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第26話
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「レオンス様に弟が居るとは知らなかったわ」
流れる風景を見つつ私は言った。
「双子の弟だけどね」
「え? 双子?」
二卵性の双子って事よね。二人はそっくりではなかった。アマート様は、タカビーダ侯爵夫人に似ていなかったからタカビーダ侯爵似なのね。
レオンス様がお継ぎになると言っていたわよね。だとすれば、レオンス様が魔法博士になるとなれば、アマート様が当主になる。そう世間が思ってしまったって事よね。
でもタカビーダ侯爵は、レオンス様に継いで欲しいと思っていると……。
あれ、そう言えば早退してきたと言っていたけど、学園に通っている?
魔法学園には、彼はいない。そもそも今日は、魔法学園はお休みだ。
では初等科の学園に通っているの? 侯爵家なのに? 普通家庭教師を付けるので行かないのではないの?
「アマート様は、学園に通っていらっしゃるの?」
「レオンスが魔法学園にに通っているからアマートには、初等科に通わせる事にしたって聞いたよ」
「それって普通なの?」
「うーん。普通は家庭教師を付けるかな。たぶん通っているは、伯爵家以下の子供だと思う」
だよね。家督を継がないとは言え、どうして通わせているのかしらね。魔法学園に行っている間は、家庭教師がつかないからかしら。レオンス様に合わせたって事?
って、他の家庭の事情を考えたって仕方ないか。私に関係ないし。
そう思っていたのだけど、驚く展開になった。
◇
緊張気味のお父様にリサおばあ様、それに私が並んで座り、向かい側になんと、タカビーダ侯爵ご夫妻とレオンス様が座っている。
真面目な顔をしていたレオンス様が、私と目が合うとニコリとほほ笑む。私は、ぎこちない笑顔を返すのが精いっぱいだ。
どうやらこれは、お見合いらしい。いや婚約する為の顔合わせ。どうなってるの!?
「婚約が解消になったばかりなので、少し時間を置きたい」
「では、内々と言う事で。ファビアが貴族学園に通うタイミングで、私の養子にします」
うん? 待って、今なんて言いましたか。リサおばあ様?
――今日、タカビーダ侯爵家の方がいらっしゃると言われて正装させられたと思ったら、驚く事にお父様がココドーネ侯爵家に現れて更に驚いていら、倒れそうな事をお父様から聞かされた。
「婚約するそうだ」
――と。
一体だれが? マリーが? と思ったけど、私が正装させられていて、マリーは来ていない。お父様は迎えに来たのではない様子。
「まさか。私とレオンス様?」
「……いや相手は、タカビーダ侯爵家としか……どういう事だ。侯爵家だなんて」
「私に聞かれてもわかりません!」
私の独身貴族計画が! 侯爵家が相手だと断れないじゃない。
というか、トチ狂ったか。もうこの際、誰でもよくなったの?
聞きたいけど、リサおばあさまは着替え中だし。
ローレットはいないし。
そうこうしている間に、レオンス様達が訪ねて来て、ただいま対面中。
どうやら、この前タカビーダ侯爵家へ伺ったのは、私の事を見てもらう為だったようだ。
一応、お眼鏡に叶ったって事でしょうかね。
レオンス様は、私でいいのだろうか。結婚する気ないって言っていたのにな。
「手続きをするだけとなったから、二人で少し庭でも歩いておいで」
って、サラッと言わないでよ、リサおばあ様。
「では、行こうか」
「は、はい……」
立ち上がったレオンス様の後について部屋を出て、そのまま庭園へと向かう。
「あの……」
「説明は、学園でするよ」
「……はい」
一緒にレオンス様の護衛とローレットがついて来ている。普通に会話すると聞こえる距離だ。
聞かせられない話なのかな。一体どうなっているのか早く知りたいのだけど!
「悪い話ではないでしょ?」
「え……」
「結婚したくないと思っても貴族ならしなくてはいけない」
そうかもしれないけど。相談ぐらいしてくれもいいんじゃないかな? って、貴族の婚約ってこんなもんなのだろうか。
結局それ以上聞けないまま、レオンス様達は帰って行った。
「リサおばあ様。これはどういう事なのでしょうか」
「悪い話ではないでしょう。相手は侯爵家だ。普通ならあり得ない」
って、レオンス様と同じ様なセリフ言ってるし。
「そ、そういう事ではなく、どうしてこうなったのでしょうかという事ですわ」
少し困り顔でリサおばあ様は私を見た。
「嫌だったかい?」
「嫌……ではないですが」
生涯結婚しないつもりでしたとは言えない。けど、相手がレオンス様なら嫌ではないかなとは思うけどさぁ!
「貴族は、好き合った同士が結婚する事の方が珍しい。どちらかが好いていて結婚できるのもね。だから婚約中に、愛をはぐくむ。余程無理なら解消するが、私は彼ならファビアを任せられると思っているよ」
「侯爵家の子息だからですか?」
違うとリサおばあ様は、首を横に振る。
「レオンスだからですよ。彼は賢い。まあ少し変わっているところもあるが、二人は気が合っている気がしてね。彼からファビアと結婚したいから協力して欲しいとお願いされたから、協力する事にしたのさ。経緯は自分で話すと言っていたから、聞くといい」
何ですと! レオンス様からの申し出だったの?
私のどこをそこまで気に入ったのよ。
そういえば学園でって言っていたけど、小休み中じゃないの!
聞けるの一週間後なのだけど……。
流れる風景を見つつ私は言った。
「双子の弟だけどね」
「え? 双子?」
二卵性の双子って事よね。二人はそっくりではなかった。アマート様は、タカビーダ侯爵夫人に似ていなかったからタカビーダ侯爵似なのね。
レオンス様がお継ぎになると言っていたわよね。だとすれば、レオンス様が魔法博士になるとなれば、アマート様が当主になる。そう世間が思ってしまったって事よね。
でもタカビーダ侯爵は、レオンス様に継いで欲しいと思っていると……。
あれ、そう言えば早退してきたと言っていたけど、学園に通っている?
魔法学園には、彼はいない。そもそも今日は、魔法学園はお休みだ。
では初等科の学園に通っているの? 侯爵家なのに? 普通家庭教師を付けるので行かないのではないの?
「アマート様は、学園に通っていらっしゃるの?」
「レオンスが魔法学園にに通っているからアマートには、初等科に通わせる事にしたって聞いたよ」
「それって普通なの?」
「うーん。普通は家庭教師を付けるかな。たぶん通っているは、伯爵家以下の子供だと思う」
だよね。家督を継がないとは言え、どうして通わせているのかしらね。魔法学園に行っている間は、家庭教師がつかないからかしら。レオンス様に合わせたって事?
って、他の家庭の事情を考えたって仕方ないか。私に関係ないし。
そう思っていたのだけど、驚く展開になった。
◇
緊張気味のお父様にリサおばあ様、それに私が並んで座り、向かい側になんと、タカビーダ侯爵ご夫妻とレオンス様が座っている。
真面目な顔をしていたレオンス様が、私と目が合うとニコリとほほ笑む。私は、ぎこちない笑顔を返すのが精いっぱいだ。
どうやらこれは、お見合いらしい。いや婚約する為の顔合わせ。どうなってるの!?
「婚約が解消になったばかりなので、少し時間を置きたい」
「では、内々と言う事で。ファビアが貴族学園に通うタイミングで、私の養子にします」
うん? 待って、今なんて言いましたか。リサおばあ様?
――今日、タカビーダ侯爵家の方がいらっしゃると言われて正装させられたと思ったら、驚く事にお父様がココドーネ侯爵家に現れて更に驚いていら、倒れそうな事をお父様から聞かされた。
「婚約するそうだ」
――と。
一体だれが? マリーが? と思ったけど、私が正装させられていて、マリーは来ていない。お父様は迎えに来たのではない様子。
「まさか。私とレオンス様?」
「……いや相手は、タカビーダ侯爵家としか……どういう事だ。侯爵家だなんて」
「私に聞かれてもわかりません!」
私の独身貴族計画が! 侯爵家が相手だと断れないじゃない。
というか、トチ狂ったか。もうこの際、誰でもよくなったの?
聞きたいけど、リサおばあさまは着替え中だし。
ローレットはいないし。
そうこうしている間に、レオンス様達が訪ねて来て、ただいま対面中。
どうやら、この前タカビーダ侯爵家へ伺ったのは、私の事を見てもらう為だったようだ。
一応、お眼鏡に叶ったって事でしょうかね。
レオンス様は、私でいいのだろうか。結婚する気ないって言っていたのにな。
「手続きをするだけとなったから、二人で少し庭でも歩いておいで」
って、サラッと言わないでよ、リサおばあ様。
「では、行こうか」
「は、はい……」
立ち上がったレオンス様の後について部屋を出て、そのまま庭園へと向かう。
「あの……」
「説明は、学園でするよ」
「……はい」
一緒にレオンス様の護衛とローレットがついて来ている。普通に会話すると聞こえる距離だ。
聞かせられない話なのかな。一体どうなっているのか早く知りたいのだけど!
「悪い話ではないでしょ?」
「え……」
「結婚したくないと思っても貴族ならしなくてはいけない」
そうかもしれないけど。相談ぐらいしてくれもいいんじゃないかな? って、貴族の婚約ってこんなもんなのだろうか。
結局それ以上聞けないまま、レオンス様達は帰って行った。
「リサおばあ様。これはどういう事なのでしょうか」
「悪い話ではないでしょう。相手は侯爵家だ。普通ならあり得ない」
って、レオンス様と同じ様なセリフ言ってるし。
「そ、そういう事ではなく、どうしてこうなったのでしょうかという事ですわ」
少し困り顔でリサおばあ様は私を見た。
「嫌だったかい?」
「嫌……ではないですが」
生涯結婚しないつもりでしたとは言えない。けど、相手がレオンス様なら嫌ではないかなとは思うけどさぁ!
「貴族は、好き合った同士が結婚する事の方が珍しい。どちらかが好いていて結婚できるのもね。だから婚約中に、愛をはぐくむ。余程無理なら解消するが、私は彼ならファビアを任せられると思っているよ」
「侯爵家の子息だからですか?」
違うとリサおばあ様は、首を横に振る。
「レオンスだからですよ。彼は賢い。まあ少し変わっているところもあるが、二人は気が合っている気がしてね。彼からファビアと結婚したいから協力して欲しいとお願いされたから、協力する事にしたのさ。経緯は自分で話すと言っていたから、聞くといい」
何ですと! レオンス様からの申し出だったの?
私のどこをそこまで気に入ったのよ。
そういえば学園でって言っていたけど、小休み中じゃないの!
聞けるの一週間後なのだけど……。
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