天魔の作り方

嵯乃恭介

文字の大きさ
7 / 21
一章

兄弟の絆複雑な想い

しおりを挟む
「レイちゃんは、何歳?」

「20になったばかりだ」

シザーメが鬱陶しいくらいに話しかけてくる。
肝心の話しが出来ないが、【魔族】である彼の雰囲気が、想像していたものより緩く感じた。

「おー若いねー兄さんは幾つだっけ?」

「あー?28くらいじゃね?」

そういやラックの年齢も聞いてなかった。
まぁ今は重要じゃない。

「あんたたちの関係が判らん。ユキルは人間だろう?シザーメは魔族、どうなっているんだ?」

「ん~ま!気が付いたら、こうなってた感じ?」

後ろ姿を見せながら、ユキルは笑っているのが判るほど肩を揺らしていた。
それでも納得いくレイではない。
まぁ、自分も詮索されたくないものがあるので、黙っておくことにする。

「あぁ、もう一人兄弟がいるんだよ」

思い出したかのようにユキルは、タバコの紫煙を吐き出した。
人間、魔族ときたら、次は神族か?そう思い込むほど想像できたが、帰ってきた答えは呆気ないものだった。

「人間と魔族のハーフで、年は25だ」

「は?」

間抜けな声が漏れた。
シザーメもクスクス笑う。
どういったっておかしいだろう!!?

「まぁ妙な兄弟とは思うだろうな」

「兄さん、着いたぜ」

丘の上から眺めるメニク村は、どこか寂しく薄ぐらいイメージを持たせる。
ゴクリと生唾を飲み込んだ。
何かが違う、遠目でもわかる位、村人に生気が感じられない。

「緊張してる?あぁ、これ被って」

ユキルは袋からフードをとり出し、レイに被せた。
意味が判らなかったが、シザーメも髪を結いあげ、フードを被っている。
やはり意味があるのだろう、この村に何かが潜んでいる。

「むやみに、村人に話しかけないでね~」

「あ・・あぁ」

村の中を歩いていると、チラチラと村人が見てくるのが判る。
視線が鬱陶しいくらいだ。
その村人の合間から見えたのは、自分と同じ銀髪の男が居た。
レイは思わず走り出した、その時にフードは外れてしまい、銀髪がさらけ出され、村人が悲鳴を上げて逃げ出したが、そんな事はどうでもよかった。

そして、その男の肩を掴んだ。
お互いに目が丸くなった。
ユキルと、シザーメは「あちゃー」と思ったが、相手の男も銀髪なのが気になった。

「その髪・・・レノ・・・じゃない?レイ!!?」

「ぐえ!!」

その男にいきなり抱き着かれて女らしさのない悲鳴が出てしまった。

「あんた誰だ!」

「俺は、お前の腹違いの兄でレンだ。生きててくれた・・ありがとう・・・」

衝撃を受けたのか、レイは男の腕を痛いくらいに握りしめ、男が腕を放した。
腹違い、この男は自分と同じ【異端】ということだ。
頭が真っ白になる。
同じ髪の色のレンが腹違いでも自分と同じ髪の色なのは気になるが、目は普通の色をしている。

「レイ・・大丈夫か?」

呆然とするレイにユキルは声をかけたが、反応がない・・・混乱しているのだろうと判断した。
フードを被せなおしたが、周りの人間がコソコソと話をしているのがわかる。
それに気づいたレンが、小さな家に指をさした。

「ここじゃぁややこしい事になります。とりあえず僕の家に」

「そうだな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...