俺と代われ!!Re青春

相間 暖人

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1章

ep12 代替制度~優紀と修~

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「すいません。自分でもわからなくなってしまって。」

「なんだろ、俺、朝河さんの事が好きだったんだけど。」

「健人と仲良くなってくれる事は嬉しいのかも。」

「でも、健人が俺に相談してくれなかったのが嫌だったのかもって気持ちもあるし、朝河さんの事好きって気持ちもあるし。」

「でも、俺が連絡取りづらくしてたから健人も俺に話せなかったわけで。」

「俺、どうしたら良かったのかわからなくて。」

優紀の言葉を黙って聞く修。言いたい事に整理がついてない様子だ。



この原因はこの実験だろう。

修も優紀の気持ちを少しは汲み取りながら友達付き合いをできていたかもしれないと自分を責める。

ただ、この会話事態も政府に聞かれているという事を修は知っていた。

これ以上会話を続ければ強制ストップがかかるかもしれない。



「わかった、お前はよくやっている。」

「しかしな、確認しておかなければいけない事がある。」

「優紀は誰の事が好きなんだ?」



「………。」

少しの沈黙の後、優紀の声が聴こえる。



「朝河さんか、宇野さんです。園田さんではないです。」



やはりかと考え込む。

このまま由美と付き合う事になったとしても上手くいく未来が見えない。

おそらく最終決定をするのは自分だろう。しかし、行動にうつすのは優紀だ。

このまま由美を口説くのは断念した方がいいかもしれない。



「それに何でバディは園田さんの事が好きなんですか?」

真っすぐな質問だった。だけど確かに今まで話した事はない。



「由美はな、亡くなった妻に似てるんだ。特に笑った時の顔なんかがな。」



「………。」

優紀が押し黙ったのを感じる。

少し間があったのに意を決したようにまた話す優紀。



「園田さんって、あれっていうか、結構ぽっちゃりですけど、それでも?」



その言葉に誰にも見られてもいないのに修は苦虫を噛んだ顔をする。

この世代の子からはそう見えるのも仕方ない、由美が中学の時にからかわれていたのもそれが原因だろうと予測はしていた。



「まぁ、優紀の世代からするとそうは見えるかもしれないが、女は子供産んで家庭に入ったらどんどんああゆう体型になってくぞ。俺は気にならなくなってしまったなぁ。」



「ふっ」



不意に聞こえる優紀の笑い声。



「何を笑ってるんだ?」

修も冗談まじりに言う。



「いや、なんか初めてバディの事知れたなぁと思って。」

その声で落ち着いてきた様子がわかった。

すると突然、「ピーピーピー♪」と優紀と修に音が聴こえる。



「会話のしすぎです。即刻中止して下さい。再度申し上げますが基本的には緊急時以外のお二人の会話は禁止されております。従えない場合は実験プログラムの強制終了を致しますので気をつけて下さい。」



喋りすぎた。お互いがそう思い、直ぐに黙り込む。

少しの沈黙の後に、



「優紀、とりあえず1限目は始まってしまってるから休み時間になったら教室に帰って、健人に謝れ。」

モニターが一回上下に動いた。

優紀が頷いたのを確認すると、それまでの時間に一旦整理する事にする修。

俺は由美が好きで、優紀が朝河、理沙の二人が気になると。

健人が朝河の事を好きで、信之が理沙の事を好きで、理沙が優紀の事をおそらく好きと。

ふーむ、中々絶望的な状況だな。

ただ、優紀の為に由美を諦めるとなると朝河という話もした事のない女子よりは理沙の方が良い。優紀も気になっているようだし、ここが妥協案だろうか。

しかし、由美とのデートは明後日だ、ここからこの恋愛図を軌道修正できるのか、由美が傷つかないようにすればどうすればいいのだ。

修はいくつも年下の優紀に相談したくて仕方なくなった。



休み時間になると、優紀は素直に謝りにいった。

健人は特に怒っている事もなく、気にすんなよという風だ。健人からすれば由美の事を好きと言っといて朝河の名前を出したら怒りだした変な奴に見えるはずなのだが、そんな素振りもみせずに、むしろ黙ってて悪いなとまで言ってくれた。

優紀と健人が話す事で輪と信之も集まる。信之からは何故か肩パンをお見舞いされたがそれで笑いにしてくれた。

ふと、優紀は気になり由美達の方を見ると視線を感じる。

修は喜ぶが優紀にとってその視線は複雑な気持ちにさせた。デートも近くなり意識されてるのだろう。

その視線とは別に理沙もこちらを見ていた。そして、目が合うとつかつかとこちらへ歩いてきて、



「はい、これ。由美から。」

と言い小さく折りたたまれた紙を渡された。

どうやらこの紙を渡すタイミングを伺っていたようだ。

今、開くとこの3人が絡んできそうなので授業が始まったらこっそり中を読む事にしよう。
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