10 / 15
1章
ep10 代替制度~優紀と修~
しおりを挟む
今日は12月21日の日曜日。
「最悪とはどういう意味だ?」
優紀は焦る。呟いた言葉がバディに聞こえてしまったようだ。
「ごめんなさい。」
しかし、若干不服なのでそのままお願いをする。
「でも、空いてる日にアルバイトまでいれたら、僕の休む日がないです。」
ほとんど会話らしい会話をした事のないバディの返事を待ちながらすごすごと店の影に行く優紀。
「そうは言ってもなぁ、もし付き合う事になったらどうする?」
「デート代も男が出すとしたら結構かかるんだぞ。」
バディの言っている事はもっともだと思う。
そのデート代が好きな子に使われるなら我慢できるかもしれない。
けれど、自分の身体を酷使して好きじゃない相手とデートをしてアルバイト代を失っていくのは苦痛でしかない。
初めて文句を言ってしまった勢いからか優紀は前から思っていた疑問を聞いてみる事にした。
「それに何で園田さんなんですか?他に可愛い子いるじゃないですか。」
「宇野さんとか朝河さんとか…。」
言ってから自分の好みの女の子をバディに話してしまった事に気づく。
「何で由美の事が好きかって?そんなの優紀には関係ないだろう。」
俺の身体を使って恋愛しといて、関係ないってどういう事だよと怒りが沸いてくる。
「そうは言っても多少は自分のタイプじゃないとどうも気乗りがしなくて。」
お金で買われてる以上我慢してきたが本音が出てしまう。
「優紀、契約の事。忘れたのか?」
バディからの忠告のような声。
優紀はしまったと思い、再び「すいません。」と言うしかない。
修は悩む。
そもそもこの実験は少子高齢化対策として、高校生の恋愛を応援しようというもののはずだ。
しかし、現状はどうだろうか。
高校3年間、修が操作する優紀と由美は付き合う事ができるかもしれない。
けれどその後はどうだろうか、今の優紀の意見を聞く限り別れそうな気がしてならない。
それでも修にはこの高校生活の期間だけでも優紀を通して青春する権利はあるのだ。
その後の事など関係ないと思っていたが、そうもいくまいという気が起きてきた。
理沙に、朝河?といったか、クラスメイトの名簿にいた気はする。
優紀と相談してお互いが納得する形で進めれるようにするか、それとも今まで通り自分主導の元でいくか、今後の高校生活の大きな分岐点になる問題だ。
「あのぉ、今日はもう帰ってもいいでしょうか?」
考え込むバディに優紀は恐る恐る伺う。
「ああ、いいぞ。」
怒らせてしまったかもと心配だったが、直ぐに機嫌を戻してくれたようだ。
「あ、そういえば一つお願いしたいんですが」
歩きながら尋ねる。
「メッセージってバディの方に転送してもいいですか?そうしたらやり取りがスムーズにいくかもしれないですし。」
まぁ、そのくらいだったら問題ないし、今までやらなかったのが不思議だったかもしれない。
修も了承をする。
「じゃぁ、あとでアドレス送って下さい、転送かけるんで。」
修は優紀に自分のメッセージのアドレスを送る。
「届きました。家ついたら設定しときます。」
そう言う優紀の声。
朝河かどんな子だったかな、修は名簿一覧で確かめる事にする。
まぁ、今風の可愛らしい子という感じだが話した事もないせいか、いまいち感心が持てない。
クリスマスイブには由美を誘っている、大前提この日には由美に何らかのアクションをしなければいけないだろう。
しかし、このまま恋人関係になっても修の独りよがりの高校生活ゲームになりかねない。
じゃぁ、間を取って理沙か。
理沙とは確かに仲は深くなっていた。けれど少し前に信之がデートに誘うと言っていたばかりだ。あれからどうなったんだ?
