装備召喚でヒソカに装備する~ご主人様はアニマルフェチ~

すみ 小桜(sumitan)

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新たな獣人は――

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 ダダダッ。二人は段々と加速していく。やっぱり獣人は人じゃないわ……。
 ふわっと浮遊感があると思ったらジャンプしているんですけど!

 「………!」

 驚く身体能力。塀をタンと踏み台に街の中へ侵入。そのまま近くの街路樹の枝の中へ入った。枝がオレ達を叩く。痛い。二人は平気そうだけど、これ青あざだよ。

 しかし、平然と侵入しちゃったよ。
 兵士がチラッと音がしたオレ達がいる木を見上げたけど、忙しいのか見ただけで走って行く。

 「ここは、ベア族の国か」
 「そのようだな」

 ロンドさんの言葉にレックスさんが同意して頷く。
 ベア族――言葉の通りクマさんだ。いや熊か。あまりかわいくない。地球にいる熊が服を着て二本足で歩いている感じだ。
 というか、服を着る意味あるのかなぁ……。

 「このままだとヒソカが目立つな」
 「そうだな、あ、ちょっと待ってて」

 そういうと、ロンドさんがひょいと木から降りた。
 降りて大丈夫なのかと思ったけど、あっという間にどこかへ行ってしまう。何をしに行ったのかと思ったら、何やら白い布を持ってきた。
 これシーツじゃないか?

 「被っとけ」
 「ぬ、盗んできたの?」
 「仕方がないだろう。お金もないし」

 ほらと渡される。少し湿っぽい。どうやら干してあったのを持ってきたようだ。大きいので半分に折って頭からすっぽりと羽織る。

 「いいか、絶対に顔を出すなよ」

 そう言うレックスさんに抱きかかえられた。

 「本当に下に降りるの?」
 「たぶん、この世界にはベア族以外にも種族がいるのだろう。でなければ、あそこまで正体を隠さないだろうからな」

 レックスさんの言葉にロンドさんが頷く。
 鎧の人は、あれが通常装備だとしてフードの男はあからさまに隠していた。
 獣人ならば、見れば種族がわかる。だから仮面をつけていた。エルフではないようだし。

 「ここで何かを起こす計画に俺達も組み込まれているとしたら、直ぐにでも離れた方がいい」

 ロンドさんの言葉に今度は、レックスさんが頷く。

 「うん。そうだね。足手まといでごめん」
 「何を言っている。俺達は仲間だ」
 「ありがとう。レックスさん」
 「装備召喚を強化すればそのうち強くなれるだろう」
 「うん」

 ロンドさんの言葉にそうかもとオレは頷いた。とにかく今は逃げないと。
 二人は、スタッと木から降り走り出す。目立たない様に、細い道を行く。だが横道から突然ベア族の兵士が出て来て、オレ達を追いかけてきた。
 彼らは、船の中の兵士と違って、普通のズボンに胸当てに槍という、かなりの軽装だ。

 「見つかった」

 オレが呟くと、レックスさんが頷く。でも走り続ける。当然の如く、止まれと叫ばれた。

 「そこの二人止まれ!」

 前からもベア族の兵士が現れて囲まれた。後ろに二人、前にも二人。槍をオレ達に突き出す。ここまでか。

 「滞在許可書を見せろ」
 「やはりここは、ベア族の国か……」

 レックスさんが、ボソッと呟く。ベア族ではないオレ達は呼び止められたって事だ。
 爆発事故があったし、怪しい者として疑われているのだろうけど、そんな物はない。

 「ないようだな。ついて来い」
 「「………」」

 たぶん二人なら倒して逃げる事もできるかもしれない。でも、この四人の兵士だけじゃないからそんな事をしても逃げきれないだろう。大人しくついて行く事になった。
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