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23:ようやくパーティー人との交流
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気を取り直して、お揃いではなくなったけれど着替えが終わったのでパーティー会場に向かう事にした。もちろん父さんの抱っこで。
「ローリー、少しでも、しんどくなったら言うんだよ?いいね?」
「あい!」
そうして庭に出ると以外に人が多かった。家族と友達だけだと言うからこじんまりとしたパーティーを想像していたが、そうか、貴族の友達だもんな…と納得する。意外と女性が多いため、姉さんの友人が多いのだろう。男性はチラホラといる程度。女性のパートナーとしてきているだけのような人も数人いた。
「ローリー!」
「ロス!」
アリシア姉さんとフドナス兄さんが俺に気付き駆け寄ってきた。
「もう大丈夫なのか?あ…服、着替えたんだな…」
「ローリー、起きたのね。良かったわ。お父様、お母様は先程あちらに行かれましたわ」
「そうか。ありがとう、じゃあ、行ってくるからローリーの事を頼んだよ」
「「はい!」」
父さんは俺をフドナス兄さんに渡し、行ってしまった。
「ローリー、服を着替えたのね。みんなお揃いで可愛かったけれど、今の服も似合っているわよ」
「ロス、体調は大丈夫か?馬車に酔ったんだって?戻したって聞いたけど、もう大丈夫なのか?むりするなよ?」
「ねた、かりゃ、へいきれしゅ!」
「でも…いつもより発音……」
「ん?」
「いや、いい。ちょっとでも変だったら言うんだぞ」
「あい!ねいしゃんも、ありあとう!」
「無理しちゃだめよ」
2人は心配してくれたが、俺はトイレに間に合わなかったショックからはとっくに立ち直っていた。人が沢山いて人見知ってしまうが、ワクワクが止まらない。初めて見る家の人以外の沢山の人。それに、ガーデンパーティーと言うだけあってとても素敵だった。
そもそも庭はとても綺麗に整えられていて素敵だけれど、至る所に設置されている花瓶の花束が素敵だった。それぞれ違っているのに、その花束の中には必ずマーガレットのような花が入っており、会場の中心にはマーガレットのような花だけの花束が置いてあった。
「おじしゃん」
「ん?ローリー、どうした?」
「あのはな、りゆう、ありゅ?」
「あぁ、あれはね、初めてであった時にそばにあった思い出の花で、婚約の時も結婚の時も送った大切な花なんだ。おじさん達にとって、シンボルのような花なんだ」
おじさんを見つけて訳を聞くと、すごく素敵な理由だった。学園で2人は出会い、姉さんが、この白と黄色の花が可愛くて好きだと笑った顔に惚れたんだと言っていた。だから、告白もプロポーズもこの花を送ったのだと。
「しゅてきやね!」
ありがとうと言って頭を撫でた叔父はんは、誰かに話しかけられてそばを離れた。
「見かけない子がいるね。フェルドリーチェ家の末っ子かい?」
そう声をかけてきたのはダンディーなおじ様って感じの人だった。その人は父さんと同じ侯爵位の人らしく、兄さんが対応してくれた。
「そうか、やはり噂の末っ子君だね。お兄ちゃんに抱っこされて、仲がいいね。そうだ!うちのチビも連れてきているんだ、会ってくれるかい?」
「申し訳ございません侯爵様。ローバリアスは体調が優れないため、本日のところはせっかくですが…またの機会にお願いします」
兄さんが断りを入れるが、俺は会いたいと思ってしまった。元気だし、他の子に会ってみたいし。
「にいちゃ、ぼく、あいたい…だめ?」
「…今度にしよう。今度家に招待すればいい。今日は、さっきのこともあるし…」
ダンディな人に聞こえないように小声で会話をする。しかし、聞こえていたようで、クスッと笑ったダンディーが口を開いた。
「なら、こうしよう。今、少しこの場に連れてくるから、君も一緒に参加して座って話をさせてあげるのはどうだろうか?」
フドナス兄さんに向かって話を振るが、それなら許可してくれるだろうと期待を込めた視線を兄さんに向けた。
「はぁ…俺がこのまま抱っこした状態だぞ。すこしでも体調が変わったら、必ず、必ず言うんだぞ」
「あい!」
「侯爵様、お気遣いありがとうございます。では、ご子息にご挨拶させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ああ、連れてくるから少しそこに座って待っていなさい」
「ありがとうございます」
そうして椅子のある所へ腰かけて待っていると、ヘンリス兄さんがやってきた。
「フドナス、ローバリアス、そこで何をしている?体調は大丈夫か?」
「兄さん…今──」
フドナス兄さんがヘンリス兄さんに事情を説明してくれた。
「そうか…無理はするなよ。やはり心配だから、私も同席してもいいだろうか」
