【完結】ミキって書かせて頂きます

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
13 / 47

12話 秘密の関係

しおりを挟む
 ミキは、徐にショルダーバックを手に取るとある物を取り出した。それは、ICレコーダーだった!

 「できる記者は、予備を持っているものなのよ。さて、一応彼も調べておかないとね。何か、からくりがあるかもしれないし……」

 一人どや顔をきめ、ドアをそっと開けると通路の様子を伺う。となりの四番のドアは閉じられている。通路には、人影はなかった。
 ミキはそっと一番のドアの前に立ち、レコーダーのスイッチを入れた。
 彼とは、八田の事だった。

 ドアノブに手を掛け回してみる。
 鍵はかかってはいない。
 そっとドアを少し開けると、怒鳴り声が飛んできた。

 「お前、何やってるんだよ!」

 ――え! こっち見てた!

 ミキは、ビクッと体を震わす。
 だが、驚くも違った。

 「書き込みとニュースで流れる事件が同じだって気づいたら、変な奴らがどんな奴が泊まっていたんだって調べて、俺達さらし者になる可能性だってあるんだ!」
 「ごめんなさい!」
 「ごめんなさいじゃない! お前だって仕事場にばれたら大変だろう? 容疑者にされたのかって!」
 「ちょっと八田さん。相内さんもわかったって。もうこれくらいでいいでしょ?」
 「ごめんなさい。ううう……」

 相内は八田に怒鳴られ、泣き出したようだ。

 ――あの書き込み相内さんだったの? 伊藤さんとか八田さんの方がしっくりくるのに。本当に誰が書き込むか、わからないものね。

 会話を盗み聞いたミキは、書き込みの犯人が以外な人物で驚く。でもこれで、書き込みは消去されるだろう。

 「ったく、余計な事を……」
 「ちょっと、外で話そう……」

 伊藤が八田に話しかけ、ドアに向かって来る。

 ――外? こっちくる!

 ミキは慌ててドアを閉め、自分の部屋に入る。
 それと同時に、パタンとドアが閉まる音が聞こえた。
 そっと居場所を確認すと、伊藤と八田の二人は二番のドアの前にいた。
 顔を引っ込め、ミキは代わりにレコーダーを廊下に出した。

 「なんでさっき、あんな事言ったのよ」
 「さっきあいつに言った通りだ……」

 伊藤が質問をすると、八田は聞いていただろうと返す。

 「じゃなくて、女の人の姿を見たって事よ」

  ――それって、さっきの証言の事? 何故伊藤さんがそれを気にする訳?

 ミキは二人の関係を疑う。

 「別に大丈夫だって。っていうかお前、だいいち……」

 八田は気にした様子もなく、伊藤に何かを聞こうとした時だった。

 「何かありましたか?」

 と、もう一人の声が聞こえた。

 「……別に何も」

 それに八田は、そっけなく答えた。
 遊佐と伊東が戻って来たのだった!

 ――いいところだったのに!

 ミキは、そっとドアを閉めた。ドアの前で廊下の様子を伺う。
 遊佐と伊東は、遊佐の部屋に戻ったらしく、ミキの部屋のドアはノックはされなかった。

 ふうっと、安堵の息をもらすとミキはそっと再びドアを開けた。その時ちょうどドアが閉まる音が聞こえた。遊佐達が自分の部屋に入った音だ。
 そして、それを確認したかの様に、また声が聞こえてくる。

 「遊佐って、あの刑事に取り入ってるのか? ……さて、瞳に怒りすぎたと謝るか。アカネもフォロー宜しくな」
 「そうね。明日、ここを出るまでは仲良くしてもらわないとね」

 二人は凄い台詞を言って、部屋に戻って行った。
 ミキは、レコーダーのスイッチを切り、ポケットにしまった。

 「驚いたわ。あの様子だと、以前からの知り合いでしょ? これで、犯人は鎌田さんに決まりかしら……」

 もし八田が昨晩、部屋を訪ねたとしても、相手は伊藤だろうと思ったのである。
 二人は隠れて付き合っている。ミキはそう確信する。

 トントントン。
 ミキは反射的にノックされたドアを開けると、遊佐は少し驚いた顔で立っていた。

 「ドアの前にいたのか?」

 そう言いながら、遊佐は部屋の中に入った。

 「え? あ、そろそろ戻って来る頃かなって。早く鎌田さんの事聞きたくて……」

 八田達は事件に関係なさそうだし、もう一つのレコーダーまで取り上げられては困るので、咄嗟にミキはそう誤魔化した。

 「そうか。残念だがまだ黒とも白とも言えないな。奥で寝てしまったと言っている」
 「まあ、そうでしょうね。何か証拠を見つけないとね」

 ミキは、そう返すとベットに腰を掛ける。すると遊佐はソファーに座りこう返す。

 「証拠か。犯行時、両隣は外出して居なかったからな。部屋の中から見つけるしかないだろうな」

 ――それは、嫌みですか!

 と、言う文句を飲み込み、ミキは睨み付けるだけにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく… なお、スピンオフもございます。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...