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不法侵入
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目が覚めた時は既に朝だった。
昨夜は夕食を食べた後、いきなり睡魔が襲ってきて、ベッドまで来た記憶がない。
父が運んでくれたのかと悩むが、この年齢で父にベッドに運ばれるのは恥ずかしいものがあるが、何とも言えない。
そういえば、人の気配がない。
「おはうようございます」
「!!?」
ベッドの脇に昨日会ったラックが嬉しそうに笑っていた。
とりあえず、不法侵入ということで、傍にあった父を殴るために置いている棒切れで軽く暴行しておいた。
暴行と言っても、【ペコン】となる軽い音くらいで、痛くない程度の軽さだ。
「なんで家に居るんだよ」
「あはは。鍵が開いてて誰も居なかったもので」
「不法侵入だぞ」
と、そこで誰も居なかったということに疑問を抱く、本来なら父は教会があるので、出かけることもないし、母も家のことや、花壇の手入れで朝から居ないというのは妙な話だ。
悩んでいると、ラックが紙切れを差し出した。
「これ置いてましたよ?」
渡されたのは一通のメモ用紙。
『すまないが、父さんと母さんはメニク村に行ってくるよ。当分帰れそうにない』
様子を窺うようにラックは、レイの表情を見据える・・・
読んだ後に、レイは納得いかない顔を浮かべた。
「これ、親父の字じゃねぇ。メニク村か・・」
「ルーザーさんの字じゃないんですか?でも実際居ませんよ?」
「まぁ誰でもいいけど、メニク村に行ったのは間違いないだろうな」
「何故です?」
「そこに〈魔族〉が出たからじゃねぇか?」
レイは服を着込み、考える。
確かに両親が何かしていると思ってはいた、何度か追いかけたことがあったから状況的には間違いない。
魔族というものには出会ったことはなかったが、どんな姿だったのかと興味はあった。
だが、自分も同じように人間ではない。
それを知っている両親が、何故・・・
自分を保護しているのかと悩んだ時期もあったが、決して聞くことはなかった。
両親の自分への態度が変わらないかと・・正直に怖かったのだ。
ラックは思った。
彼女は、自分が何かを知っている。
それでも尚、人間として生きている。
正直羨ましいとさえ思った。
だが、それ以上に愛しさと、輝きを感じた。
「行くんですか?」
「おう、つか、不法侵入はやめとけよ」
緑のフードを被り、森に入っていくレイにラックは声をかけた。
「行ってらっしゃい」
「///おう」
姿が見えなくなるまでラックは手を振っていた。
両親以外に優しくされたことはない。
自ら離れていったことが原因だが、自分が異端であること把握しているからこそ、村の子供たち、大人と距離を置いていた。
しかし、いざ優しくされると嬉しいものだ。
「俺の本性が判っても、笑ってくれるかな・・・」
そこで、フッと鼻で笑った。
ありえないと思った。
しかし、彼ならあるいは、受け止めてくれるかもしれない。
期待はしない、期待して裏切られたら、本当に壊れてしまうかもしれない。
昨夜は夕食を食べた後、いきなり睡魔が襲ってきて、ベッドまで来た記憶がない。
父が運んでくれたのかと悩むが、この年齢で父にベッドに運ばれるのは恥ずかしいものがあるが、何とも言えない。
そういえば、人の気配がない。
「おはうようございます」
「!!?」
ベッドの脇に昨日会ったラックが嬉しそうに笑っていた。
とりあえず、不法侵入ということで、傍にあった父を殴るために置いている棒切れで軽く暴行しておいた。
暴行と言っても、【ペコン】となる軽い音くらいで、痛くない程度の軽さだ。
「なんで家に居るんだよ」
「あはは。鍵が開いてて誰も居なかったもので」
「不法侵入だぞ」
と、そこで誰も居なかったということに疑問を抱く、本来なら父は教会があるので、出かけることもないし、母も家のことや、花壇の手入れで朝から居ないというのは妙な話だ。
悩んでいると、ラックが紙切れを差し出した。
「これ置いてましたよ?」
渡されたのは一通のメモ用紙。
『すまないが、父さんと母さんはメニク村に行ってくるよ。当分帰れそうにない』
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読んだ後に、レイは納得いかない顔を浮かべた。
「これ、親父の字じゃねぇ。メニク村か・・」
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「まぁ誰でもいいけど、メニク村に行ったのは間違いないだろうな」
「何故です?」
「そこに〈魔族〉が出たからじゃねぇか?」
レイは服を着込み、考える。
確かに両親が何かしていると思ってはいた、何度か追いかけたことがあったから状況的には間違いない。
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だが、自分も同じように人間ではない。
それを知っている両親が、何故・・・
自分を保護しているのかと悩んだ時期もあったが、決して聞くことはなかった。
両親の自分への態度が変わらないかと・・正直に怖かったのだ。
ラックは思った。
彼女は、自分が何かを知っている。
それでも尚、人間として生きている。
正直羨ましいとさえ思った。
だが、それ以上に愛しさと、輝きを感じた。
「行くんですか?」
「おう、つか、不法侵入はやめとけよ」
緑のフードを被り、森に入っていくレイにラックは声をかけた。
「行ってらっしゃい」
「///おう」
姿が見えなくなるまでラックは手を振っていた。
両親以外に優しくされたことはない。
自ら離れていったことが原因だが、自分が異端であること把握しているからこそ、村の子供たち、大人と距離を置いていた。
しかし、いざ優しくされると嬉しいものだ。
「俺の本性が判っても、笑ってくれるかな・・・」
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