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一章
本当の気持ち
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お世辞にも大きいとは言えない広さだったが、部屋は十分にあった。
レンはレイの肩に触れるが、何も答えてくれない。
落ち込んでいるように感じてた。
いきなりの話なのだから当然だろうとレンは思い、レイに母の部屋に招き入れる。
「この部屋で休む良い」
「ぁぁ・・」
まるで人形のように部屋に入り、扉が閉まるとレイはベッドにダイブした。
大きなため息を吐く。
泣きそうになるのをこらえて、天井を見上げる。
思いだすのは育ててくれた両親だ。
「やっぱり違ったんだな・・・」
判ってた。
判ってたけれど、いきなり現実を突きつけられた気分で、何もする気が起きない。
ふと、視線を部屋の隅の引き出しに向けると、上に写真が飾ってあった。
幼き頃の兄と言う男の子と、栗色の髪を肩に回して微笑む女性、そして青い髪の男性。
これが本当の両親?
でもレンの瞳は黒かった。
「レイさん」
「!!?」
振り返ると、ラックが居た。
村からの距離はあったし、途中でトラブルもあったが、道なりに来ていたら数時間はかかる道のりだ。
なぜ彼がここに居て、レイの前に居るのかレイ自身も混乱している。
手を伸ばされて自然に触れられる手を払いのけることは出来なかった。
温かい手のひらが、パニックを起こしていたレイの心を落ち着かせる。
「なんで・・お前・・・」
「レイさん・・・正直・・来てほしくなかった・・・」
見せたことのない表情に、まるで他人のように感じた半面、これがラックの本心だと感じた。
レイは無意識にラックの涙を指先でぬぐい取った。
お互いに何も言わず、背中に手をまわして抱きしめ合っていた。
「僕は・・。貴女を・・・騙してる・・、けど想いは変わりません」
「・・・・そうか・・・」
ポツリポツリと語るラックに対してレイは、ラックの頭を撫でながら聞いていた。
本当の言葉が初めて聞けたような気がする。
少しだけ不安が抜けて、安心に代わる。
レイを抱きしめていた腕に力が入った。
もちろん、抱きしめていたレイが小さく声を漏らすほどの力だった。
ラックがレイを突き飛ばし、まるで苦しんでいるように頭を抱えて
「レイ・・サン・・・逃げて!!!」
叫ぶようにして自分の体を抱きしめて苦痛の悲鳴を上げるラックにレイは、逆に抱きしめた。
「馬鹿野郎!!んなこと出来るかよ!!」
騒ぎを聞きつけたのか三人が扉を勢いよく開けた。
「レイ!何があったんだい!!?」
「こいつがおかしいんだ!医者を呼んでくれ!」
そう言って抱きしめられているラックの姿が、ユキル、シザーメにも見え、ラックからも二人の姿を認識した。
「レイさん・・お願いです・・・。生きてくださいね」
瞬間移動のようにラックの姿は消えた。
「え?あれ?」
レイの前から煙のように消えた男に二人も見覚えがあった。
その表情に迷いがあった。
「あの人なら・・・判るのかね~」
「なんの話ですか?」
レンはレイの肩に触れるが、何も答えてくれない。
落ち込んでいるように感じてた。
いきなりの話なのだから当然だろうとレンは思い、レイに母の部屋に招き入れる。
「この部屋で休む良い」
「ぁぁ・・」
まるで人形のように部屋に入り、扉が閉まるとレイはベッドにダイブした。
大きなため息を吐く。
泣きそうになるのをこらえて、天井を見上げる。
思いだすのは育ててくれた両親だ。
「やっぱり違ったんだな・・・」
判ってた。
判ってたけれど、いきなり現実を突きつけられた気分で、何もする気が起きない。
ふと、視線を部屋の隅の引き出しに向けると、上に写真が飾ってあった。
幼き頃の兄と言う男の子と、栗色の髪を肩に回して微笑む女性、そして青い髪の男性。
これが本当の両親?
でもレンの瞳は黒かった。
「レイさん」
「!!?」
振り返ると、ラックが居た。
村からの距離はあったし、途中でトラブルもあったが、道なりに来ていたら数時間はかかる道のりだ。
なぜ彼がここに居て、レイの前に居るのかレイ自身も混乱している。
手を伸ばされて自然に触れられる手を払いのけることは出来なかった。
温かい手のひらが、パニックを起こしていたレイの心を落ち着かせる。
「なんで・・お前・・・」
「レイさん・・・正直・・来てほしくなかった・・・」
見せたことのない表情に、まるで他人のように感じた半面、これがラックの本心だと感じた。
レイは無意識にラックの涙を指先でぬぐい取った。
お互いに何も言わず、背中に手をまわして抱きしめ合っていた。
「僕は・・。貴女を・・・騙してる・・、けど想いは変わりません」
「・・・・そうか・・・」
ポツリポツリと語るラックに対してレイは、ラックの頭を撫でながら聞いていた。
本当の言葉が初めて聞けたような気がする。
少しだけ不安が抜けて、安心に代わる。
レイを抱きしめていた腕に力が入った。
もちろん、抱きしめていたレイが小さく声を漏らすほどの力だった。
ラックがレイを突き飛ばし、まるで苦しんでいるように頭を抱えて
「レイ・・サン・・・逃げて!!!」
叫ぶようにして自分の体を抱きしめて苦痛の悲鳴を上げるラックにレイは、逆に抱きしめた。
「馬鹿野郎!!んなこと出来るかよ!!」
騒ぎを聞きつけたのか三人が扉を勢いよく開けた。
「レイ!何があったんだい!!?」
「こいつがおかしいんだ!医者を呼んでくれ!」
そう言って抱きしめられているラックの姿が、ユキル、シザーメにも見え、ラックからも二人の姿を認識した。
「レイさん・・お願いです・・・。生きてくださいね」
瞬間移動のようにラックの姿は消えた。
「え?あれ?」
レイの前から煙のように消えた男に二人も見覚えがあった。
その表情に迷いがあった。
「あの人なら・・・判るのかね~」
「なんの話ですか?」
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