天魔の作り方

嵯乃恭介

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一章

兄弟

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ユキルと名乗った男は、タバコを吸いながら連絡相手を待っているのだろう。
レイは気になって仕方ない、自分のことを知っている相手がいて、自分を【異端】と言った。
つまり正体を知っているということだ。

「なぁ、えっと」

「呼び捨てでいいぞー」

気さくに笑いながらユキルは答えてくれた。
どことなく、誰かに似ていると思った。

「なんで、俺のこと知ってるんだ?」

「うーん、その答えには答えられないかなー」

笑顔のままで答えられた。
納得がいかないと思う。まぁそれよりも気になることがある。

「誤魔化せてないって?」

「あ、聞こえてた?」

ユキルの表情が苦虫を噛んだように笑みが消えていた。
レイは彼が誰かと一緒に行動してると思って、誤魔化せてないと言ったことを含めて思うことが一つある。
両親だ。
今朝から見なかった両親が居ない、そして自分のことを知っている彼が居る。

「んー、その顔は、大体わかってる感じ?」

「判ってる感じだ」

パンと手を叩いてユキルは立ち上がった。

「じゃぁ、答え合わせと行こうか?」

間抜けな顔になっているだろうが、ユキルは真剣にレイを試しているようだ。
だが、それ以上に体中を見られている感じがある。

「あーこの気配は殴って良い気配か?待ち合わせ相手じゃないのか?」

「おっと、鋭いね。シザーメ出てこい」

小石を木の上に結構な勢いで投げると、ゴチンとした音がして髪の長い男が落ちてきた。
そんなことよりも驚いたのが、血のように真っ赤な髪だった。

「兄さん、手加減してよー」

ヘラヘラと笑うシザーメと呼ばれた男は、自分と同じものだと思うのだが、ユキルとの会話で思ったことがある。
お分かりだろう、彼らは兄弟のようだ。

「こいつ、弟のシザーメ」

「この子どこから連れてきたの?」

レイに背後から抱き着くシザーメだったが、ユキルは頭を抱える。

「その子は危険物だ」

言い終わってからだったので、遅かったがシザーメは地面に埋まっていた。
フゥとユキルは呆れて文句も言えない。
レイのことは、ある人から聞いているはずなのに、知らないはずがないだろうにと。

「さて、村に行くか。レイ・・・と呼んでもいいかな?」

「あぁ・・・てか、こいつも・・その・・」

言いにくいが、ハッキリさせたい。
それをくみ取ったのかシザーメは、変わらないふざけた顔で答えた。

「そう、魔族だよ」

「え?【異端】じゃなく・・魔族?」

異端は、ハーフのことだが、彼はハッキリと【魔族】と言った。
しかし、彼から殺意も何も感じない。
それにユキルとは兄弟と言っている、意味が判らないとなる。

「まぁ、話は歩きながらしようか。頭混乱してるだろう?」

ユキルは二本目のタバコに火をつけた。
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