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「あの、祝賀会のチラシ張ってもらえませんか」
レンカがお店の人にチラシを渡す。
朝食を食べて、雑貨屋に来た。
「おやもう配り歩いているのかい。わかった張っておくよ」
「ねえ、お兄ちゃん、見て来ていい?」
「うん」
「おや、兄弟で冒険して歩いているのか」
本当の兄弟ではないけどね。
「あの、ハンドメイドなんですけど、売れ筋ってどんなのですか?」
「うん? ハンドメイド? あ、あの子達にプレゼントかい?」
「そうじゃなくて、作ってみようかなって。あ、材料は木材なんですけど」
「おや、そうかい。そうだね。小物入れやクシかねぇ。ちょっとしたアクセントの模様があるのが人気だよ」
「模様かぁ……」
「こっちにあるから見てみるといいよ」
ハンドメイドコーナーに連れて行ってくれた。
色んな物が置いてある。木材で作った物は他に、ペンダントやスプーンなどもあった。そのどれにも模様が掘られている。
何か掘った方がいいのか。
「ねえ、ラス。木を彫るのにあのナイフで掘れる?」
『彫刻刀という掘る道具があるわよ。一本ぐらい買ったら?』
そういうのがあるのか。だったら買うかな。ここに売っているだろうか? って、あった。ハンドメイドにも。持ち手が木で耳がついていて動物の顔になっている。
僕が使っていたら変かな? 可愛すぎる。
「あ、そうだ。ねえ、こういうのも自分で作れないかな?」
『そうねぇ。大量に作るのなら職人さんに刃だけお願いって出来るかもだけど……。鉱石でも探す? それを錬金して刃として使うのも可能だけど』
「あ、それいいかも!」
『でも二人は置いて行くわよ。それでもいい?』
「うん。いいよ。今度はちゃんと待っていてくれると思う」
森に来て怖い目に遭っているからね。
「あ、そうだ。ヤスリ……」
『それもオリジナルで作る?』
「ラスは凄いや」
少し照れている様子だけど嬉しそうにほほ笑んだ。
『では、出かけましょう。ついでだから依頼も受けていったら?』
「あぁ、なるほど」
それがいいかも。自分で錬金も出来る様になればいいんだけど。ルイテットさんも作っていたもんね。
「ねえ、これ買っていい?」
レンカが持って来たのは、ペンと紙だ。
「あのね、デザインするの!」
サツナが言った。
「うん。まあ、自分のお金で買うならね」
「やったぁ」
「紅葉描くぅ!」
とサツナが嬉しそうに言った。
デザインではなくて、お絵かきではと思ったけど自分で買うならいいかな。
「毎度アリ」
二人共嬉しそうだ。うん? あれ? 僕に見せた以外の物も手に持っている。
「何を買ったの?」
「色を塗れるペンだよ!」
「え? 色を塗れるペン!? 凄いね」
施設では見た事ないよ。ぼ、僕も使ってみたいかも。
レンカがお店の人にチラシを渡す。
朝食を食べて、雑貨屋に来た。
「おやもう配り歩いているのかい。わかった張っておくよ」
「ねえ、お兄ちゃん、見て来ていい?」
「うん」
「おや、兄弟で冒険して歩いているのか」
本当の兄弟ではないけどね。
「あの、ハンドメイドなんですけど、売れ筋ってどんなのですか?」
「うん? ハンドメイド? あ、あの子達にプレゼントかい?」
「そうじゃなくて、作ってみようかなって。あ、材料は木材なんですけど」
「おや、そうかい。そうだね。小物入れやクシかねぇ。ちょっとしたアクセントの模様があるのが人気だよ」
「模様かぁ……」
「こっちにあるから見てみるといいよ」
ハンドメイドコーナーに連れて行ってくれた。
色んな物が置いてある。木材で作った物は他に、ペンダントやスプーンなどもあった。そのどれにも模様が掘られている。
何か掘った方がいいのか。
「ねえ、ラス。木を彫るのにあのナイフで掘れる?」
『彫刻刀という掘る道具があるわよ。一本ぐらい買ったら?』
そういうのがあるのか。だったら買うかな。ここに売っているだろうか? って、あった。ハンドメイドにも。持ち手が木で耳がついていて動物の顔になっている。
僕が使っていたら変かな? 可愛すぎる。
「あ、そうだ。ねえ、こういうのも自分で作れないかな?」
『そうねぇ。大量に作るのなら職人さんに刃だけお願いって出来るかもだけど……。鉱石でも探す? それを錬金して刃として使うのも可能だけど』
「あ、それいいかも!」
『でも二人は置いて行くわよ。それでもいい?』
「うん。いいよ。今度はちゃんと待っていてくれると思う」
森に来て怖い目に遭っているからね。
「あ、そうだ。ヤスリ……」
『それもオリジナルで作る?』
「ラスは凄いや」
少し照れている様子だけど嬉しそうにほほ笑んだ。
『では、出かけましょう。ついでだから依頼も受けていったら?』
「あぁ、なるほど」
それがいいかも。自分で錬金も出来る様になればいいんだけど。ルイテットさんも作っていたもんね。
「ねえ、これ買っていい?」
レンカが持って来たのは、ペンと紙だ。
「あのね、デザインするの!」
サツナが言った。
「うん。まあ、自分のお金で買うならね」
「やったぁ」
「紅葉描くぅ!」
とサツナが嬉しそうに言った。
デザインではなくて、お絵かきではと思ったけど自分で買うならいいかな。
「毎度アリ」
二人共嬉しそうだ。うん? あれ? 僕に見せた以外の物も手に持っている。
「何を買ったの?」
「色を塗れるペンだよ!」
「え? 色を塗れるペン!? 凄いね」
施設では見た事ないよ。ぼ、僕も使ってみたいかも。
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