天魔の作り方

嵯乃恭介

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三章

本当の父は

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レンは部屋に入ると椅子に座るレイが居た。
少し拗ねているような・・・子供が悪いことした時の表情に似ている。

「まぁ数日の付き合いで同じ部屋は流石に、兄として許せないからな?」

「いや、俺だってそうだよ・・?」

顔がややムスとしている。
本当に分りやすいと言うか、純粋と言うか・・・。

「それでもラックが好きなんだろ?」

頭をポンポンと撫でると、抵抗されることがなかったのだが、耳まで真っ赤にしているレイの顔が、面白くなってきた。

「えー、兄さんの家で婚前交渉しちゃうのー?」

今度こそ殴られた。
だがそこまで痛くはないが、レイの顔は更に真っ赤になっていた、何かを思い出しているようにブンブンと顔を振っている。
何があったの?

「まぁ良いさ。とりあえず今日会ったレノの話をしようか?」

「・・・あぁ、俺も正直どうして良いか判らねぇ」

レンは母の墓前で思いだしたことを全てレイに伝えた。
父が母を殺したこと、レノを連れ去ったこと、そして何故かレイを残していったこと。

「まどろこしいな?俺なら両方連れていくけどな?」

「あぁ、それは俺も思ったんだがな?あの時の光が気になってな・・・」

眩しいくらいの光だった、それでいて温かく思うくらいのものだった。
もしも、異能としての力でレイが、その力を赤子の時に使って義父を撃退したのなら?
なんて考えもあったが、まさかなと考えを流した。

「さ、もぉ寝ろ、ベッドを使え。俺は床で寝る」

「あ・・あぁサンキュー」

部屋の灯りを消し、天井を見つめるレンは一つだけ気になった。
父は魔族のはず、あの光は魔族では出せないものだ、もし母が人間ではなかったら?
と考えてやめた、そうなると自分だってそうじゃないか、しかしだ・・・自分の髪の色は何故異端としての色をしている?
自分の父も・・もしかしたら?なんて考えている内にレイの規則正しい寝息が聞こえてきて、ソッと部屋を出た。


ベランダで酒瓶を片手に少し風に当たりながら、レンは考えた。
父は本当に人間だったのだろうか?もしくは母が人間じゃない?なんてことを考えていると、ベランダにタオが出てきた。
この人に聞けば判るのだろうか?

「いけない子ですね?やけ酒かい?」

「なんでそうなるんですか。少し聞いていいですか?」

「君が・・・異端なのか・・・をかい?」

聞きたかったことをずばりと当てられた、だがそれは答えでもあった。
タオは夜空を見上げて、レンの持っていた酒瓶を手にして一気に飲み干した、強くはないが一気に飲める量ではない。

「レイもレノも無事だったし、君も大人になった・・・」

「でもまだ、レノが・・・」

「大丈夫だよ。レイを見て判るだろう?」

判るだろうと言われても、恋に臆病な少女のように見えるし、かと言って逆に力がないのにレノとの戦いを望むあたりが単純と言うか・・。

「レン・・・俺は、君の本当の父親だ」

「は?」

「俺は風の精霊、レノンと恋仲になり君が生まれた。幸せだったが、あいつが来て・・俺は不意を突かれて殺されてしまった。だが本体は無事だった・・・、しかし再生するにあたって何年もかかり、形が出来たと思ったら既にレノンは殺され・・・レイ、レノはバラバラになり・・・君を守るために傍にいたんだ」

「・・・・証拠は?」

精霊の話は聞いていたが、本当に精霊が人間との恋仲になり子供を作ったとして、どうなるかなんて今まで聞いたことがない。

「君の〇〇の横にー」

「だああああああ!!判りました判りましたから!!!」

レンは急激に疲れてしまい、次の酒に手を出した、もう一本をタオに渡す。
それを受け取るとタオはニコリと笑っていたが、少しだけ悲しげにも見えた。

「頭の中ゴチャゴチャだよ・・・えっと・・・とぉさん・・」

タオはソッとレンの頭を撫でた。

「無理に呼ばなくていいよ。写真と違うしね。でもレイもレノも、俺の大事な娘だ。奴から取り返し皆で暮らせることを夢見ているんだ」

「そうっすね」

少し明るくなってきた空を見上げてタオとレンは酒瓶をお互いにカランと当ててグイっと飲みあけた。
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