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第45話
憂鬱な日々を過ごす。
エルダ夫人は、あれから機嫌がいい。無効になると自信があるのね。
あれから一週間後、結果が届いた。
「レネット。見なさい。誓約書は無効になったわ」
役所から届いた三枚の書類をエルダ夫人は執務室の机の上に嬉しそうに置いた。
それを手に取る。
ほぼ同じ文面で、私、アンナ、ガストン様の誓約書無効の書類だった。
フランシスク様の証拠が集まったと言う連絡も来ていないし、間に合わなかったわ。
これで、堂々と結婚でもさせる気なのかしらね。エルダ夫人は。
って、もしかしてガストン様とアンナが結婚後も、全員ここに居座る気なのかしら。
それだけは勘弁してほしいわ!
どうしよう。ガストン様が浮気していたという証拠があっても今更なのではない?
フランシスク様に、彼らを追い出す権限はないもの。
私にしたって、言って出て行かなければ、どうする事もできないわ。
ルトルン伯爵は、きっと彼らの味方をするでしょう。だって結婚させて厄介払いしたかったのだから。
とりあえず、私とでなくても結婚できた。私が騒ぎ立てないように、それこそエルダ夫人と手を組むかもしれない。
「でね、提案なんだけど。経営家をルトルン伯爵家が手配した者に変えましょう」
「え! その話なら前にお断りしました」
「そう言わないで。在住してもらうのよ。そうしたら、この前みたいにガストンが暴走できないわ。それに、あなたが今やっている書類も書いてもらえるでしょう?」
確かにエルダ夫人が言う様に、経営家が在住していれば、ガストン様も変な気は起こさないでしょうし、書類も書いて頂ける。
けどそれって、こちらに通ってもらうって事になるので、凄いお金が掛かるのよ。
だって、他の依頼の仕事が出来ないからね。そのかわり、雑務もみんなしてもらえる。
「それは……」
「今回の事もあなたを通してだから防げなかったと思わない?」
「私のせいだと言うのですか?」
「落ち着いて。そうは言ってないわ。ガストンの暴走を抑える抑止力になると言っているの。ずっとではないわ。あなたが学園に通っている間だけよ。どう?」
どうせ、学園を卒業した後もそのままでしょう。
ガストン様とアンナの事をここで言っちゃう?
ダメよ。落ち着いて。
証拠らしい証拠がないわ。
それにその証拠を今集めてくれている。それが揃うまで時間稼ぎが正解よ。
少なくとも、経営家の事は回避できるわ。
「そう。少し考える時間をちょうだい」
「わかった。いい返事を待っているわ」
書類を置いたまま、エルダ夫人は出て行った。
はあ。何の為に誓約書を作ったのやらって感じよね。
私の不用意な行動で、プロンテヌ侯爵が立てた計画がパーよ。
今更だけど、プロンテヌ侯爵に伝えた方がいいかしら。手紙を送っても間に合わないと思い、フランシスク様の証拠集めが間に合うのを願っていたけど、間に合わなかった。
ここに届いたのは三枚だから、プロンテヌ侯爵の誓約書が無効になった書類はプロンテヌ侯爵に届くのよね。
ううん。ちゃんと謝罪の手紙を書きましょう。でも、なんて書いたらいいのかしら……。
追い出す手伝いをお願いしますって書いたら、勝手すぎるかしらね。
はぁ……。
とんとんとん。
考え込んでいると執務室のドアがノックされた。ここに訪ねて来て、ちゃんとノックをするのは執事長ね。
「はい。どうぞ」
「失礼します」
ドアを閉めて近づき、執事長がどうぞと手紙を手渡してくれた。
プロンテヌ侯爵からだわ。
「ありがとう」
「先ほどですが、アンナ様が倒れられて今医師に見て頂いております」
「え! 大丈夫かしら」
「貧血を起こした様です。詳しくは医師に聞かないとわかりませんが」
「そう。大事がないといいけど」
ではと、執事が部屋から出て行った。
アンナの事は後で聞きましょう。まずは、手紙になんて書いてあるかね。
え……。明日来るの? って、マスティラン領主と共にですって!
なぜ、マスティラン侯爵まで一緒に? フランシスク様が一緒ならわかるんだけど。
仕事を終わらせる前に、アンナの様子を見に行きますか。
「あ、叔母様。お聞きしましたわ。アンナが倒れたって」
アンナの部屋に向かっていると、アンナの部屋からエルダ夫人が出て来た。
「あら、レネット。アンナの心配をしてくれたのね。ありがとう。ちょっとした貧血だっただけよ。夜更かしのし過ぎみたいね。今は眠っているわ」
「そう。よかった。では、医師はお帰りになったのね」
「えぇ。ところで仕事は終わったの?」
「いえ、まだです」
「そう。あなたも倒れないように無理しないようにね」
「あ、はい。では、仕事に戻りますね」
私は、踵を返し執務室へ向かう。
労われたわ。本心だといいのだけど。どうしても、さっきの話とこじつけてしまうわ。
エルダ夫人は、あれから機嫌がいい。無効になると自信があるのね。
あれから一週間後、結果が届いた。
「レネット。見なさい。誓約書は無効になったわ」
役所から届いた三枚の書類をエルダ夫人は執務室の机の上に嬉しそうに置いた。
それを手に取る。
ほぼ同じ文面で、私、アンナ、ガストン様の誓約書無効の書類だった。
フランシスク様の証拠が集まったと言う連絡も来ていないし、間に合わなかったわ。
これで、堂々と結婚でもさせる気なのかしらね。エルダ夫人は。
って、もしかしてガストン様とアンナが結婚後も、全員ここに居座る気なのかしら。
それだけは勘弁してほしいわ!
