20 / 255
第一部 一章 遭難と書いてソロキャンと読もう!
神秘とは神々の気まぐれ
しおりを挟む
狼は母親の乳が恋しいのか時折俺の腹辺りに鼻を擦りつけ、しきりに探し物するような仕草を見せる。
こればかりは俺にもAwazonにも、どうする事もできない。
せめてもの慰めとして銀白色のタテガミや、首周りを満足するまで撫でてやる。
そうして午後をとっくに過ぎた後は、保存食の貯蓄に勤しむ。
悪天候で朝から外へ出られない日もあると想定し、食料を探しに行けない事を考えれば、ある程度の食べ物は手元に残しておきたいからだ。
衣食住を安定させるのは生活していく上で命題である。
そして、これから作るのは昔ながらの定番シソ梅干し。
水に浸したマルハウメと茎を取り除いたミツミシソの水気を丁寧に拭いた後、本当は天日に干すのだが時短として、焚き火の熱でカラカラになるまで乾燥させた。
「焼き干しの時に分かったんだけど、炙って乾燥させる方法は味が落ちるんだよな。
けど、そこは妥協するしかないか」
次いで塩揉みしたシソの灰汁抜きを行い、キッチリと絞ってからガラス瓶に塩とウメ、その上にシソを敷き詰めて重石を乗せておく。
「かなり工程を省いたが大丈夫だろう。
多分……かなり不安だけど」
このまま梅の水分が抜けるのを待ち、状態を観察してヤバそうなら早めに食べる事にする。
たとえ今回失敗したとしても、梅干しの旬はまだ先なのでリカバリーできると考えたワケだ。
梅干しの瓶をなるべく日光の当たらない涼しい所に安置したかったので、ホームの最奥へと入った所で意外な光景に度肝を抜かれる。
「お……おぉ……なるほど、冷えるはずだ……」
そこは5月もとっくに過ぎたというのに、まるで冷凍庫のように一面が氷の世界に覆われていた。
天井から滴る湧き水が長い時間をかけて形成した氷の鍾乳洞、まさに自然が作り出した芸術を目の当たりにした俺は、その圧倒的なスケールを前に言葉を失う。
正面の通りを挟んだ両側の壁には何者をも寄せ付けない、静謐を湛える流水を表現したかのような氷柱のカーテンが列を成し、極僅かに届く日の光が様々な角度で反射する事によって、暗闇と凍結が支配する世界に眩い輝きを解き放っていた。
今日まで気付かなかったのが不思議な程の神性を帯びたオーラを肌で感じ取り、霊感など皆無を自称してきた俺の考えを改めさせるには十分に足り得た。
ここには何か、人間が触れてはならない神聖なモノが存在するのではないか、そう思わせる程に。
ホームの入り口からさほど進んでいないというのに、外の雨音はどこか別世界で起きている出来事のような、刻が止まってしまったのではないかと錯覚してしまう。
荘厳で寡黙な威厳に満ちた様は、歴史を積み重ねた教会を思わせる静寂に包まれていた。
とてもではないが、ここの氷を傷付けたり冷凍庫の代わりにしようなどとは考えられない。
俺は呆けた顔でしばしの間、進む事も戻る事もできず、人間の手が届かない悠久の時が作り出した不朽の大傑作を前に身を委ねた。
どれ位の間、その場に佇んでいただろうか。
突然背後から聞こえた狼の吠え声によって我に返ると、体が酷く冷えてしまっている事にようやく気付く。
それも当然だろう。
これだけの氷が解けずに形を保っていられるなら、周囲の気温は間違いなく零度を下回っているはずだ。
一向に戻ってこない俺を心配してくれたのか、わざわざ様子を見に来てくれた子狼の献身には感謝するしかない。
踵を返してホームの入り口へ戻ると焚き火が消えかけており、かなり長居していた事がうかがえる。
「うひょ~~寒~~!」
風邪を予防する為に一刻も早く体を暖めなければならないが、焦る必要はない。
ここで作ったばかりの火吹き棒を投入。
竹の節に穴を開けただけのシンプルな構造ながらも、弱った炎へ向けてピンポイントで空気を送り込むという点に関して、十分な性能を持つ道具だ。
一息ごとに弱々しかった種火は勢いを取り戻し、次第に煌々とした明かりと温もりが戻ってきた。
「後は薪を追加して着火するまで息を吹き掛ければOK!」
個人的に火吹き棒は焚き火をする上でのマストアイテムだと思っており、『自分が炎を操っている』という感覚をダイレクトに味わえる。
今では100均のアウトドアグッズとして売られているので、キャンプ場で焚き火デビューする際には手元に一本置いておくのをオススメするよ。
「どうした? そんなに焚き火が珍しいのか?」
すぐ隣で見ていた狼は不思議そうに小首を傾げ、燃焼の原理を考えているようだったが、今の俺にはそんな事よりも艶々の毛皮で冷えきった足を暖める方が重要だった。
「焚き火とフワフワの毛が暖けぇ~。
これは毛玉湯たんぽと命名しよう」
更に冷たい手足をなめてくれる手厚いサービス付きだ。
そうして暖を取っていると、指先の感覚も戻ってきたので作業を再開する。
今度は本格的な虫除け対策を実施する為、事前に天日干しにしておいたハーブを取り出す。
使うのはインドホウギク、多年草で香りも強く虫が嫌うシトロネラールなどを多く含む植物で、これを粉末にして他のハーブから採取したオイルと少量の松脂を混ぜ合わせる。
出来上がった粘土状の物を竹串に巻いて、屋内で乾燥させれば完成!
