わがまま秘書は冷徹社長の独占愛に溺れていく

椿綾あこ

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5 冷徹社長の支配の始まり

5 ※

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 「や……やだ……もう、やぁ……っ」

 浅く、細く、息を吸うだけで下腹がビクビクと震える。腰が浮きそうになるのを懸命に耐えて、ぎゅっと唇を噛む。
 久世社長の指は、意地悪なくらいに絶妙で、奥をくすぐるように動き続けている。なのに――とどかない。ほんの一歩、あと一押しがこない。

「我慢してるのか?」

 耳元に低く落とされたその声だけで、ゾクリと背中を駆け上がる熱が走る。反応したのが悔しくて、首を振るけど、もうバレている。

「……喘いでるくせに、最後だけは我慢するのか」
「ち、が……っ、う……ぅっ……!」

 ぐっと奥を撫でられて、また身体が跳ねた。駄目。まだ――でも、このままじゃ――。

「――命令だ。イけ」

 その一言が、耳元に沈み込んだ瞬間だった。
 あまりに低く、熱を孕んだ声。命令口調のはずなのに、耳朶を甘くくすぐるその響きに、抗う余地なんてなかった。

「あっ……んっ、ぁあ……っ! イ……ッ、あぁぁっ……!」

 声が、勝手に零れた。歯を食いしばっていたはずなのに、唇が震えて、逃げる間もなく、身体の奥から快感が弾けた。
 ぎゅうっと奥が締まって、痺れるような感覚が全身を駆け巡る。久世社長の指がまだ中にあるのに――なのに、止まらなかった。

「っ、はぁ……や、ぁ……ん……っ……」

 肩が震えて、足がうまく立たない。膝が笑って、力が入らない。身体の奥が、まだ余韻を引きずって、ぴくぴくと反応していた。
 
 指だけでイかされてしまった。しかも、久世社長に。
 少し前まで苦手で、怖いと思っていて相手。

「気持ち良かったか?」

 髪に落ちてきた低い声。さっきまで責めていた男が、まるで褒めるように囁いてくるその声が、甘くて、くやしくて――だけど、快楽に流されてしまったのは事実だった。

 
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