「助かります」
結局ヘンリス兄さんも一緒に待つことになった。
みんな心配しすぎ。俺元気なのに。嬉しいけど。
「ローリー、少しでも、しんどくなったら言うんだよ?いいね?」
「あい!」
そうして庭に出ると以外に人が多かった。家族と友達だけだと言うからこじんまりとしたパーティーを想像していたが、そうか、貴族の友達だもんな…と納得する。意外と女性が多いため、姉さんの友人が多いのだろう。男性はチラホラといる程度。女性のパートナーとしてきているだけのような人も数人いた。
「ローリー!」
「ロス!」
アリシア姉さんとフドナス兄さんが俺に気付き駆け寄ってきた。
「もう大丈夫なのか?あ…服、着替えたんだな…」
「ローリー、起きたのね。良かったわ。お父様、お母様は先程あちらに行かれましたわ」
「そうか。ありがとう、じゃあ、行ってくるからローリーの事を頼んだよ」
「「はい!」」
父さんは俺をフドナス兄さんに渡し、行ってしまった。
「ローリー、服を着替えたのね。みんなお揃いで可愛かったけれど、今の服も似合っているわよ」
「ロス、体調は大丈夫か?馬車に酔ったんだって?戻したって聞いたけど、もう大丈夫なのか?むりするなよ?」
「ねた、かりゃ、へいきれしゅ!」
「でも…いつもより発音……」
「ん?」
「いや、いい。ちょっとでも変だったら言うんだぞ」
「あい!ねいしゃんも、ありあとう!」
「無理しちゃだめよ」
2人は心配してくれたが、俺はトイレに間に合わなかったショックからはとっくに立ち直っていた。人が沢山いて人見知ってしまうが、ワクワクが止まらない。初めて見る家の人以外の沢山の人。それに、ガーデンパーティーと言うだけあってとても素敵だった。
そもそも庭はとても綺麗に整えられていて素敵だけれど、至る所に設置されている花瓶の花束が素敵だった。それぞれ違っているのに、その花束の中には必ずマーガレットのような花が入っており、会場の中心にはマーガレットのような花だけの花束が置いてあった。
「おじしゃん」
「ん?ローリー、どうした?」
「あのはな、りゆう、ありゅ?」
「あぁ、あれはね、初めてであった時にそばにあった思い出の花で、婚約の時も結婚の時も送った大切な花なんだ。おじさん達にとって、シンボルのような花なんだ」
おじさんを見つけて訳を聞くと、すごく素敵な理由だった。学園で2人は出会い、姉さんが、この白と黄色の花が可愛くて好きだと笑った顔に惚れたんだと言っていた。だから、告白もプロポーズもこの花を送ったのだと。
「しゅてきやね!」
ありがとうと言って頭を撫でた叔父はんは、誰かに話しかけられてそばを離れた。
「見かけない子がいるね。フェルドリーチェ家の末っ子かい?」
そう声をかけてきたのはダンディーなおじ様って感じの人だった。その人は父さんと同じ侯爵位の人らしく、兄さんが対応してくれた。
「そうか、やはり噂の末っ子君だね。お兄ちゃんに抱っこされて、仲がいいね。そうだ!うちのチビも連れてきているんだ、会ってくれるかい?」
「申し訳ございません侯爵様。ローバリアスは体調が優れないため、本日のところはせっかくですが…またの機会にお願いします」
兄さんが断りを入れるが、俺は会いたいと思ってしまった。元気だし、他の子に会ってみたいし。
「にいちゃ、ぼく、あいたい…だめ?」
「…今度にしよう。今度家に招待すればいい。今日は、さっきのこともあるし…」
ダンディな人に聞こえないように小声で会話をする。しかし、聞こえていたようで、クスッと笑ったダンディーが口を開いた。
「なら、こうしよう。今、少しこの場に連れてくるから、君も一緒に参加して座って話をさせてあげるのはどうだろうか?」
フドナス兄さんに向かって話を振るが、それなら許可してくれるだろうと期待を込めた視線を兄さんに向けた。
「はぁ…俺がこのまま抱っこした状態だぞ。すこしでも体調が変わったら、必ず、必ず言うんだぞ」
「あい!」
「侯爵様、お気遣いありがとうございます。では、ご子息にご挨拶させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ああ、連れてくるから少しそこに座って待っていなさい」
「ありがとうございます」
そうして椅子のある所へ腰かけて待っていると、ヘンリス兄さんがやってきた。
「フドナス、ローバリアス、そこで何をしている?体調は大丈夫か?」
「兄さん…今──」
フドナス兄さんがヘンリス兄さんに事情を説明してくれた。
「そうか…無理はするなよ。やはり心配だから、私も同席してもいいだろうか」
「助かります」
結局ヘンリス兄さんも一緒に待つことになった。
みんな心配しすぎ。俺元気なのに。嬉しいけど。
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こういうの、大好きです。
更新楽しみにしています!(*´˘`*)