人体コレクター

嵯乃恭介

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第十三話

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西城はギリっと歯がかけそうなくらい悔しく思う。赤城からの共通の「目」は兄弟としての証だと思ってた。双子のようだと昔は言われていたが、目の前に居る赤城の姿は全くの別物で、面影すらない。それどころか何が変化したのか赤城が血を与えた海東の眼が両目とも自分と同じ目になっている事だった。
 一滴の血で力が増しているのかと推測するが、赤城が倒れている人たちに催眠を解かせるようにウロウロしている姿を見て、ふと左手の薬指に蛇の模様が入れ墨の様に見えた。

 「あのババァ・・・」



その頃、喫茶店の奥に居る彼女は水晶を見ながら笑っていた。もちろん声も届くし表情も分かる、何より西城の悔しそうな顔が何とも笑えてきて仕方なかった。それを肴に血の様に真っ赤な赤ワインを飲みながら、赤城が選んだ「力の根絶」を回避させると、どうなるだろうと考えるとゾクゾクと興奮してくる。

二十年前に倒れていた少年を拾い、魂だけが残っており自分が視えていると判って等価交換として、彼女との子を成すという約束は果たせていない。
 もしも約束を破れば指に刻まれた蛇の模様が生きたままの状態で死なせず内部で蠢く様に・・ある種の呪いのようなものだ。




現場では、次々に赤城が催眠を解き寝そべる住民たちが地面を埋め尽くした。指を無くしても動ける佐藤、力を与えた海東。海東の場合、両目がガラスの虹色のビー玉になっており、見るものが全てではないが妙な感じがした。それを佐藤が指摘する。

 「お前・・・目・・・どうしたんだ?」

 「目?」

 「僕との契約を結んだんだ。両目になると力も増すから気を付けてね。あと数人だし力は要らないだろうけど、海東・・・勝手に殺すようなことをしてゴメンね。この力はあってはいけないんだ」


 「なーに言ってんだ!犯罪を未然に防ぐのが警察!こいつを捕まえれば、犯罪はなくなるんだろ!?」

死ぬ覚悟はあると言わんばかりに満面の笑顔だった。それが赤城にとって辛かった。

 「どいつもこいつも・・・まぁこのお嬢ちゃんは流石に簡単には見つけられなかったみたいだな?」

背後から出てきたのは金井カナエだった、両手には鋭い包丁より尖ったはものであり、また少女にも意識はないのかと思ったが、一言でてきたことに唖然とする。

 「パパとママを殺したのは、オジサン達なの?」

 「きっさまぁぁぁぁぁ!!!」

怒号が響き渡りビリビリと空気が揺れた気がした。赤城は少女の動きを止めない限り催眠は解けないし、解けたところで女性を狙う殺人鬼になるかもしれないと思ったが、それをさせたのが西城なら?見込みはあるかもしれない。しかし今までの話を聞くと、西城は少女の家の地下を見たかったので家に行っただけであり、少女を使えば簡単に入れただろうと結論に至る。

 そっと海東の肩を握り突撃しようとするのを制止させ、頭で考えたことを伝える。力を通じての媒体をする目の高価でもあるかもしれない。それでも海東は苛立っているが抑え込むのに精いっぱいのように周りに倒れてる人を横に避けていく。もちろん佐藤もだ。

 「お嬢ちゃん、俺が相手をしてあげよう。おいで」

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