする事はできなかった。
「一緒に帰る?送ってくよ。」
そう言うと修は傘を理沙の前で差した。
理沙は少し考えたようだが、ニコリと微笑んで優紀の傘の中に入る。
「理沙が濡れないように気をつけろ。」
修からの指示で優紀は濡れないように気をつける。
相合傘なんて優紀には初めての経験だ。
修がどう会話をするかを考えてるうちに、先に理沙の方から切り出してきた。
「ごめんね、弟が熱だしちゃってさ、本当はお母さんが帰ってる時間だったんだけど、職場でトラブルがあったみたいで。」
「いや、それなら仕方ないよ。」
修は言う。
「私の両親、共働きでねぇ。たまに今日みたいに帰りが遅くなるの。」
「大丈夫だよ、気にしないで。」
「ふふっ、有田くんは家こっちの方なの?」
本当は全然違う方向だが、修は気を利かせて嘘を言う。
「うん、家からそんなに離れていないから大丈夫。」
優紀を見る理沙。
「ふふっ、有田君って優しいんだね。」
「あっ、顔真っ赤だよ。」
この言葉に優紀の顔は紅潮してるようだ。
理沙もクラスで1番というタイプではないがそこそこに可愛らしい顔立ちをしている。
そんな子と二人きりの相合傘で良い雰囲気になっているのだ、優紀も男の子だなと思う修。
まぁ、そんな事よりせっかくだから情報収集でもするかと思ったのが、よろしくなかった。
修は優紀に指示を出す。
「ねぇ、宇野さんと園田さんはいつから友達なの?」
するとモニターに映る理沙は少し不機嫌そうな顔をする。
「由美と?んーー。」
少し間を置いてから理沙は直球で聞いてきた。
「ねぇ、有田君って由美の事好きなの?ここ最近いつも見てるけど。」
修はこの直球の質問に困る。
好きだと言って理沙を味方につけた方が恋愛に進捗があるか?それとも変に噂をされて亀裂が入るか?この年頃の子達の横の繋がりは恐ろしい。
噂は瞬く間に広まり、由美が恥ずかしがって優紀を拒絶する可能性も有りうる。
「ねぇ、なんでだんまりなの?」
「………。」
「うん、気にはなってる。」
我ながら完璧な答えを捻り出したと思う修。
好きでもないし、意識していない訳でもない絶妙なラインの返しだ。
「ふーん、それじゃぁまだ好きではないんだ。」
「うん。」
「じゃぁ、どうしよっかなぁ。由美の事教える代わりにちょっと家に来て。」
元からそのつもりだったが、この家に来てという誘いは送るだけではなくて家に上がっていけという意味だろう。
直ぐに何かあるわけではないだろう。
修は、
「ちょっとだけなら。」
と言い、誘いに応じた。
名前のわからなかったショートカットの子も後でクラスメイトの名簿を見る事で佐藤 春乃である事がわかった。
由美は結局、吹奏楽部に入部した。
初めはレンタルのを借りて練習するつもりらしく、時々はアルバイトをしながら自分のフルートを買えるようにお金を貯めるらしい。
楽しそうにしている由美を見るのは嬉しかった。
しかし、そうなると聞かれるのは優紀の事だった。
由美、理沙、春乃の3人にも優紀が中学時代に野球をやっていた事が知れ渡り、何でやらないの?帰宅部してたら勿体ないよと言われたものだ。
野球の事となると何処からともなく健人も現れてしつこく優紀を勧誘してきた。
修はジムで身体を鍛えたいからと言う理由で断り続けて、5月末頃になってようやくこの話題は出てこないようになったのだ。
その頃には由美達は放課後は直ぐに教室から出て行き、部活動に精を出すようになっていた。
ただ教室から出て行く時にタイミングが合えばこちらに手を振ってくれるのが嬉しかった。
5月末になると雨が降り続けていた。
いつもなら何でもなく傘を差して帰る修だが、この日は違った。
玄関で一人、理沙が立っていたのだ。
理沙は雨を眺めながら困った表情をしている。
流石に無視はできないなと思った修は声をかけるようにする。
「どうしたの?」
「あ、有田君。」
「ちょっと急に帰らないと行けなくなってね。部活も抜けてきたんだけど雨が。」
そう俯く理沙に聞く。
「傘もってないの?」
この状況だから予想はできたが案の定、
「うん。」という返事が返ってきた。
傘立てにはまだ何本かの傘が刺さっていたがそれを使えなんて言うのもおかしい。
急に帰らないといけないというと急ぎの用なのだろう。
修は何で由美じゃないんだと思ったが、普段から由美と仲良くしている理沙を邪険にする事はできなかった。
「一緒に帰る?送ってくよ。」
そう言うと修は傘を理沙の前で差した。
理沙は少し考えたようだが、ニコリと微笑んで優紀の傘の中に入る。
「理沙が濡れないように気をつけろ。」
修からの指示で優紀は濡れないように気をつける。
相合傘なんて優紀には初めての経験だ。
修がどう会話をするかを考えてるうちに、先に理沙の方から切り出してきた。
「ごめんね、弟が熱だしちゃってさ、本当はお母さんが帰ってる時間だったんだけど、職場でトラブルがあったみたいで。」
「いや、それなら仕方ないよ。」
修は言う。
「私の両親、共働きでねぇ。たまに今日みたいに帰りが遅くなるの。」
「大丈夫だよ、気にしないで。」
「ふふっ、有田くんは家こっちの方なの?」
本当は全然違う方向だが、修は気を利かせて嘘を言う。
「うん、家からそんなに離れていないから大丈夫。」
優紀を見る理沙。
「ふふっ、有田君って優しいんだね。」
「あっ、顔真っ赤だよ。」
この言葉に優紀の顔は紅潮してるようだ。
理沙もクラスで1番というタイプではないがそこそこに可愛らしい顔立ちをしている。
そんな子と二人きりの相合傘で良い雰囲気になっているのだ、優紀も男の子だなと思う修。
まぁ、そんな事よりせっかくだから情報収集でもするかと思ったのが、よろしくなかった。
修は優紀に指示を出す。
「ねぇ、宇野さんと園田さんはいつから友達なの?」
するとモニターに映る理沙は少し不機嫌そうな顔をする。
「由美と?んーー。」
少し間を置いてから理沙は直球で聞いてきた。
「ねぇ、有田君って由美の事好きなの?ここ最近いつも見てるけど。」
修はこの直球の質問に困る。
好きだと言って理沙を味方につけた方が恋愛に進捗があるか?それとも変に噂をされて亀裂が入るか?この年頃の子達の横の繋がりは恐ろしい。
噂は瞬く間に広まり、由美が恥ずかしがって優紀を拒絶する可能性も有りうる。
「ねぇ、なんでだんまりなの?」
「………。」
「うん、気にはなってる。」
我ながら完璧な答えを捻り出したと思う修。
好きでもないし、意識していない訳でもない絶妙なラインの返しだ。
「ふーん、それじゃぁまだ好きではないんだ。」
「うん。」
「じゃぁ、どうしよっかなぁ。由美の事教える代わりにちょっと家に来て。」
元からそのつもりだったが、この家に来てという誘いは送るだけではなくて家に上がっていけという意味だろう。
直ぐに何かあるわけではないだろう。
修は、
「ちょっとだけなら。」
と言い、誘いに応じた。
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