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1章
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まごつく柳瀬は続ける。「・・・・・・まぁ、今日午前中だけだし、帰りに昼飯おごりな」。
エアコンを入れる必要がないので、窓を開けている教室が多い。そのためか、授業中の落胆する声や、歓喜する声が往々にして聞こえる。
そんな刺激があるにも関わらず、柳瀬の膝の上で健やかに眠る。「この硬さが好み!」と抜かした後、程なくして静かに眠りに入っていった様子を見ると、日頃から疲労が蓄積されていると見た。
去年の今頃を顧みれば、地球が反転するくらい学校が変わった。そうなるように奔走した張本人は、涼しい顔をして柳瀬の膝の上で寝ている。
「本当に会長になっちまうんだもん、そんなに本気になられたら、こっちが怖くて本気になれねぇよ――」呟いた。
(柳瀬・・・・・・)
寝返りを打って腰をガッチリホールドする。
「はぁ――寝姿は子どもって、どんなギャップだよ」撫でる柳瀬の手は、いつかの母のようだった。
あの後2人は熟睡し、気づけば放課後を迎えていた。あちこちで部活の掛け声が飛び交う。
先に起きた一条は柳瀬を起こして、生徒会室に顔を出してから帰ること旨を伝える。「すぐ済むし、教室で待っててくれない? 人気も少なくなってるし、一緒に帰ろうよ」。
その後の返事は「・・・・・・おぅ」と小さいものだった。
柳瀬の教室で別れると、まずエントランスへ向かった。
裏に向けた成績表は――無残にも引き裂かれ怨恨の類が垣間見える。犯人の特定をするべきか迷うほど、憎悪のみの感情に突き動かされたような引き裂き方をしている。以前の生徒会を知っている学年の、おそらく下位の人がやったことだ。
彼らを守ると約束した上で開示に至ったもので、一部信用の失墜はもう確固たるものになってしまった。
だが、一条はそれでもやるべきことは明確だった。
破れたものを一条がさらに破り直す形で引き剥がし、それを生徒会へ持ち帰った。
ドアを開け皆が揃っている。それも重苦しい雰囲気で。
開口一番に「会長が被るんですか、ソレ」立野は震える。
「しょうがないよ。僕に対する明らかな怒りだ。でも、見捨てる理由はそれじゃ駄目じゃない?」
「・・・・・・っ、図書券の件、整いました。明日以降にでも贈与可能です」
「それは早いほうがいいな。――でも、待って。今此処で順序間違えたらいけないな」
「・・・・・・会長がしてもないことを被る必要はないじゃないですか。たしかに――成績開示の件はこちら側のミスです。しかし、元凶は・・・・・・四月一日ではありませんか」
「ん? 立野君もこれの製作者知ってたの」
あ、と一瞬の挙動を見せて「僕が依頼した時、ソイツの名前が上がってたので、もしかしたら、と思って」という。
「とりあえず、明日から先生らがこれを問題視すると思うから、なにか言われた時は僕が剥がしたって言って」
それを聞いて、存在感のなくなった大倉が端からいう。「――あのさ。対応の前に、俺に何か言うこと無いのか?」。
「・・・・・・すみませんでした。僕の伝え方が悪かったです」
誠意のある謝罪を見せるため、大倉の前まで移動して深々と頭をさげた。
エアコンを入れる必要がないので、窓を開けている教室が多い。そのためか、授業中の落胆する声や、歓喜する声が往々にして聞こえる。
そんな刺激があるにも関わらず、柳瀬の膝の上で健やかに眠る。「この硬さが好み!」と抜かした後、程なくして静かに眠りに入っていった様子を見ると、日頃から疲労が蓄積されていると見た。
去年の今頃を顧みれば、地球が反転するくらい学校が変わった。そうなるように奔走した張本人は、涼しい顔をして柳瀬の膝の上で寝ている。
「本当に会長になっちまうんだもん、そんなに本気になられたら、こっちが怖くて本気になれねぇよ――」呟いた。
(柳瀬・・・・・・)
寝返りを打って腰をガッチリホールドする。
「はぁ――寝姿は子どもって、どんなギャップだよ」撫でる柳瀬の手は、いつかの母のようだった。
あの後2人は熟睡し、気づけば放課後を迎えていた。あちこちで部活の掛け声が飛び交う。
先に起きた一条は柳瀬を起こして、生徒会室に顔を出してから帰ること旨を伝える。「すぐ済むし、教室で待っててくれない? 人気も少なくなってるし、一緒に帰ろうよ」。
その後の返事は「・・・・・・おぅ」と小さいものだった。
柳瀬の教室で別れると、まずエントランスへ向かった。
裏に向けた成績表は――無残にも引き裂かれ怨恨の類が垣間見える。犯人の特定をするべきか迷うほど、憎悪のみの感情に突き動かされたような引き裂き方をしている。以前の生徒会を知っている学年の、おそらく下位の人がやったことだ。
彼らを守ると約束した上で開示に至ったもので、一部信用の失墜はもう確固たるものになってしまった。
だが、一条はそれでもやるべきことは明確だった。
破れたものを一条がさらに破り直す形で引き剥がし、それを生徒会へ持ち帰った。
ドアを開け皆が揃っている。それも重苦しい雰囲気で。
開口一番に「会長が被るんですか、ソレ」立野は震える。
「しょうがないよ。僕に対する明らかな怒りだ。でも、見捨てる理由はそれじゃ駄目じゃない?」
「・・・・・・っ、図書券の件、整いました。明日以降にでも贈与可能です」
「それは早いほうがいいな。――でも、待って。今此処で順序間違えたらいけないな」
「・・・・・・会長がしてもないことを被る必要はないじゃないですか。たしかに――成績開示の件はこちら側のミスです。しかし、元凶は・・・・・・四月一日ではありませんか」
「ん? 立野君もこれの製作者知ってたの」
あ、と一瞬の挙動を見せて「僕が依頼した時、ソイツの名前が上がってたので、もしかしたら、と思って」という。
「とりあえず、明日から先生らがこれを問題視すると思うから、なにか言われた時は僕が剥がしたって言って」
それを聞いて、存在感のなくなった大倉が端からいう。「――あのさ。対応の前に、俺に何か言うこと無いのか?」。
「・・・・・・すみませんでした。僕の伝え方が悪かったです」
誠意のある謝罪を見せるため、大倉の前まで移動して深々と頭をさげた。
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