~巻き込まれ少女は妖怪と暮らす~【天命のまにまに。】

東雲ゆゆいち

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第九話:木葉天狗

09木葉天狗

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「どうしましょう?」

「いいんじゃないか?このまま放置で」

「そ、そんな!……使役しえき、出来ませんかね?」


おずおずと九重に問うけれど、ドゴォッと言う音と共に土の壁を壊され再び木葉天狗が姿を現した。

チッと九重が舌打ちをする。


「へんっ!こんなモンで俺様を捕まえた気かよ?」

「お願いです、話し合いをしませんか?」

「だーかーら~、それは使役してから言えっての!!」


ヤツデの葉を再びかかげる木葉天狗。

振りかざされると同時に激しい暴風が吹き荒れる。

紗紀は咄嗟とっさに九重におおいかぶさり地面へとせた。

塗壁である七曲の姿を借りているからか、重力が増していて飛ばされずに済んだ。


「……おい」


下敷きになっている九重が不満の声を上げる。


「す、すみませんつい!!」


風が止んだのを確認して、紗紀は飛び起きた。

咄嗟とっさの判断とは言え九重に抱きついた挙句あげく、あまつさえ押し倒してその上に乗っかるとは。

自分の行動にびっくりする。

けれどそうも言っていられない。


(このままでは拝殿諸共はいでんもろもろ吹き飛ばされてしまう)


紗紀はキッと木葉天狗をにらんだ。


「おぉ怖い怖い。なんだよヤル気か?んー?」


紗紀は御札おふだを取り出し雪女に変化した。


「お願い、力を貸して」


地面に触れて土にまっている水分を氷へと変化させる。

土から生えた氷の柱は、数本のするどとげのように木葉天狗へ向かって長く伸びた。

けれど造作ぞうさも無く木葉天狗はひょいとかわしてしまう。


「ハンッ!なんだよこの程度か?想像よりはるかに弱いな」


見下してあざ笑う木葉天狗に、紗紀は歯をくいしばる。


(何か他に手は無いの?氷が駄目なら)


今度は九尾へと変化をした。


「九重さん!力を貸してください」

承知しょうちした」

「下手な鉄砲数打ちゃ当たる作戦です!!」

「なんだその作戦名は」


紗紀が狐火を大量にともす。

それに合わせるように九重も狐火を大量生産する。


(狙おうと思うから駄目なんだ。ならば、手当たり次第しだい


「……はぁ。つまんねぇな」

「狐火!!」


退屈たいくつそうに溜め息を吐き出す木葉天狗に向けて、紗紀と九重は狐火を連続で放つ。

けれど風を切るように木葉天狗はするりするりとかわしていく。


「当たらんな」

「……数でも駄目、ですか……」

「ならばこれはどうだ?」


つい先程、紗紀が土を天高く伸ばしたあのかたまりに、九重はこぶしを当てて炎を入れ込む。

火の付いた土の塊が木葉天狗へ向けて放たれた。

一発、二発と躊躇ためらいもなく次々とこぶしで土を#削__けず_#っては、木葉天狗へと攻撃を続ける。

けれどひらりとカエデの葉をあおがれれば、木葉天狗へ向けた攻撃が今度は紗紀達をおそう。


「ひぃっ!?」

「……ッ」

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