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第九話:木葉天狗
08木葉天狗
しおりを挟む「……あなたは、どうしてここに?」
「教えてほしいならさぁ。俺様も使役してみろよ」
紗紀の問いに答える気なんてさらさら無いのか、ヤツデの葉を振りかざしニッと笑う木葉天狗。
「闇を纏え、囲い」
ブワッと吹き荒れる豪風に、塗壁の七曲が本来の姿に戻り傍に居た全員を覆い隠す。
びしばしと強い風が七曲の体を叩いていく。
「……くっ……!!」
「へぇ、なに。オマエ塗壁かよ。さてさて?どっちが勝つか勝負と行こうか」
木葉天狗はニッと笑うと再びカエデの葉をかざした。
「かっ飛ばせ、舞風!」
「ぐっ……!!」
『ダメだ。力じゃ全然敵わない。ごめん、みんな……』
真っ暗闇の中、七曲の声が響いて聞こえる。
七曲によって囲われたみんなは一斉に身構えた。
もう持たないと直様理解したからだ。
そっとミタマは紗紀の傍に寄ると彼女を引き寄せた。
七曲は力尽き、人の姿へと戻ると同時に中に囲われていた全員が木葉天狗の作った風に飛ばされる。
ドサドサと地面に音を立てて落ちる。
「ッ……みんな……!……ミタマさん!?」
痛みが少ないと思えば、いつの間にかミタマの腕の中に居て、しかも彼を下敷きにしている。
慌てて退くと紗紀は心配してミタマの顔を覗き込む。
それに気付いたミタマは心配かけまいと起き上がった。
「すみません、大丈夫ですか!?」
「ああ。紗紀は?怪我はないかい?」
「お陰様で。……それにしても……」
(みんなは無事?弱っていた七曲さんも心配だ。……それにしてもあの豪風)
まずはアレを止めなければならない。
(どうやれば木葉天狗を説得出来る?)
威力の強い狐火が木葉天狗を攻撃するもするりと躱される。
それを見て九重が無事である事を察知する紗紀。
紗紀は七曲に変化をすると走り出した。
「紗紀……!」
「ミタマさんは雪音さんと七曲さんを!」
「……っ、分かった!」
心配そうな声を上げるミタマに、そう頼むと紗紀は九重の方へと向かった。
懐から茶色の御札を取り出す。
「土神よ我が意思に力を急急如律令!」
紗紀がそう叫ぶと地面が盛り上がり宙を飛ぶ木葉天狗を取り囲むように立ちはだかる。
上へ上へと逃げるように飛ぶ木葉天狗。
けれど天井が塞がれて動けなくなった。
「捕まえたな」
九重が驚いた声を上げる。
けれどこれから先を何も考えておらず紗紀は困ってしまう。
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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