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21:初めての馬車は酔うもの
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パーティー会場まで馬車で移動している道中、初めての馬車に初めはワクワクしていたが、がたがたと揺れる車内では落ち着くことが出来ず酔ってしまった。
「うっ…」
「ローリー大丈夫?」
馬車は家族みんなが乗ることが出来ないので3台に分かれており、俺は両親と同じ馬車に乗っていた。後は兄弟と姉妹で分かれて乗っている。何かあっても大丈夫なように両親の馬車に乗ったが、正解だったようだ。母さんに抱きかかえられると少し揺れが軽減される。しかし、吐き気がして、吐いてしまった。
「っおえ゙っ!!……はぁ、はぁ、っげぇ゙…」
吐くと思って母さんの胸から顔を逸らしたところに父さんが受け皿を用意してくれていて、車内を汚す事無くすんだ。母さんや父さんに背中をさすられながら、気持ち悪かった分を全て吐き出し、すこしだけ気持ち悪さが落ち着いた。しかし、なんだか背中の筋から後頭部にかけてがすごく冷たく感じて、まだ気分が悪かった。
「はぁ…はぁ…うぅ…」
馬車の窓を開けてもらい、涼しい風を受け少し落ち着いてきた。
「少し落ち着いたようだね。もう少しで着くが、少し寝ていなさい。起こしてあげるからね」
「ん……」
父さんが優しく撫でてくれ、手の冷たさが心地よく、すっと寝ることが出来た。
「ローリー、着いたわよ」
「…」
「ローリー」
「…」
「ふふ、もう少しだけ寝かせてあげましょうか」
「そうだね。ギリギリまで体力を回復させた方がいいだろうからね。まだ時間にも早いし、部屋を貸してもらって寝かせてあげようか」
馬車が止まり母さんは俺を起こしたようだったが、ゆらしても起きないためそのまま抱えて馬車をおりたのだった。
そうして、トランドシル公爵家の玄関をくぐると到着の知らせを聞いた姉夫婦が出迎えてくれていた。
「お母様、お父様、本日はお越しいただき、ありがとうございます。ローバリアスも、来れたようで何よりですわ」
「フェルドリーチェ侯爵…いや、お義父様、お義母様、お越しいただきありがとうございます」
「トランドシル公爵閣下、本日はお招き頂き、感謝申し上げます。この度は結婚3周年お祝い申し上げます。」
「いえ、崩されてください。まだほかには誰も来ていませんので」
「では、お言葉に甘えさせて頂こうか。2人とも、おめでとう。エイダン、これからも娘をよろしく頼むよ」
「はい、お任せ下さい」
父と叔父の掛け合いは形式上の堅苦しいものだったが、後の砕けた雰囲気は、隔たりがなく仲が良さそうであった。
「お父様、ローリーは体調が悪いの?それとも、ただ、眠っているだけかしら?」
「今は寝ているだけなのだけど、さっき馬車で酔ってしまったようでね。すこし戻してしまったんだ。体調を崩すといけないから、寝かせてやりたいんだが、どこか部屋を借りれるかい?」
「あら、大変。そうだったのね。準備してあるわ。ローリーが体調を崩しても大丈夫なように、服の着替えなんかも、事前に連絡いただいていたものは全て用意してあるわ。部屋に置いてあるものはなんでも使ってもらって構わないからね。何かあったら使用人に伝えてちょうだい。」
どうやら事前にいろいろと伝えていたようで、準備良く休める部屋へと案内され俺は寝かされた。といっても、ずっと眠っているため、そんなこと気付くことはなかった。
「うっ…」
「ローリー大丈夫?」
馬車は家族みんなが乗ることが出来ないので3台に分かれており、俺は両親と同じ馬車に乗っていた。後は兄弟と姉妹で分かれて乗っている。何かあっても大丈夫なように両親の馬車に乗ったが、正解だったようだ。母さんに抱きかかえられると少し揺れが軽減される。しかし、吐き気がして、吐いてしまった。
「っおえ゙っ!!……はぁ、はぁ、っげぇ゙…」
吐くと思って母さんの胸から顔を逸らしたところに父さんが受け皿を用意してくれていて、車内を汚す事無くすんだ。母さんや父さんに背中をさすられながら、気持ち悪かった分を全て吐き出し、すこしだけ気持ち悪さが落ち着いた。しかし、なんだか背中の筋から後頭部にかけてがすごく冷たく感じて、まだ気分が悪かった。
「はぁ…はぁ…うぅ…」
馬車の窓を開けてもらい、涼しい風を受け少し落ち着いてきた。
「少し落ち着いたようだね。もう少しで着くが、少し寝ていなさい。起こしてあげるからね」
「ん……」
父さんが優しく撫でてくれ、手の冷たさが心地よく、すっと寝ることが出来た。
「ローリー、着いたわよ」
「…」
「ローリー」
「…」
「ふふ、もう少しだけ寝かせてあげましょうか」
「そうだね。ギリギリまで体力を回復させた方がいいだろうからね。まだ時間にも早いし、部屋を貸してもらって寝かせてあげようか」
馬車が止まり母さんは俺を起こしたようだったが、ゆらしても起きないためそのまま抱えて馬車をおりたのだった。
そうして、トランドシル公爵家の玄関をくぐると到着の知らせを聞いた姉夫婦が出迎えてくれていた。
「お母様、お父様、本日はお越しいただき、ありがとうございます。ローバリアスも、来れたようで何よりですわ」
「フェルドリーチェ侯爵…いや、お義父様、お義母様、お越しいただきありがとうございます」
「トランドシル公爵閣下、本日はお招き頂き、感謝申し上げます。この度は結婚3周年お祝い申し上げます。」
「いえ、崩されてください。まだほかには誰も来ていませんので」
「では、お言葉に甘えさせて頂こうか。2人とも、おめでとう。エイダン、これからも娘をよろしく頼むよ」
「はい、お任せ下さい」
父と叔父の掛け合いは形式上の堅苦しいものだったが、後の砕けた雰囲気は、隔たりがなく仲が良さそうであった。
「お父様、ローリーは体調が悪いの?それとも、ただ、眠っているだけかしら?」
「今は寝ているだけなのだけど、さっき馬車で酔ってしまったようでね。すこし戻してしまったんだ。体調を崩すといけないから、寝かせてやりたいんだが、どこか部屋を借りれるかい?」
「あら、大変。そうだったのね。準備してあるわ。ローリーが体調を崩しても大丈夫なように、服の着替えなんかも、事前に連絡いただいていたものは全て用意してあるわ。部屋に置いてあるものはなんでも使ってもらって構わないからね。何かあったら使用人に伝えてちょうだい。」
どうやら事前にいろいろと伝えていたようで、準備良く休める部屋へと案内され俺は寝かされた。といっても、ずっと眠っているため、そんなこと気付くことはなかった。
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