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二人を宿に残し僕は一人、錬金術師協会へと馬車で向かった。街が広すぎて馬車で移動しないと着くのが夜になるかもしれないからね。
僕が見た建物で大きさがナンバーワンが更新された。
錬金術師協会の建物は、商業協会より大きかった。しかも囲いがあるんだよね。それで門番までいる。凄い。
「あの、中に入ってもいいですか?」
「うん? 依頼か? 依頼なら冒険者協会で受け付けている。そっちに……」
「あ、いえ。そうではなくて、錬金術師になりたくて」
そう返すと、ジロッと見られニヤッと口元を上げている。僕でもわかる『お前じゃ無理だ』そう思ったんだ。
「それも冒険者協会で出来るようになっている。そちらでお願いします」
「え! わかりました。ありがとうございます」
「あ、一番近いのは、隣の建物な」
と左を指さすので、くるっと顔を向けると遥か向こうに見えた。錬金術師協会の敷地広すぎない? 10分は歩かないと着かない隣って……。
「ありがとうございます。行ってみます」
そういえば、一番近いってここって複数あるんだ。どっちにしても冒険者協会にもいかなくちゃいけなかったからちょうどよかった。
『あなたが生まれ育った村とは大違いね。凄く広いわ』
「うん。なんか同じ国だとは思えないね」
歩く事10分、冒険者協会についた。ここも大きな建物だ。
建物の中に入ると、広いけど冒険者もいっぱいだ。
さて、どこに行けばいいんだろう?
えーと、Eランクの受付は……あった。
よくわかんないけどすいている。
「あのすみません」
そして、カウンターに係りの人がいない!?
「おや珍しい」
珍しい!?
「仕事かね」
「あ、えーと、クラウンラスです。この街に滞在します」
「あぁ。それをいいにここまで? 街の端にある4か所のどれかでよかったんだよ」
「え!?」
そんなにこの街に冒険者協会があったなんて。
「あ、それと錬金術師になりたくて。登録とかもこちらで出来るって聞いたんですけど」
「錬金術師? 誰かに習ったのか?」
「あ、いえ。あ、そうだ。このふろしきみたいのを作れます」
袋を包んで持って来たふろしきをカウンターに乗せた。係りの人はそれを手に取った。
「これはどんな効果が?」
「重量半減の効果がついています」
「ほう。それを君が作ったと。鑑定してもよろしいか?」
「どうぞ」
ふろしきを持って中へと入って行った。
僕は暇だし何気なく辺りを見渡すと、ちらちらと僕を見ている人達がいる。
うん? なんで?
「え? 目立ってる?」
『どうやらこのランクでこの建物に来る人はあまりいないみたいね』
「え?」
よく見れば、FもDもカウンターはあるものの受付の人も居なければ、訪ねて来ている冒険者もいない。
もしかして、この建物にいるEランクの冒険者って僕だけ? もっと言うと、Dランク以下なのって僕一人?
そんな事で目立つとは思わなかった……。
次からは、街の端に行こう。
「お待たせした。確かに製作者もあなたになっていた。これが用紙だ。これに記入して冒険者協会に持って来て下さい。あ、ここでなくても大丈夫です」
「はい。わかりました。ありがとうございます」
僕は用紙を受け取り、そそくさとその場と立ち去った。
僕が見た建物で大きさがナンバーワンが更新された。
錬金術師協会の建物は、商業協会より大きかった。しかも囲いがあるんだよね。それで門番までいる。凄い。
「あの、中に入ってもいいですか?」
「うん? 依頼か? 依頼なら冒険者協会で受け付けている。そっちに……」
「あ、いえ。そうではなくて、錬金術師になりたくて」
そう返すと、ジロッと見られニヤッと口元を上げている。僕でもわかる『お前じゃ無理だ』そう思ったんだ。
「それも冒険者協会で出来るようになっている。そちらでお願いします」
「え! わかりました。ありがとうございます」
「あ、一番近いのは、隣の建物な」
と左を指さすので、くるっと顔を向けると遥か向こうに見えた。錬金術師協会の敷地広すぎない? 10分は歩かないと着かない隣って……。
「ありがとうございます。行ってみます」
そういえば、一番近いってここって複数あるんだ。どっちにしても冒険者協会にもいかなくちゃいけなかったからちょうどよかった。
『あなたが生まれ育った村とは大違いね。凄く広いわ』
「うん。なんか同じ国だとは思えないね」
歩く事10分、冒険者協会についた。ここも大きな建物だ。
建物の中に入ると、広いけど冒険者もいっぱいだ。
さて、どこに行けばいいんだろう?
えーと、Eランクの受付は……あった。
よくわかんないけどすいている。
「あのすみません」
そして、カウンターに係りの人がいない!?
「おや珍しい」
珍しい!?
「仕事かね」
「あ、えーと、クラウンラスです。この街に滞在します」
「あぁ。それをいいにここまで? 街の端にある4か所のどれかでよかったんだよ」
「え!?」
そんなにこの街に冒険者協会があったなんて。
「あ、それと錬金術師になりたくて。登録とかもこちらで出来るって聞いたんですけど」
「錬金術師? 誰かに習ったのか?」
「あ、いえ。あ、そうだ。このふろしきみたいのを作れます」
袋を包んで持って来たふろしきをカウンターに乗せた。係りの人はそれを手に取った。
「これはどんな効果が?」
「重量半減の効果がついています」
「ほう。それを君が作ったと。鑑定してもよろしいか?」
「どうぞ」
ふろしきを持って中へと入って行った。
僕は暇だし何気なく辺りを見渡すと、ちらちらと僕を見ている人達がいる。
うん? なんで?
「え? 目立ってる?」
『どうやらこのランクでこの建物に来る人はあまりいないみたいね』
「え?」
よく見れば、FもDもカウンターはあるものの受付の人も居なければ、訪ねて来ている冒険者もいない。
もしかして、この建物にいるEランクの冒険者って僕だけ? もっと言うと、Dランク以下なのって僕一人?
そんな事で目立つとは思わなかった……。
次からは、街の端に行こう。
「お待たせした。確かに製作者もあなたになっていた。これが用紙だ。これに記入して冒険者協会に持って来て下さい。あ、ここでなくても大丈夫です」
「はい。わかりました。ありがとうございます」
僕は用紙を受け取り、そそくさとその場と立ち去った。
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