12 / 15
1章
ep12 代替制度~優紀と修~
しおりを挟む
「すいません。自分でもわからなくなってしまって。」
「なんだろ、俺、朝河さんの事が好きだったんだけど。」
「健人と仲良くなってくれる事は嬉しいのかも。」
「でも、健人が俺に相談してくれなかったのが嫌だったのかもって気持ちもあるし、朝河さんの事好きって気持ちもあるし。」
「でも、俺が連絡取りづらくしてたから健人も俺に話せなかったわけで。」
「俺、どうしたら良かったのかわからなくて。」
優紀の言葉を黙って聞く修。言いたい事に整理がついてない様子だ。
この原因はこの実験だろう。
修も優紀の気持ちを少しは汲み取りながら友達付き合いをできていたかもしれないと自分を責める。
ただ、この会話事態も政府に聞かれているという事を修は知っていた。
これ以上会話を続ければ強制ストップがかかるかもしれない。
「わかった、お前はよくやっている。」
「しかしな、確認しておかなければいけない事がある。」
「優紀は誰の事が好きなんだ?」
「………。」
少しの沈黙の後、優紀の声が聴こえる。
「朝河さんか、宇野さんです。園田さんではないです。」
やはりかと考え込む。
このまま由美と付き合う事になったとしても上手くいく未来が見えない。
おそらく最終決定をするのは自分だろう。しかし、行動にうつすのは優紀だ。
このまま由美を口説くのは断念した方がいいかもしれない。
「それに何でバディは園田さんの事が好きなんですか?」
真っすぐな質問だった。だけど確かに今まで話した事はない。
「由美はな、亡くなった妻に似てるんだ。特に笑った時の顔なんかがな。」
「………。」
優紀が押し黙ったのを感じる。
少し間があったのに意を決したようにまた話す優紀。
「園田さんって、あれっていうか、結構ぽっちゃりですけど、それでも?」
その言葉に誰にも見られてもいないのに修は苦虫を噛んだ顔をする。
この世代の子からはそう見えるのも仕方ない、由美が中学の時にからかわれていたのもそれが原因だろうと予測はしていた。
「まぁ、優紀の世代からするとそうは見えるかもしれないが、女は子供産んで家庭に入ったらどんどんああゆう体型になってくぞ。俺は気にならなくなってしまったなぁ。」
「ふっ」
不意に聞こえる優紀の笑い声。
「何を笑ってるんだ?」
修も冗談まじりに言う。
「いや、なんか初めてバディの事知れたなぁと思って。」
その声で落ち着いてきた様子がわかった。
すると突然、「ピーピーピー♪」と優紀と修に音が聴こえる。
「会話のしすぎです。即刻中止して下さい。再度申し上げますが基本的には緊急時以外のお二人の会話は禁止されております。従えない場合は実験プログラムの強制終了を致しますので気をつけて下さい。」
喋りすぎた。お互いがそう思い、直ぐに黙り込む。
少しの沈黙の後に、
「優紀、とりあえず1限目は始まってしまってるから休み時間になったら教室に帰って、健人に謝れ。」
モニターが一回上下に動いた。
優紀が頷いたのを確認すると、それまでの時間に一旦整理する事にする修。
俺は由美が好きで、優紀が朝河、理沙の二人が気になると。
健人が朝河の事を好きで、信之が理沙の事を好きで、理沙が優紀の事をおそらく好きと。
ふーむ、中々絶望的な状況だな。
ただ、優紀の為に由美を諦めるとなると朝河という話もした事のない女子よりは理沙の方が良い。優紀も気になっているようだし、ここが妥協案だろうか。
しかし、由美とのデートは明後日だ、ここからこの恋愛図を軌道修正できるのか、由美が傷つかないようにすればどうすればいいのだ。
修はいくつも年下の優紀に相談したくて仕方なくなった。
休み時間になると、優紀は素直に謝りにいった。
健人は特に怒っている事もなく、気にすんなよという風だ。健人からすれば由美の事を好きと言っといて朝河の名前を出したら怒りだした変な奴に見えるはずなのだが、そんな素振りもみせずに、むしろ黙ってて悪いなとまで言ってくれた。
優紀と健人が話す事で輪と信之も集まる。信之からは何故か肩パンをお見舞いされたがそれで笑いにしてくれた。
ふと、優紀は気になり由美達の方を見ると視線を感じる。
修は喜ぶが優紀にとってその視線は複雑な気持ちにさせた。デートも近くなり意識されてるのだろう。
その視線とは別に理沙もこちらを見ていた。そして、目が合うとつかつかとこちらへ歩いてきて、
「はい、これ。由美から。」
と言い小さく折りたたまれた紙を渡された。
どうやらこの紙を渡すタイミングを伺っていたようだ。
今、開くとこの3人が絡んできそうなので授業が始まったらこっそり中を読む事にしよう。
