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「あの、クリスタさん」
「あら、えーと、スラゼさん」
「ご相談があるのですが、Eランクの仕事をFランクの僕と一緒にやってくれる人をさがしているんだけど……」
「わかりました。少しお待ちください」
って、もしかしてそういう仕事があるか探してくれているの?
「ありました。ランクは問わないと書いてありますが、サーチが出来る者という条件です。スラゼさん、サーチは出来ますか?」
「はい!」
「あら、凄いですね。それ武器になりますよ。もしよろしければ、冒険者カードに記載しますけどどうしますか?」
「え? 記載ですか?」
「はい。簡単なテストをしてになりますが、サーチが出来るとなれば記載できます。そうすれば、一緒について行きますっていう、逆の募集が出来るんですよ」
「え! そうなんですか! じゃ、受けますそのテスト!」
『よかったじゃない。私の腕の見せ所ね』
「うん。宜しくね」
僕は、ボソッとラスに返す。
そういうわけで、試験場に連れて行かれた。そんな場所があるとは……。
「試験担当のマトキと言います。宜しく」
「はい。宜しくお願いします」
僕は、マトキさんに深々と頭を下げた。試験場は、冒険者協会が買い取った森の一部だった。そこに僕とマトキさんの二人だけだ。彼も制服を着ている。
「やり方を教えますね。リストを渡しますので、一時間以内に出来るだけ採取して下さい」
「わかりました」
僕は、採取のリスト、リュック、軍手、袋、ナイフを受け取った。つまり僕のナイフは使えないって事だ。不正を防ぐためらしいけど。
「では、はじめ!」
『ある程度奥に行ってもらっていいかしら? 自分を中心にサーチを掛けるの。後は、私にもリストを見せて』
「うん」
僕は、走りながら奥へ向かう。
『ここら辺でいいわ』
リストをラスにも見える様に持って見てみた。ってずらりと並んでいる。これ、サーチでわかっても一時間で採取出来る量じゃないと思う。
『なるほどね。これ、ランクAの物からあるわね。どうする? Cぐらいまでのにしておく?』
「え? どういう事?」
『つまり採取する物にもランクづけしてあって、サーチのレベルによって、わかるものとわからないものもあるって事よ』
「うーん。サーチならAの物がわかってもいいんじゃない? って、僕的には、固まっている方に採取に行って数を稼ぎたい」
『わかったわ。サーチ。今回のはランクのサーチだから色分けはランクになってるわ。でも数を稼ぎたいのならランクを関係なく採取するといいわ』
「うん。ありがとう!」
見渡すと右側が多い。こっちで採取しよう!
赤く光ってるものや青く光っているもの。それらを片っ端から採取していった。
一時間後には、リュックはぱんぱんになった。よし!!
これだけあれば、リストの……って、どれがどれだかわかんない!
「ねえ、どれがどれってわかる?」
『普通はサーチだけだと名称まではわからないわよ。あなたがそれを知っていれば別だけど。素直にそれは言った方がいいわね』
無差別ですと言わないとだめなようだ。
「あの、採取できたんですけど……。名称まではわからなくて……」
って、マトキさんが険しい顔をしている。
ダメだったんだろうか?
「きみって、ある意味凄いね。Fランクでここまで採取した人いないよ。君のサーチは、凄いから知識をつけるといい。そうすれば、難易度が高い採取の依頼を受けられるようになる!」
「え? それじゃ?」
「あぁ。サーチは記入できるよ」
「やったぁ!」
無事、冒険者カードには、魔法・スキルの欄にサーチが加わった。
「あら、えーと、スラゼさん」
「ご相談があるのですが、Eランクの仕事をFランクの僕と一緒にやってくれる人をさがしているんだけど……」
「わかりました。少しお待ちください」
って、もしかしてそういう仕事があるか探してくれているの?
「ありました。ランクは問わないと書いてありますが、サーチが出来る者という条件です。スラゼさん、サーチは出来ますか?」
「はい!」
「あら、凄いですね。それ武器になりますよ。もしよろしければ、冒険者カードに記載しますけどどうしますか?」
「え? 記載ですか?」
「はい。簡単なテストをしてになりますが、サーチが出来るとなれば記載できます。そうすれば、一緒について行きますっていう、逆の募集が出来るんですよ」
「え! そうなんですか! じゃ、受けますそのテスト!」
『よかったじゃない。私の腕の見せ所ね』
「うん。宜しくね」
僕は、ボソッとラスに返す。
そういうわけで、試験場に連れて行かれた。そんな場所があるとは……。
「試験担当のマトキと言います。宜しく」
「はい。宜しくお願いします」
僕は、マトキさんに深々と頭を下げた。試験場は、冒険者協会が買い取った森の一部だった。そこに僕とマトキさんの二人だけだ。彼も制服を着ている。
「やり方を教えますね。リストを渡しますので、一時間以内に出来るだけ採取して下さい」
「わかりました」
僕は、採取のリスト、リュック、軍手、袋、ナイフを受け取った。つまり僕のナイフは使えないって事だ。不正を防ぐためらしいけど。
「では、はじめ!」
『ある程度奥に行ってもらっていいかしら? 自分を中心にサーチを掛けるの。後は、私にもリストを見せて』
「うん」
僕は、走りながら奥へ向かう。
『ここら辺でいいわ』
リストをラスにも見える様に持って見てみた。ってずらりと並んでいる。これ、サーチでわかっても一時間で採取出来る量じゃないと思う。
『なるほどね。これ、ランクAの物からあるわね。どうする? Cぐらいまでのにしておく?』
「え? どういう事?」
『つまり採取する物にもランクづけしてあって、サーチのレベルによって、わかるものとわからないものもあるって事よ』
「うーん。サーチならAの物がわかってもいいんじゃない? って、僕的には、固まっている方に採取に行って数を稼ぎたい」
『わかったわ。サーチ。今回のはランクのサーチだから色分けはランクになってるわ。でも数を稼ぎたいのならランクを関係なく採取するといいわ』
「うん。ありがとう!」
見渡すと右側が多い。こっちで採取しよう!
赤く光ってるものや青く光っているもの。それらを片っ端から採取していった。
一時間後には、リュックはぱんぱんになった。よし!!
これだけあれば、リストの……って、どれがどれだかわかんない!
「ねえ、どれがどれってわかる?」
『普通はサーチだけだと名称まではわからないわよ。あなたがそれを知っていれば別だけど。素直にそれは言った方がいいわね』
無差別ですと言わないとだめなようだ。
「あの、採取できたんですけど……。名称まではわからなくて……」
って、マトキさんが険しい顔をしている。
ダメだったんだろうか?
「きみって、ある意味凄いね。Fランクでここまで採取した人いないよ。君のサーチは、凄いから知識をつけるといい。そうすれば、難易度が高い採取の依頼を受けられるようになる!」
「え? それじゃ?」
「あぁ。サーチは記入できるよ」
「やったぁ!」
無事、冒険者カードには、魔法・スキルの欄にサーチが加わった。
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