あいつが俺の番なわけない

嵯乃恭介

文字の大きさ
26 / 32

第二十五話

しおりを挟む
次の日になり武は施設の中に入り拘束されている雷を見ていた。ガラス越しで武の事は見えていないだろうが、匂いは隠せないらしく

 「武来てるだろ!!会わせろ!!!これを外せ!!」

慌てて職員が安定剤を打とうとするが、圭太が入っていく圭太と交代になったと聞いたが、彼は同じ年で特に特殊なものを感じないのだが、何故ここに居るのか?対処が出来るのか?としか頭に浮かばなかった。

 「だめよー、武君は確かに来てるけど、貴方が怖いから怯えてるの。拘束されている意味は分かるでしょ?何も武君を襲うなとは言わないけど、暴れられると困るからなの。会いたければ大人しくしてね?」

 「・・・・武に会えるなら・・・わかった」

 「拘束は外さないわよ?少しずつお互いに慣れていきましょう?」

そう言って圭太は外に出てきて武を中に入る様に導く。
 武は少し躊躇していたが、圭太がニッコリ笑い言葉はないが応援してくれていると思い、武は深呼吸して中に入った。

 「武・・・すまん・・・、怖がらせてばかりだったんだよな?でもな?でもな?」

 「混乱してるんだよ、落ち着いて喋ろうよ雷」

 「あ・・あぁ・・・、でもお前の周りのやつに迷惑かけたな・・・、頭に血が上って・・・」

 「まぁ護衛してくれた加納さんとかきれいな顔が凄い事になってたしね。勘違いしないで、加納さんとは何もないんだ。お互いに番が居ないのと出来ないので話が合ったんだ」

 「あぁ・・・その、加納さんにも・・・すまないことをした。本当に頭に血が上るとだめだな。周りが見えてない」

 「まぁまぁ、蓮と三人で遊んでた時の話でもしようよ」

監視カメラを通じて圭太は警戒しつつ話は聞こえないが、二人が大人しく話をしているのを見ている。兄の陣が言ったとおりにしているだけだ。武は理解力もあり落ち着けば段々と心を開いていくはずだと言っていた。

 「さてと、私がするのは彼らの監視くらいかしら?」

 「そうですね、我々では話も聞いてくれませんでした」

 「あら、そうなの?それだけ凶暴なの?」

うふふと笑いながら職員の一人の肩に手を置いて笑うと、職員は嫌な顔をしていた。明らかに不機嫌と言わんばかりに嫌な顔をしているのを圭太は見逃していないが、もめても仕方ないので、あえて見なかったことにする。

 そして一時間が経過し、面会の時間は一度終わる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

愛などもう求めない

一寸光陰
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

処理中です...