【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)

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 「あの、祝賀会のチラシ張ってもらえませんか」

 レンカがお店の人にチラシを渡す。
 朝食を食べて、雑貨屋に来た。

 「おやもう配り歩いているのかい。わかった張っておくよ」

 「ねえ、お兄ちゃん、見て来ていい?」

 「うん」

 「おや、兄弟で冒険して歩いているのか」

 本当の兄弟ではないけどね。

 「あの、ハンドメイドなんですけど、売れ筋ってどんなのですか?」

 「うん? ハンドメイド? あ、あの子達にプレゼントかい?」

 「そうじゃなくて、作ってみようかなって。あ、材料は木材なんですけど」

 「おや、そうかい。そうだね。小物入れやクシかねぇ。ちょっとしたアクセントの模様があるのが人気だよ」

 「模様かぁ……」

 「こっちにあるから見てみるといいよ」

 ハンドメイドコーナーに連れて行ってくれた。
 色んな物が置いてある。木材で作った物は他に、ペンダントやスプーンなどもあった。そのどれにも模様が掘られている。
 何か掘った方がいいのか。

 「ねえ、ラス。木を彫るのにあのナイフで掘れる?」

 『彫刻刀という掘る道具があるわよ。一本ぐらい買ったら?』

 そういうのがあるのか。だったら買うかな。ここに売っているだろうか? って、あった。ハンドメイドにも。持ち手が木で耳がついていて動物の顔になっている。
 僕が使っていたら変かな? 可愛すぎる。

 「あ、そうだ。ねえ、こういうのも自分で作れないかな?」

 『そうねぇ。大量に作るのなら職人さんに刃だけお願いって出来るかもだけど……。鉱石でも探す? それを錬金して刃として使うのも可能だけど』

 「あ、それいいかも!」

 『でも二人は置いて行くわよ。それでもいい?』

 「うん。いいよ。今度はちゃんと待っていてくれると思う」

 森に来て怖い目に遭っているからね。

 「あ、そうだ。ヤスリ……」

 『それもオリジナルで作る?』

 「ラスは凄いや」

 少し照れている様子だけど嬉しそうにほほ笑んだ。

 『では、出かけましょう。ついでだから依頼も受けていったら?』

 「あぁ、なるほど」

 それがいいかも。自分で錬金も出来る様になればいいんだけど。ルイテットさんも作っていたもんね。

 「ねえ、これ買っていい?」

 レンカが持って来たのは、ペンと紙だ。

 「あのね、デザインするの!」

 サツナが言った。

 「うん。まあ、自分のお金で買うならね」

 「やったぁ」

 「紅葉描くぅ!」

 とサツナが嬉しそうに言った。
 デザインではなくて、お絵かきではと思ったけど自分で買うならいいかな。

 「毎度アリ」

 二人共嬉しそうだ。うん? あれ? 僕に見せた以外の物も手に持っている。

 「何を買ったの?」

 「色を塗れるペンだよ!」

 「え? 色を塗れるペン!? 凄いね」

 施設では見た事ないよ。ぼ、僕も使ってみたいかも。
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