「昔作った経験があるけど、虫除け効果は市販品にも引けを取らない。難点は燃焼時間が短い事かな」
今回は素材の繋ぎとして松脂を使用したが、適度な弾力と良好な成形性を有しているので、乾燥途中に崩れてしまわない事を期待する。
明日には乾燥を終えて防虫串が使えるようになっているだろう。
「さぁ、次は問題視してた寝具の番だ!」
まずは外枠を太い竹で囲み、中に細い竹を縦に並べて完成。
超簡単でお手軽!
そして肝心の寝心地は――。
「………クッソ硬ってぇ。
これじゃあ地面に寝てるのと大差ないだろ…」
このままでは一生グッスリ寝られない。
頭を絞って考えた末、少し前に作ったトライポッドの事を思い出す。
これを改良してベッドを作ってみよう。
まずは4本の太い竹でピラミッドのような形の柱を作り、地面から30cm程の高さに4本の外枠で柱を囲む。
そこにツルムシのロープを横方向に巻いていくが、長さは俺の身長が176cmなので2mもあれば十分だろう。
「兎に角、大量のロープが要るなぁ。
昼間に作っておいて助かったよ」
相当な量のロープを消費したが、遂に念願のベッドが完成!
見た目はピラミッド型のハンモックみたいだ。
いや、どちらかと言えばアウトドアで使われる屋外用ベッド『コット』に近いか?
試しに寝転がってみると中々悪くないし、重みで沈み込むけど地面には着かずに、しっかりと俺の体重を支えてくれている。
『おお、良いじゃん!』
思わず声が出てしまう程の作品に自画自賛してしまう。子狼も楽しそうな物が増えて喜んでいるようだ。
足りない物を補って生きる。
それは人間が長い歴史から得た知恵と経験の賜物なのかもしれない。
こればかりは俺にもAwazonにも、どうする事もできない。
せめてもの慰めとして銀白色のタテガミや、首周りを満足するまで撫でてやる。
そうして午後をとっくに過ぎた後は、保存食の貯蓄に勤しむ。
悪天候で朝から外へ出られない日もあると想定し、食料を探しに行けない事を考えれば、ある程度の食べ物は手元に残しておきたいからだ。
衣食住を安定させるのは生活していく上で命題である。
そして、これから作るのは昔ながらの定番シソ梅干し。
水に浸したマルハウメと茎を取り除いたミツミシソの水気を丁寧に拭いた後、本当は天日に干すのだが時短として、焚き火の熱でカラカラになるまで乾燥させた。
「焼き干しの時に分かったんだけど、炙って乾燥させる方法は味が落ちるんだよな。
けど、そこは妥協するしかないか」
次いで塩揉みしたシソの灰汁抜きを行い、キッチリと絞ってからガラス瓶に塩とウメ、その上にシソを敷き詰めて重石を乗せておく。
「かなり工程を省いたが大丈夫だろう。
多分……かなり不安だけど」
このまま梅の水分が抜けるのを待ち、状態を観察してヤバそうなら早めに食べる事にする。
たとえ今回失敗したとしても、梅干しの旬はまだ先なのでリカバリーできると考えたワケだ。
梅干しの瓶をなるべく日光の当たらない涼しい所に安置したかったので、ホームの最奥へと入った所で意外な光景に度肝を抜かれる。
「お……おぉ……なるほど、冷えるはずだ……」
そこは5月もとっくに過ぎたというのに、まるで冷凍庫のように一面が氷の世界に覆われていた。
天井から滴る湧き水が長い時間をかけて形成した氷の鍾乳洞、まさに自然が作り出した芸術を目の当たりにした俺は、その圧倒的なスケールを前に言葉を失う。
正面の通りを挟んだ両側の壁には何者をも寄せ付けない、静謐を湛える流水を表現したかのような氷柱のカーテンが列を成し、極僅かに届く日の光が様々な角度で反射する事によって、暗闇と凍結が支配する世界に眩い輝きを解き放っていた。
今日まで気付かなかったのが不思議な程の神性を帯びたオーラを肌で感じ取り、霊感など皆無を自称してきた俺の考えを改めさせるには十分に足り得た。
ここには何か、人間が触れてはならない神聖なモノが存在するのではないか、そう思わせる程に。
ホームの入り口からさほど進んでいないというのに、外の雨音はどこか別世界で起きている出来事のような、刻が止まってしまったのではないかと錯覚してしまう。
荘厳で寡黙な威厳に満ちた様は、歴史を積み重ねた教会を思わせる静寂に包まれていた。
とてもではないが、ここの氷を傷付けたり冷凍庫の代わりにしようなどとは考えられない。
俺は呆けた顔でしばしの間、進む事も戻る事もできず、人間の手が届かない悠久の時が作り出した不朽の大傑作を前に身を委ねた。