どうしよう。ガストン様が浮気していたという証拠があっても今更なのではない?
フランシスク様に、彼らを追い出す権限はないもの。
私にしたって、言って出て行かなければ、どうする事もできないわ。
ルトルン伯爵は、きっと彼らの味方をするでしょう。だって結婚させて厄介払いしたかったのだから。
とりあえず、私とでなくても結婚できた。私が騒ぎ立てないように、それこそエルダ夫人と手を組むかもしれない。
「でね、提案なんだけど。経営家をルトルン伯爵家が手配した者に変えましょう」
「え! その話なら前にお断りしました」
「そう言わないで。在住してもらうのよ。そうしたら、この前みたいにガストンが暴走できないわ。それに、あなたが今やっている書類も書いてもらえるでしょう?」
確かにエルダ夫人が言う様に、経営家が在住していれば、ガストン様も変な気は起こさないでしょうし、書類も書いて頂ける。
けどそれって、こちらに通ってもらうって事になるので、凄いお金が掛かるのよ。
だって、他の依頼の仕事が出来ないからね。そのかわり、雑務もみんなしてもらえる。
「それは……」
「今回の事もあなたを通してだから防げなかったと思わない?」
「私のせいだと言うのですか?」
「落ち着いて。そうは言ってないわ。ガストンの暴走を抑える抑止力になると言っているの。ずっとではないわ。あなたが学園に通っている間だけよ。どう?」
どうせ、学園を卒業した後もそのままでしょう。
ガストン様とアンナの事をここで言っちゃう?
ダメよ。落ち着いて。
証拠らしい証拠がないわ。
それにその証拠を今集めてくれている。それが揃うまで時間稼ぎが正解よ。
少なくとも、経営家の事は回避できるわ。
「そう。少し考える時間をちょうだい」
「わかった。いい返事を待っているわ」
書類を置いたまま、エルダ夫人は出て行った。
はあ。何の為に誓約書を作ったのやらって感じよね。
私の不用意な行動で、プロンテヌ侯爵が立てた計画がパーよ。
今更だけど、プロンテヌ侯爵に伝えた方がいいかしら。手紙を送っても間に合わないと思い、フランシスク様の証拠集めが間に合うのを願っていたけど、間に合わなかった。
ここに届いたのは三枚だから、プロンテヌ侯爵の誓約書が無効になった書類はプロンテヌ侯爵に届くのよね。
ううん。ちゃんと謝罪の手紙を書きましょう。でも、なんて書いたらいいのかしら……。
追い出す手伝いをお願いしますって書いたら、勝手すぎるかしらね。
はぁ……。
とんとんとん。
考え込んでいると執務室のドアがノックされた。ここに訪ねて来て、ちゃんとノックをするのは執事長ね。
「はい。どうぞ」
「失礼します」
ドアを閉めて近づき、執事長がどうぞと手紙を手渡してくれた。
プロンテヌ侯爵からだわ。
「ありがとう」
「先ほどですが、アンナ様が倒れられて今医師に見て頂いております」
「え! 大丈夫かしら」
「貧血を起こした様です。詳しくは医師に聞かないとわかりませんが」
「そう。大事がないといいけど」
ではと、執事が部屋から出て行った。
アンナの事は後で聞きましょう。まずは、手紙になんて書いてあるかね。
え……。明日来るの? って、マスティラン領主と共にですって!
なぜ、マスティラン侯爵まで一緒に? フランシスク様が一緒ならわかるんだけど。
仕事を終わらせる前に、アンナの様子を見に行きますか。
「あ、叔母様。お聞きしましたわ。アンナが倒れたって」
アンナの部屋に向かっていると、アンナの部屋からエルダ夫人が出て来た。
「あら、レネット。アンナの心配をしてくれたのね。ありがとう。ちょっとした貧血だっただけよ。夜更かしのし過ぎみたいね。今は眠っているわ」
「そう。よかった。では、医師はお帰りになったのね」
「えぇ。ところで仕事は終わったの?」
「いえ、まだです」
「そう。あなたも倒れないように無理しないようにね」
「あ、はい。では、仕事に戻りますね」
私は、踵を返し執務室へ向かう。
労われたわ。本心だといいのだけど。どうしても、さっきの話とこじつけてしまうわ。
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