喜んで話をしにこなかったって事は失敗したって事だろうか。
とりあえずはそれを確認しよう。
優紀が家に帰って少し待つと転送設定の連絡が来た。
だが、転送はできるにしてもこちらから知らない連絡先に送る事ができない。
優紀にアドレス帳を送らせる方法はあるが結局は優紀の携帯から発信しないとアドレス違いで不自然に思われるだろう。
仕方なく修は指示をする。
メッセージで信之に宇野さんをデートに誘うのは上手くいったか確認してみてくれ。
1時間後くらいには転送されたメールが修に届いた。
「残念。その日は予定があるからって断られたよ。」
と、連絡がきた。
いっその事、信之と理沙の関係が上手くいくようだったら諦めがつくと思ったが、そうはいかなかった。
優紀から「どんまい。」と返しとくように指示をして再び考える。
例えば、今から理沙にアプローチをするとしてもどうする。由美とデートしてから理沙に告白なんてしたらそれこそ周りからの目が冷ややかなものになるだろう。
そして由美が悲しむのも目に見えている。
しかし、由美とのデートをわざと失敗して落ち込んでいるふりをしながら理沙の懐に忍び込むという手段もあるのか。
いやいや、そもそもは誰の事が好きで、今後どうしていきたいのかが大事だ。
62歳の修は高校生の恋愛をその夜悩み続けた。
「最悪とはどういう意味だ?」
優紀は焦る。呟いた言葉がバディに聞こえてしまったようだ。
「ごめんなさい。」
しかし、若干不服なのでそのままお願いをする。
「でも、空いてる日にアルバイトまでいれたら、僕の休む日がないです。」
ほとんど会話らしい会話をした事のないバディの返事を待ちながらすごすごと店の影に行く優紀。
「そうは言ってもなぁ、もし付き合う事になったらどうする?」
「デート代も男が出すとしたら結構かかるんだぞ。」
バディの言っている事はもっともだと思う。
そのデート代が好きな子に使われるなら我慢できるかもしれない。
けれど、自分の身体を酷使して好きじゃない相手とデートをしてアルバイト代を失っていくのは苦痛でしかない。
初めて文句を言ってしまった勢いからか優紀は前から思っていた疑問を聞いてみる事にした。
「それに何で園田さんなんですか?他に可愛い子いるじゃないですか。」
「宇野さんとか朝河さんとか…。」
言ってから自分の好みの女の子をバディに話してしまった事に気づく。
「何で由美の事が好きかって?そんなの優紀には関係ないだろう。」
俺の身体を使って恋愛しといて、関係ないってどういう事だよと怒りが沸いてくる。
「そうは言っても多少は自分のタイプじゃないとどうも気乗りがしなくて。」
お金で買われてる以上我慢してきたが本音が出てしまう。
「優紀、契約の事。忘れたのか?」
バディからの忠告のような声。
優紀はしまったと思い、再び「すいません。」と言うしかない。
修は悩む。
そもそもこの実験は少子高齢化対策として、高校生の恋愛を応援しようというもののはずだ。
しかし、現状はどうだろうか。
高校3年間、修が操作する優紀と由美は付き合う事ができるかもしれない。
けれどその後はどうだろうか、今の優紀の意見を聞く限り別れそうな気がしてならない。
それでも修にはこの高校生活の期間だけでも優紀を通して青春する権利はあるのだ。
その後の事など関係ないと思っていたが、そうもいくまいという気が起きてきた。
理沙に、朝河?といったか、クラスメイトの名簿にいた気はする。
優紀と相談してお互いが納得する形で進めれるようにするか、それとも今まで通り自分主導の元でいくか、今後の高校生活の大きな分岐点になる問題だ。
「あのぉ、今日はもう帰ってもいいでしょうか?」
考え込むバディに優紀は恐る恐る伺う。
「ああ、いいぞ。」
怒らせてしまったかもと心配だったが、直ぐに機嫌を戻してくれたようだ。
「あ、そういえば一つお願いしたいんですが」
歩きながら尋ねる。
「メッセージってバディの方に転送してもいいですか?そうしたらやり取りがスムーズにいくかもしれないですし。」
まぁ、そのくらいだったら問題ないし、今までやらなかったのが不思議だったかもしれない。
修も了承をする。
「じゃぁ、あとでアドレス送って下さい、転送かけるんで。」
修は優紀に自分のメッセージのアドレスを送る。
「届きました。家ついたら設定しときます。」
そう言う優紀の声。
朝河かどんな子だったかな、修は名簿一覧で確かめる事にする。
まぁ、今風の可愛らしい子という感じだが話した事もないせいか、いまいち感心が持てない。
クリスマスイブには由美を誘っている、大前提この日には由美に何らかのアクションをしなければいけないだろう。
しかし、このまま恋人関係になっても修の独りよがりの高校生活ゲームになりかねない。
じゃぁ、間を取って理沙か。
理沙とは確かに仲は深くなっていた。けれど少し前に信之がデートに誘うと言っていたばかりだ。あれからどうなったんだ?
喜んで話をしにこなかったって事は失敗したって事だろうか。
とりあえずはそれを確認しよう。
優紀が家に帰って少し待つと転送設定の連絡が来た。
だが、転送はできるにしてもこちらから知らない連絡先に送る事ができない。
優紀にアドレス帳を送らせる方法はあるが結局は優紀の携帯から発信しないとアドレス違いで不自然に思われるだろう。
仕方なく修は指示をする。
メッセージで信之に宇野さんをデートに誘うのは上手くいったか確認してみてくれ。
1時間後くらいには転送されたメールが修に届いた。
「残念。その日は予定があるからって断られたよ。」
と、連絡がきた。
いっその事、信之と理沙の関係が上手くいくようだったら諦めがつくと思ったが、そうはいかなかった。
優紀から「どんまい。」と返しとくように指示をして再び考える。
例えば、今から理沙にアプローチをするとしてもどうする。由美とデートしてから理沙に告白なんてしたらそれこそ周りからの目が冷ややかなものになるだろう。
そして由美が悲しむのも目に見えている。
しかし、由美とのデートをわざと失敗して落ち込んでいるふりをしながら理沙の懐に忍び込むという手段もあるのか。
いやいや、そもそもは誰の事が好きで、今後どうしていきたいのかが大事だ。
62歳の修は高校生の恋愛をその夜悩み続けた。
0
あなたにおすすめの小説
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる