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第46話
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「おはよう。レネット」
朝食を食べようとダイニングルーム向かえば、昨日倒れたアンナが上機嫌で私に挨拶をしてきた。なぜ!?
「おはよう。倒れたって聞いたけど大丈夫?」
「うん」
にっこり微笑むと、隣に座るガストン様と意味深な目配せを交わす。
二人が浮気しているという目線で見れば、あの席順も納得よね。
「おはよう、レネット。疲れていないかしら?」
「おはようございます。叔母様。今日は、学園が休みなのでゆっくり休みます」
叔母様は、昨日よりテンション低いわね。
叔父様に至っては、顔色が悪いのだけど、大丈夫かしらね。
「そう。では一休みして、昼過ぎにお話があるの。執務室に来て下さらない?」
「はい!?」
来てほしいって言うけど、そこ、私の仕事場ですが!
執務室で話って事は、屋敷の者に聞かれたくないお話って事よね? もしかして、アンナはただの貧血ではなかったの?
「わかりました。昼食後に執務室でお待ちしております」
こうして結局は、執務室で仕事をしてしまった。
だって、話を聞くなら仕事を片付けておいた方がいいもの。まあ、毎日できるだけ残さないようにしているから、午前中に終わったけどね。
「レネット、入るわよ」
「どうぞ」
あれ? アンナにガストン様まで一緒なの?
もしかして、相当悪いのかしら。
ガストン様が人目もはばからず、アンナを気遣う様に寄り添って入って来た。そして、ソファーに並んで座る。
なので向かい側に、私とエルダ夫人が座った。
私は、エルダ夫人が話すと思って身構えていら、違う所から驚く言葉が耳に飛び込んで来た。
「私、ガストン様の子を身籠ったの!」
え? 今なんて?
「すまない。だが、彼女を好きになってしまったのだ」
「今まで騙していたのね!」
浮気を知っていたのに、咄嗟に出た言葉がこれだった。
「違う! 一緒にいる間に好きになったんだ」
「え……」
嘘よね? お父様とお母様が生きている時からよね?
でないと、アンナと交際する間際まで違う人と交際していた事になるのだけど!
私に引き裂かれない為に、妊娠するまで黙っていたの?
「二人がした事はあなたにとって、裏切りよ。でも、産まれてくる子には罪はないわ」
「………」
「ガストンは、グリンマトル伯爵家に婿入りする予定だった。そこでね。お願いがあるの。実質私達が切り盛りしているでしょう。だからふたりをグリンマトル伯爵夫妻にしてあげてほしいのよ」
「え? あり得ないはそんなの!!」
私と婚約破棄をしたくない理由は、そう言う事だったのね! グリンマトル家を乗っ取る為!
叫びながら立ち上がれば、ガシッとエルダ夫人に腕を掴まれた。
「では、身重なアンナをここから追い出すというの? 私達は、行く宛てはないのよ!」
そんなの知らないわよ。というか、学園卒業後に出て行く事になっているのだから、探しているのが当然でしょう!
「卑怯な言い方するのね。だったらルトルン伯爵家にでも行けばいいじゃない」
「僕は、家督を継がない。だから家にいられない」
「いいじゃない。今までと変わらないわ。ううん。半年後には、家族が増えるのよ」
アンナが幸せそうな顔でのたまった!
しかも、少なくとも半年前からそういう関係だと暴露したのだけど!
「一緒にいる間にって言っておいて、半年前から関係があったのね。というか、そもそも誓約違反じゃない!」
「あら残念ね。無効になったから、効力はないわ」
あるわよ!
早く、プロンテヌ侯爵来て。そう思っていると――。
とんとんとんとタイミングよく、ドアがノックされた。
来たわ!
「レネットお嬢様――」
驚く事にエルダ夫人がノックが聞こえたと思ったらドアに向かい、勝手にドアを開けた。
「いらっしゃい。ルトルン伯爵。お待ちしておりましたわ」
「愚息がご迷惑をお掛けしたようだね」
そう言って、ルトルン伯爵と知らない男性が一人入って来る。
プロンテヌ侯爵ではなかった。
「よ、呼んだの?」
エルダ夫人はドアを閉め、勝ち誇ったように私に言った。
「えぇ。だって彼の孫でもあるのですもの」
そうだった。アンナのお腹の子は、ルトルン伯爵の孫でもあるんだわ。
「安心したまえ。君が学園を卒業後は、グリンマトル家で働けるようにするから」
「な、何を言っているの」
そんなの当たり前じゃないの。
「手続きをしてしまおうと思ってね」
「経営家の交代? 私もサインしないし、こちら側の経営家のサインもない。無理ね」
相手は、私が経営家だと知らない。だったら経営家と連絡を取らないと突っぱねていれば、そのうちプロンテヌ侯爵達が来てくれるわ。
「彼は、経営家ではない。文官だ」
文官ですって!
役所に行かずともその場で契約できる。役所は受け取ったら受理するだけ。そう、彼が悪徳文官ならサインを偽装して提出しても通るって事よ!