どれ位の間、その場に佇んでいただろうか。
突然背後から聞こえた狼の吠え声によって我に返ると、体が酷く冷えてしまっている事にようやく気付く。
それも当然だろう。
これだけの氷が解けずに形を保っていられるなら、周囲の気温は間違いなく零度を下回っているはずだ。
一向に戻ってこない俺を心配してくれたのか、わざわざ様子を見に来てくれた子狼の献身には感謝するしかない。
踵を返してホームの入り口へ戻ると焚き火が消えかけており、かなり長居していた事がうかがえる。
「うひょ~~寒~~!」
風邪を予防する為に一刻も早く体を暖めなければならないが、焦る必要はない。
ここで作ったばかりの火吹き棒を投入。
竹の節に穴を開けただけのシンプルな構造ながらも、弱った炎へ向けてピンポイントで空気を送り込むという点に関して、十分な性能を持つ道具だ。
一息ごとに弱々しかった種火は勢いを取り戻し、次第に煌々とした明かりと温もりが戻ってきた。
「後は薪を追加して着火するまで息を吹き掛ければOK!」
個人的に火吹き棒は焚き火をする上でのマストアイテムだと思っており、『自分が炎を操っている』という感覚をダイレクトに味わえる。
今では100均のアウトドアグッズとして売られているので、キャンプ場で焚き火デビューする際には手元に一本置いておくのをオススメするよ。
「どうした? そんなに焚き火が珍しいのか?」
すぐ隣で見ていた狼は不思議そうに小首を傾げ、燃焼の原理を考えているようだったが、今の俺にはそんな事よりも艶々の毛皮で冷えきった足を暖める方が重要だった。
「焚き火とフワフワの毛が暖けぇ~。
これは毛玉湯たんぽと命名しよう」
更に冷たい手足をなめてくれる手厚いサービス付きだ。
そうして暖を取っていると、指先の感覚も戻ってきたので作業を再開する。
今度は本格的な虫除け対策を実施する為、事前に天日干しにしておいたハーブを取り出す。
使うのはインドホウギク、多年草で香りも強く虫が嫌うシトロネラールなどを多く含む植物で、これを粉末にして他のハーブから採取したオイルと少量の松脂を混ぜ合わせる。
出来上がった粘土状の物を竹串に巻いて、屋内で乾燥させれば完成!
「昔作った経験があるけど、虫除け効果は市販品にも引けを取らない。難点は燃焼時間が短い事かな」
今回は素材の繋ぎとして松脂を使用したが、適度な弾力と良好な成形性を有しているので、乾燥途中に崩れてしまわない事を期待する。
明日には乾燥を終えて防虫串が使えるようになっているだろう。
「さぁ、次は問題視してた寝具の番だ!」
まずは外枠を太い竹で囲み、中に細い竹を縦に並べて完成。
超簡単でお手軽!
そして肝心の寝心地は――。
「………クッソ硬ってぇ。
これじゃあ地面に寝てるのと大差ないだろ…」
このままでは一生グッスリ寝られない。
頭を絞って考えた末、少し前に作ったトライポッドの事を思い出す。
これを改良してベッドを作ってみよう。
まずは4本の太い竹でピラミッドのような形の柱を作り、地面から30cm程の高さに4本の外枠で柱を囲む。
そこにツルムシのロープを横方向に巻いていくが、長さは俺の身長が176cmなので2mもあれば十分だろう。
「兎に角、大量のロープが要るなぁ。
昼間に作っておいて助かったよ」
相当な量のロープを消費したが、遂に念願のベッドが完成!
見た目はピラミッド型のハンモックみたいだ。
いや、どちらかと言えばアウトドアで使われる屋外用ベッド『コット』に近いか?
試しに寝転がってみると中々悪くないし、重みで沈み込むけど地面には着かずに、しっかりと俺の体重を支えてくれている。
『おお、良いじゃん!』
思わず声が出てしまう程の作品に自画自賛してしまう。子狼も楽しそうな物が増えて喜んでいるようだ。
足りない物を補って生きる。
それは人間が長い歴史から得た知恵と経験の賜物なのかもしれない。
216
あなたにおすすめの小説
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』
チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。
そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた!
畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる