【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

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第21話

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 「8歳だから婚約しなくちゃって焦ったのではなく、優秀な令嬢がいなくなっちゃうと焦ったって事。私が8歳になったころには、優秀な令嬢が彼女しかいなかったのだろうね」
 「なるほど……」

 5歳差なら年下にすればいいのに。でも5歳差なら3つか。うーむ。ありなのか、なしなのか、わからん。

 「何を悩んでいるの?」
 「え?」
 「いや、難しそうな顔をしていたからさ」
 「あ……3歳と8歳の婚約ってありなのかなって」
 「何それ……」

 また笑われた。

 「ごめんごめん。そんな事を悩むなんて思わなかったから。普通は、魔力測定を行った子が対象になるみたいだよ。だから3歳はないかもね」
 「そ、そうだね」

 真面目に答えてくれるのね。

 「色々あって、気づけば俺は8歳。その時彼女は13歳で、来年には貴族学校へ行く。だから焦ったみたいだよ」
 「どうして? 貴族学校に行っている者とは婚約できないの?」
 「そんな事はないよ。ただ婚約していない者は、そこで結婚相手を探すらしい。貴族学園に行く前に結婚相手が決まっているのは、侯爵家以上の者とその者の婚約者ぐらいだよ」

 やっと合点がいった。お父様が貴族学園へ行けと言った意味がわかった。結婚相手を探す為だったのね。

 「ちょっと難しかったかな?」
 「いいえ! わかりやすかったです。でもなぜ婚約破棄……じゃなかった解消になったのでしょうね。あ、ごめんなさい。私が聞いて言い話ではなかったですよね」
 「いやいいよ。巻き込んじゃったし。まず本人は絶対に嫌だったと思うよ。年下だからとかではなく、21歳まで待つのを。1年ぐらいならいいが、ハッキリ言って不安しかなかったと思う。私が魔法学園に入学したし、彼女が貴族学校を卒業後に捨てられたら目も当てられない」
 「侯爵家からお願いしたのにそんな事しないでしょう?」

 レオンス様は頷く。

 「ただ婚約時も何とか回避しようとはしたと思うよ。21歳まで待たされるなんて普通はないからね。それにお金さえ払えば、解消できるからね」
 「そうなるかもって事? それで不安になって……」
 「うーん。それもあるけど、好きな人が出来たみたい。親としても21歳まで結婚出来ないのはって……私もそう思うから、両親にそうして上げてって言ったんだ」
 「優しいのですね」
 「そんなんじゃないよ。こうなったのは自業自得だからね」
 「そ、そんな事はないと思うけど……」

 子供が魔法博士になると言っただけで、婚約者が見つからないって事はないと思う。彼は、侯爵家の跡取りなのだから。

 「彼女達には、私から言っておくよ。君のせいじゃないよって」
 「あ、はい。ありがとうございます」

 まあもう少し大人になれば、気づくと思うけどね。

 「でもレオンス様は、これから大変ですね。侯爵家ならそれなりの人でないとダメだろうし……」
 「うーん。本当は結婚しなくてもいいんだけどね。そうもいかないみただけど。まあ、いざとなれば……」
 「え! 私も! 貴族学園に行きなさいと言われているけど、結婚する気ないの」
 「なるほど。それで魔法博士になろうと思ったのか」
 「うん。まあ……ケーキも食べたいし」
 「ケーキ? あ、もしかして、集まりでエメリックに目もくれずケーキを食べに行く令嬢って君の事?」
 「え! そんな事も話しているのですか」

 恥ずかしい。もうエメリック様、やめてよね。

 「そう言えば、いつもティータイムでクッキー類ではなくケーキを食べているよね」
 「ううう。だって、今だけですよ。あそこにいる間しか食べられないもの」
 「そうとう好きなんだね」
 「うん。それだけは貴族でよかったと思ってる」
 「私も魔法博士になれるから貴族でよかった思うよ」

 そんなに魔法博士になりたかったのか。

 「貴族学校に行っても魔法を習えるって言っていたけど、魔法博士にこだわるんだね」
 「習うといっても魔法を普通に使っていいという訳じゃないからね。私は、使になりたかったんだ。夢だったんだよね」

 え? 魔法使い? そんな言い方する人、生まれて初めて聞いたわ。

 「親を納得させるの大変だったなぁ。まあ婚約が解消になって、肩の荷が下りたよ」
 「それ子供が言うセリフではないです」
 「そういう突っ込みを子供はしない」

 「「……っぷ」」

 二人して、噴出して笑い合う。
 私達、感覚が似ている気がする。

 「あははは……久しぶりにこんなに笑ったよ。君といると肩の力が抜ける」
 「そんなセリフも子供はいいません」
 「くふふふ。だよね。これで君も気にせずに私に話しかけられるね」
 「え……」
 「婚約者がいるのに話しかけるな、みたいな事を言われていたんでしょ?」
 「わかっていたんだ……」
 「まあね。そんな事言って謝られたし」

 そう言えば言ったかも。

 「そう言えば、学年末試験大丈夫そうかい」
 「はい。皆を驚かそうと思います」
 「へえ。それは楽しみだ。でも、魔法の歴史を見てから挑んだ方がいいよ。私からのアドバイス」

 魔法の歴史? そんなのもう読んだけどなぁ。
 私はそう思いつつ、頷くのだった。

 ――◆――◆――◆――

 まさかのチャンス到来。
 彼女には悪いけど、これが一番いい策だ。気も会うし。
 ここは、リサさんにひと肌脱いでもらおうかな。
 はぁ。子供って無力だ。早く大人になりたい……。

 俺のアドバイスの意味を気づいてくれるといいけど。うん。彼女なら大丈夫だろう。
 しかし、彼女はどの3属性を使えるのだろうか。いつか聞いてみるかな。
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