装備召喚でヒソカに装備する~ご主人様はアニマルフェチ~

すみ 小桜(sumitan)

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エルフとは

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 ぜは、ぜは。
 も、もう無理! 靴さえ履けば歩けるとなぜに思ったオレ!

 どこに行くにしても森の中を歩かなくてはならなかった。つまり深い森を行く。二人は全然平気そうに、獣道さえない森の中をあっちへこっちへ彷徨う様に進む。おかげで奥に進むのに時間、いや距離が伸びた。時間がかかっているのはオレが遅いせいだ。
 普段こんな急勾配で歩きづらい場所を歩く事なんてないから、かなり体力を消耗した。しかも二人とも速い。
 最初は、走って進んでいた。オレが無理だと言うと、スピードを落としてはくれたけど。

 「ま、待って、もうオレ無理」

 何せ、草の背丈がオレの腰以上だ。草木を分けて進むから体は擦り傷だらけ。そしてすでに手足は筋肉痛だ。
 彼らは慣れているようだから、こういう場所で生活していたのかもしれない。

 「おぶってやる。背中に乗れ」

 ロンドさんがオレに背を向けた。

 「あ、ありがとう」

 だがしかし、限界のオレは首に回す手にすら力が入らない。情けない……。獣人って体力凄くないか?

 「それにしてもエルフというのは、こんなに弱い種族なのか?」

 もしかして、獣人の世界のエルフって耳がとんがってないの?

 レックスさんがオレの擦り傷だらけの腕を見て言った。その手を肩に持って行ってくれる。
 オレを背負うと二人は駆け出した。やっぱり体力がオレと違い過ぎる。

 「レックスさんの世界のエルフってオレみたいな感じなの?」
 「いや、見た事も聞いた事もない。あいつらが君に言っていただろう?」
 「俺も君みたいな外見の者を初めて見た」
 「え! エルフを知らないの?」

 二人はそうだと頷いた。
 あの鎧の人が言ったからそうだと思っていたのか。じゃ彼らの世界には獣人しかいないのかもしれない。そして、この世界にはエルフはいるけど、オレみたいな見た目の人間はいないんじゃないだろうか。

 「あの、一応言っておくけど、オレはエルフじゃありません」
 「「え!?」」

 凄く驚かれた。さっきの言い方だとエルフだと思っても仕方がないか。

 「オレは、ただの人間。エルフは、見た目はオレみたいな感じだけど、耳がとんがっているんだ。森に愛され魔法もお手の物」

 ――と言う設定が多い。

 「へえ。そうなんだ。じゃ、ヒソカの世界はそういう種族が住む世界なんだな」

 たぶんロンドさん達は、見た目の事を言っているのだろうけど。オレの世界にはエルフはいません。もちろん、獣人もいません。空想の生き物です。

 「あはは。実はオレもエルフは見た事ないんだ」
 「そうなのか? あ、あれか。ヒソカはウミだかという水の上に暮らす種族なのか?」
 「え? なぜに?」
 「うん? ウミを知っていたからさ。あういう風に住んでいるのかと」

 レックスさんの言葉に驚いた。船旅はあるけど、普通に陸で生活してます。まあそういう生活をしている国もあるようだけど。

 「えーと、オレが住んでいる国は島国で海に囲まれているんです。で、あぁいう乗り物で海を移動……」
 「あれ、乗り物だったのか!」

 今度は、レックスさんが凄く驚いた。
 あぁ。そこから全然感覚が違うのね。たしかに、船を知らなければ乗り物だとは思わないか。
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