朝食を食べようとダイニングルーム向かえば、昨日倒れたアンナが上機嫌で私に挨拶をしてきた。なぜ!?
「おはよう。倒れたって聞いたけど大丈夫?」
「うん」
にっこり微笑むと、隣に座るガストン様と意味深な目配せを交わす。
二人が浮気しているという目線で見れば、あの席順も納得よね。
「おはよう、レネット。疲れていないかしら?」
「おはようございます。叔母様。今日は、学園が休みなのでゆっくり休みます」
叔母様は、昨日よりテンション低いわね。
叔父様に至っては、顔色が悪いのだけど、大丈夫かしらね。
「そう。では一休みして、昼過ぎにお話があるの。執務室に来て下さらない?」
「はい!?」
来てほしいって言うけど、そこ、私の仕事場ですが!
執務室で話って事は、屋敷の者に聞かれたくないお話って事よね? もしかして、アンナはただの貧血ではなかったの?
「わかりました。昼食後に執務室でお待ちしております」
こうして結局は、執務室で仕事をしてしまった。
だって、話を聞くなら仕事を片付けておいた方がいいもの。まあ、毎日できるだけ残さないようにしているから、午前中に終わったけどね。
「レネット、入るわよ」
「どうぞ」
あれ? アンナにガストン様まで一緒なの?
もしかして、相当悪いのかしら。
ガストン様が人目もはばからず、アンナを気遣う様に寄り添って入って来た。そして、ソファーに並んで座る。
なので向かい側に、私とエルダ夫人が座った。
私は、エルダ夫人が話すと思って身構えていら、違う所から驚く言葉が耳に飛び込んで来た。
「私、ガストン様の子を身籠ったの!」
え? 今なんて?
「すまない。だが、彼女を好きになってしまったのだ」
「今まで騙していたのね!」
浮気を知っていたのに、咄嗟に出た言葉がこれだった。
「違う! 一緒にいる間に好きになったんだ」
「え……」
嘘よね? お父様とお母様が生きている時からよね?
でないと、アンナと交際する間際まで違う人と交際していた事になるのだけど!
私に引き裂かれない為に、妊娠するまで黙っていたの?
「二人がした事はあなたにとって、裏切りよ。でも、産まれてくる子には罪はないわ」
「………」
「ガストンは、グリンマトル伯爵家に婿入りする予定だった。そこでね。お願いがあるの。実質私達が切り盛りしているでしょう。だからふたりをグリンマトル伯爵夫妻にしてあげてほしいのよ」
「え? あり得ないはそんなの!!」
私と婚約破棄をしたくない理由は、そう言う事だったのね! グリンマトル家を乗っ取る為!
叫びながら立ち上がれば、ガシッとエルダ夫人に腕を掴まれた。
「では、身重なアンナをここから追い出すというの? 私達は、行く宛てはないのよ!」
そんなの知らないわよ。というか、学園卒業後に出て行く事になっているのだから、探しているのが当然でしょう!
「卑怯な言い方するのね。だったらルトルン伯爵家にでも行けばいいじゃない」
「僕は、家督を継がない。だから家にいられない」
「いいじゃない。今までと変わらないわ。ううん。半年後には、家族が増えるのよ」
アンナが幸せそうな顔でのたまった!
しかも、少なくとも半年前からそういう関係だと暴露したのだけど!
「一緒にいる間にって言っておいて、半年前から関係があったのね。というか、そもそも誓約違反じゃない!」
「あら残念ね。無効になったから、効力はないわ」
あるわよ!
早く、プロンテヌ侯爵来て。そう思っていると――。
とんとんとんとタイミングよく、ドアがノックされた。
来たわ!
「レネットお嬢様――」
驚く事にエルダ夫人がノックが聞こえたと思ったらドアに向かい、勝手にドアを開けた。
「いらっしゃい。ルトルン伯爵。お待ちしておりましたわ」
「愚息がご迷惑をお掛けしたようだね」
そう言って、ルトルン伯爵と知らない男性が一人入って来る。
プロンテヌ侯爵ではなかった。
「よ、呼んだの?」
エルダ夫人はドアを閉め、勝ち誇ったように私に言った。
「えぇ。だって彼の孫でもあるのですもの」
そうだった。アンナのお腹の子は、ルトルン伯爵の孫でもあるんだわ。
「安心したまえ。君が学園を卒業後は、グリンマトル家で働けるようにするから」
「な、何を言っているの」
そんなの当たり前じゃないの。
「手続きをしてしまおうと思ってね」
「経営家の交代? 私もサインしないし、こちら側の経営家のサインもない。無理ね」
相手は、私が経営家だと知らない。だったら経営家と連絡を取らないと突っぱねていれば、そのうちプロンテヌ侯爵達が来てくれるわ。
「彼は、経営家ではない。文官だ」
文官ですって!
役所に行かずともその場で契約できる。役所は受け取ったら受理するだけ。そう、彼が悪徳文官ならサインを偽装して提出しても通るって事よ!
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