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第43話 憧れのアウトドア風呂
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「風呂!飯!!」
ダメ親父を絵に書いたみたいな初音を尻目に、猪の本格的な解体を行う。
何分初めての事なのでかなり手こずったが、どうにか毛皮を剥いで四肢を切り分け、胴体を分割する事に成功した。
「きっっつぅ!こりゃ大変な作業だわ。
今まで何気なく肉を食べてたけど、誰かがこんな苦労をしてくれてたんだな…」
これだけの肉を一度に食べられるはずもなく、仕方なしに鍾乳洞を利用させてもらう。
冷蔵庫にはしないと言った手前、かなり気が引けたが犠牲になった猪を思うと無駄にはできない。
ホームに戻ると空腹によってグダグダになっている鬼娘と犬(狼)が目に入るが、構わず次の作業に移る。
「あしな……腹が…」
我ながら出会って初日だというのに、随分と扱いに慣れた感があるな。
まぁ、それはどうでもいいか。
兎に角、Awazonを使う所は初音に見せない方が良い。
もし見られてしまったら…NINTENDU SWITCHが欲しいとか、XBOX SERIES Zが欲しいとか言い出すのが容易に想像できる。
既に疲労で腰が限界だというのに、そんな労苦を背負ってしまったら…想像するだけで恐ろしい。
河原に降りた俺はスマホからAwazonを呼び出し、ショップから200リットルのドラム缶とバケツをセレクト。
暗くなった砂利だらけの地面にデンと構える太ましい姿は、見る者に奇妙な非日常感を振り撒く。
「よ~し、十分な大きさだな。
これならイケるぜ!」
大きめの石を丁寧に組んで土台にすると、そこにドラム缶を……お、重ッ……!
どうにか安置してバランスを確認すると中々良い感じだ。
一緒に買ったバケツでせっせと水を入れていくと微動だにしない程に安定した。
後は土台のスペースに薪を入れて火をつければ……ドラム缶風呂の完成!
感無量である…!
初音には悪いが着替えは用意してあるので一番風呂を頂く。
「お…おぉ、これは……快感!
大自然の清流を前に風呂に浸かる。
これは贅沢の極みだ~!」
建前抜きに蕩けるような感覚が全身を包み、今日の出来事が次々と脳裏に浮かんでは消えていく。
やたらと力の強い子供を助けたり、馬鹿デカイ猪を狩ったり、余りにも普通では考えられない事が連続した1日だった…。
だけど、そんなのは一瞬でどーでも良くなってしまう。
こうして肩まで温かい湯に入っていると、不思議と全てが許せる気持ちが湧いてくる。
嗚呼、なんだか…このまま眠って……。
「あああああ!ズルいぞ、あしなぁ!
ワシも!ワシも入るのじゃああ!!」
ぶち壊し、たった一人の鬼娘のお陰で心地よい夢の時間は跡形もなく破壊の憂き目をみる。それどころか、こいつ服をっ!
「待て待て待て待って、お願い!
すいませんゴメンナサイ!
今すぐ出ますから、ここで脱がないで!」
風呂を巡る意味不明な攻防。
どうにか初音を納得させる頃にはヘトヘトの疲労困憊となり、改めて扱いに困る相手だと再認識するのだった。
ダメ親父を絵に書いたみたいな初音を尻目に、猪の本格的な解体を行う。
何分初めての事なのでかなり手こずったが、どうにか毛皮を剥いで四肢を切り分け、胴体を分割する事に成功した。
「きっっつぅ!こりゃ大変な作業だわ。
今まで何気なく肉を食べてたけど、誰かがこんな苦労をしてくれてたんだな…」
これだけの肉を一度に食べられるはずもなく、仕方なしに鍾乳洞を利用させてもらう。
冷蔵庫にはしないと言った手前、かなり気が引けたが犠牲になった猪を思うと無駄にはできない。
ホームに戻ると空腹によってグダグダになっている鬼娘と犬(狼)が目に入るが、構わず次の作業に移る。
「あしな……腹が…」
我ながら出会って初日だというのに、随分と扱いに慣れた感があるな。
まぁ、それはどうでもいいか。
兎に角、Awazonを使う所は初音に見せない方が良い。
もし見られてしまったら…NINTENDU SWITCHが欲しいとか、XBOX SERIES Zが欲しいとか言い出すのが容易に想像できる。
既に疲労で腰が限界だというのに、そんな労苦を背負ってしまったら…想像するだけで恐ろしい。
河原に降りた俺はスマホからAwazonを呼び出し、ショップから200リットルのドラム缶とバケツをセレクト。
暗くなった砂利だらけの地面にデンと構える太ましい姿は、見る者に奇妙な非日常感を振り撒く。
「よ~し、十分な大きさだな。
これならイケるぜ!」
大きめの石を丁寧に組んで土台にすると、そこにドラム缶を……お、重ッ……!
どうにか安置してバランスを確認すると中々良い感じだ。
一緒に買ったバケツでせっせと水を入れていくと微動だにしない程に安定した。
後は土台のスペースに薪を入れて火をつければ……ドラム缶風呂の完成!
感無量である…!
初音には悪いが着替えは用意してあるので一番風呂を頂く。
「お…おぉ、これは……快感!
大自然の清流を前に風呂に浸かる。
これは贅沢の極みだ~!」
建前抜きに蕩けるような感覚が全身を包み、今日の出来事が次々と脳裏に浮かんでは消えていく。
やたらと力の強い子供を助けたり、馬鹿デカイ猪を狩ったり、余りにも普通では考えられない事が連続した1日だった…。
だけど、そんなのは一瞬でどーでも良くなってしまう。
こうして肩まで温かい湯に入っていると、不思議と全てが許せる気持ちが湧いてくる。
嗚呼、なんだか…このまま眠って……。
「あああああ!ズルいぞ、あしなぁ!
ワシも!ワシも入るのじゃああ!!」
ぶち壊し、たった一人の鬼娘のお陰で心地よい夢の時間は跡形もなく破壊の憂き目をみる。それどころか、こいつ服をっ!
「待て待て待て待って、お願い!
すいませんゴメンナサイ!
今すぐ出ますから、ここで脱がないで!」
風呂を巡る意味不明な攻防。
どうにか初音を納得させる頃にはヘトヘトの疲労困憊となり、改めて扱いに困る相手だと再認識するのだった。
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