「なんだろ、俺、朝河さんの事が好きだったんだけど。」
「健人と仲良くなってくれる事は嬉しいのかも。」
「でも、健人が俺に相談してくれなかったのが嫌だったのかもって気持ちもあるし、朝河さんの事好きって気持ちもあるし。」
「でも、俺が連絡取りづらくしてたから健人も俺に話せなかったわけで。」
「俺、どうしたら良かったのかわからなくて。」
優紀の言葉を黙って聞く修。言いたい事に整理がついてない様子だ。
この原因はこの実験だろう。
修も優紀の気持ちを少しは汲み取りながら友達付き合いをできていたかもしれないと自分を責める。
ただ、この会話事態も政府に聞かれているという事を修は知っていた。
これ以上会話を続ければ強制ストップがかかるかもしれない。
「わかった、お前はよくやっている。」
「しかしな、確認しておかなければいけない事がある。」
「優紀は誰の事が好きなんだ?」
「………。」
少しの沈黙の後、優紀の声が聴こえる。
「朝河さんか、宇野さんです。園田さんではないです。」
やはりかと考え込む。
このまま由美と付き合う事になったとしても上手くいく未来が見えない。
おそらく最終決定をするのは自分だろう。しかし、行動にうつすのは優紀だ。
このまま由美を口説くのは断念した方がいいかもしれない。
「それに何でバディは園田さんの事が好きなんですか?」
真っすぐな質問だった。だけど確かに今まで話した事はない。
「由美はな、亡くなった妻に似てるんだ。特に笑った時の顔なんかがな。」
「………。」
優紀が押し黙ったのを感じる。
少し間があったのに意を決したようにまた話す優紀。
「園田さんって、あれっていうか、結構ぽっちゃりですけど、それでも?」
その言葉に誰にも見られてもいないのに修は苦虫を噛んだ顔をする。
この世代の子からはそう見えるのも仕方ない、由美が中学の時にからかわれていたのもそれが原因だろうと予測はしていた。
「まぁ、優紀の世代からするとそうは見えるかもしれないが、女は子供産んで家庭に入ったらどんどんああゆう体型になってくぞ。俺は気にならなくなってしまったなぁ。」
「ふっ」
不意に聞こえる優紀の笑い声。
「何を笑ってるんだ?」
修も冗談まじりに言う。
「いや、なんか初めてバディの事知れたなぁと思って。」
その声で落ち着いてきた様子がわかった。
すると突然、「ピーピーピー♪」と優紀と修に音が聴こえる。
「会話のしすぎです。即刻中止して下さい。再度申し上げますが基本的には緊急時以外のお二人の会話は禁止されております。従えない場合は実験プログラムの強制終了を致しますので気をつけて下さい。」
喋りすぎた。お互いがそう思い、直ぐに黙り込む。
少しの沈黙の後に、
「優紀、とりあえず1限目は始まってしまってるから休み時間になったら教室に帰って、健人に謝れ。」
モニターが一回上下に動いた。
優紀が頷いたのを確認すると、それまでの時間に一旦整理する事にする修。
俺は由美が好きで、優紀が朝河、理沙の二人が気になると。
健人が朝河の事を好きで、信之が理沙の事を好きで、理沙が優紀の事をおそらく好きと。
ふーむ、中々絶望的な状況だな。
ただ、優紀の為に由美を諦めるとなると朝河という話もした事のない女子よりは理沙の方が良い。優紀も気になっているようだし、ここが妥協案だろうか。
しかし、由美とのデートは明後日だ、ここからこの恋愛図を軌道修正できるのか、由美が傷つかないようにすればどうすればいいのだ。
修はいくつも年下の優紀に相談したくて仕方なくなった。
休み時間になると、優紀は素直に謝りにいった。
健人は特に怒っている事もなく、気にすんなよという風だ。健人からすれば由美の事を好きと言っといて朝河の名前を出したら怒りだした変な奴に見えるはずなのだが、そんな素振りもみせずに、むしろ黙ってて悪いなとまで言ってくれた。
優紀と健人が話す事で輪と信之も集まる。信之からは何故か肩パンをお見舞いされたがそれで笑いにしてくれた。
ふと、優紀は気になり由美達の方を見ると視線を感じる。
修は喜ぶが優紀にとってその視線は複雑な気持ちにさせた。デートも近くなり意識されてるのだろう。
その視線とは別に理沙もこちらを見ていた。そして、目が合うとつかつかとこちらへ歩いてきて、
「はい、これ。由美から。」
と言い小さく折りたたまれた紙を渡された。
どうやらこの紙を渡すタイミングを伺っていたようだ。
今、開くとこの3人が絡んできそうなので授業が始まったらこっそり中を読む事にしよう。
0
あなたにおすすめの小説
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる