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第47話
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「あぁ、そうだ。いいモノがあるんだ」
そう言うと、バビット殿下が立ち上がった。彼を目で追っていると、ある箱の前に立ちその蓋を開けた。
あれは、この世界の冷蔵庫じゃない!
高級品である魔法アイテム。だから侯爵家以上の家庭にしかない品物。
それがここにあるなんて。流石王族が使用する部屋だけあるわ。
何を取り出すかと見ていれば、ケーキじゃないの!
ワンピースずつだけど二種類ある。
それを手に、バビット殿下は戻って来た。
「どうぞ。好物だと聞いたので。二つとも食べていいよ。ワイロね」
と言って、私の前に置いたのだけど!
そんなに魔法の話を聞きたいのかしらね。
「チョコレートケーキは知っているよね。こっちのケーキは、コーヒーケーキなんだ。我が国の特産品」
「あ、ありがとうございます!」
これって二度おいしいって事になるのかしら?
タカビーダ侯爵家でも、今日はケーキを食べられるし。
「それで、魔法学園ってどんな感じ?」
「どんなって。そうね。結構殺伐としていたわ」
まずは、チョコレートケーキを一口頂く。
それを飲み込むまでじーっと私を見つめ待つ。
わぁ。食べづらいわ。
「この学園とは違って、貴族様って感じではなかったわ。集団行動はほぼなくて、イベントもなし」
「なるほど。本気で魔法を学ぶ場所なんだね。いいなぁ」
目をキラキラして聞くベビット殿下は、子供の瞳ね。年相応に見えるわ。
なんて油断してはいけなかった。
でもこの時は、私は何も疑いなく話をしていたのよね。
――◆――◆――◆――
やっぱりおかしい。計った様にガムン公爵がいる時に成功させた。そう成功させたんだ。
ベビット殿下もフロール嬢も本当は十分以上できるはずだ!
「今日は、自習!」
俺は立ち上がり、トリカリト先生が何か言っているが構わずに、教室を出た。
どこにいるファビア!
「レオンス様!」
呼ばれ振り向くと、そこにはにっこり微笑むフロール嬢が立っている。
「悪いが、お前に構っている暇はない」
「そう言わずに、少しだけお付き合い頂けないかしら? そうすれば二人がいる場所をお教えしますけど」
「これはお前の策略か?」
「さあどうでしょう。どうします?」
「いいだろう」
「ではこちらへ」
彼女がガムン公爵にお願いして、ベビット殿下まで抱き込んだのか?
彼女が話す場所に選んだのは、生徒会室だった。
「どうして、君がカギを持っている?」
「さあ。どうしてでしょうね」
ドアを閉めるとしっかりとカギを閉めた。
「で、話とは?」
「私と手を組まない?」
「どういう意味だ?」
「私の事を調べたのでしょう?」
俺と手を組んで何をしたいんだ?
俺を好きなフリをしていたのはその為か。ガムン公爵を動かしているのに、それより権力が劣る俺と組むと言うのか。
「父親であるガムン公爵の方が今回の様な策を実行できると思うが?」
「そう。わかったわ」
うん? 随分とあっさりだな。
「あなたが、この世界を知らない転生者だって事が」
転生者だと。
何となくそんな気もしていたが、まさか本当にそうだったとはな。
「お前もだろう。でこの世界ってなんだよ」
「乙女ゲームって知ってる? ここその世界なの。だから私、あなたの……いいえ。タカビーダ侯爵家の秘密を知っているのよ」
「………」
乙女ゲームだと。
やった事はないが、乙女ゲームに転生するアニメは見た事がある。
知っている知識を使い、上手い事自分の思い通りに事を運ぶ話だ。それをこいつはやっていると。
「私ね、これでもヒロインなの。そして攻略者全員の弱みを知っているのよ」
「あぁ、そうかよ」
「初めは、ファビア嬢が転生者かと思ったのだけど、ヒロインの座を奪うつもりもないようだし、あなたが転生者で魔法学園に行った事により、彼女と婚約する事になって、彼女が割り込んできたようね」
「まあ、そうだな」
乙女ゲームでは、俺は魔法学園に行ってないって事か。
まあそうだよな。両親が行かせるはずがない。本来ならな。
「そこで取引よ。損はさせないわ。私は、公爵家の娘。彼女より上よ」
「悪いけど、俺一度、婚約解消しているし、俺から婚約を申し込んだし、婚約式もしているから婚約解消は無理だ」
「そう。では、婚約破棄は?」
そう言うとフロール嬢は、一歩俺に近づいてくる。
「あなたが私をここに誘い、襲った。そういう筋書きはどうかしら?」
「ガキには興味はない」
「あらあの子より発育はいいと思うけど? そうね。では、殿下のオイタという事にしましょうか。その方が確実でしょう。晴れてあなたは自由の身」
「なんだって!! お前! 言え! あいつはどこにいる!」
冗談じゃない! あんな奴にファビアをやれるかよ!
「あら? そんなに彼女が大事? 私にしたほうがいいと思うわよ。バックにガムン公爵が付くわよ」
「別に権力が欲しくて、ファビアを選んだのではない!」
「私達の未来を奪ったくせに。――へえ。彼女を好きなわけ? もしかしてあなた、ロリ?」
「はぁ?」
ロリじゃない!
あいつは見た目は、幼く見えるけど中身は大人だ。こいつと同じ転生者だけど、こいつなんてごめんだ!
ファビアは、大人なはずなのに無邪気でケーキが大好きで、お人好しで……守ってやりたい相手。
「そうだな。ファビアじゃなくてはダメなんだ……」
この頃のイライラの原因はこれか。
仲良くするベビット殿下に嫉妬していたのか俺は。
「どんなことがあっても、ファビアと結婚する!」
「じゃ、これあげる。これがどこのかは自分で探して」
右手に持って掲げているのは、カギだった。
それってまさか――。
俺は、彼女からカギを奪い取った。
無事でいてくれ、ファビア!
そう言うと、バビット殿下が立ち上がった。彼を目で追っていると、ある箱の前に立ちその蓋を開けた。
あれは、この世界の冷蔵庫じゃない!
高級品である魔法アイテム。だから侯爵家以上の家庭にしかない品物。
それがここにあるなんて。流石王族が使用する部屋だけあるわ。
何を取り出すかと見ていれば、ケーキじゃないの!
ワンピースずつだけど二種類ある。
それを手に、バビット殿下は戻って来た。
「どうぞ。好物だと聞いたので。二つとも食べていいよ。ワイロね」
と言って、私の前に置いたのだけど!
そんなに魔法の話を聞きたいのかしらね。
「チョコレートケーキは知っているよね。こっちのケーキは、コーヒーケーキなんだ。我が国の特産品」
「あ、ありがとうございます!」
これって二度おいしいって事になるのかしら?
タカビーダ侯爵家でも、今日はケーキを食べられるし。
「それで、魔法学園ってどんな感じ?」
「どんなって。そうね。結構殺伐としていたわ」
まずは、チョコレートケーキを一口頂く。
それを飲み込むまでじーっと私を見つめ待つ。
わぁ。食べづらいわ。
「この学園とは違って、貴族様って感じではなかったわ。集団行動はほぼなくて、イベントもなし」
「なるほど。本気で魔法を学ぶ場所なんだね。いいなぁ」
目をキラキラして聞くベビット殿下は、子供の瞳ね。年相応に見えるわ。
なんて油断してはいけなかった。
でもこの時は、私は何も疑いなく話をしていたのよね。
――◆――◆――◆――
やっぱりおかしい。計った様にガムン公爵がいる時に成功させた。そう成功させたんだ。
ベビット殿下もフロール嬢も本当は十分以上できるはずだ!
「今日は、自習!」
俺は立ち上がり、トリカリト先生が何か言っているが構わずに、教室を出た。
どこにいるファビア!
「レオンス様!」
呼ばれ振り向くと、そこにはにっこり微笑むフロール嬢が立っている。
「悪いが、お前に構っている暇はない」
「そう言わずに、少しだけお付き合い頂けないかしら? そうすれば二人がいる場所をお教えしますけど」
「これはお前の策略か?」
「さあどうでしょう。どうします?」
「いいだろう」
「ではこちらへ」
彼女がガムン公爵にお願いして、ベビット殿下まで抱き込んだのか?
彼女が話す場所に選んだのは、生徒会室だった。
「どうして、君がカギを持っている?」
「さあ。どうしてでしょうね」
ドアを閉めるとしっかりとカギを閉めた。
「で、話とは?」
「私と手を組まない?」
「どういう意味だ?」
「私の事を調べたのでしょう?」
俺と手を組んで何をしたいんだ?
俺を好きなフリをしていたのはその為か。ガムン公爵を動かしているのに、それより権力が劣る俺と組むと言うのか。
「父親であるガムン公爵の方が今回の様な策を実行できると思うが?」
「そう。わかったわ」
うん? 随分とあっさりだな。
「あなたが、この世界を知らない転生者だって事が」
転生者だと。
何となくそんな気もしていたが、まさか本当にそうだったとはな。
「お前もだろう。でこの世界ってなんだよ」
「乙女ゲームって知ってる? ここその世界なの。だから私、あなたの……いいえ。タカビーダ侯爵家の秘密を知っているのよ」
「………」
乙女ゲームだと。
やった事はないが、乙女ゲームに転生するアニメは見た事がある。
知っている知識を使い、上手い事自分の思い通りに事を運ぶ話だ。それをこいつはやっていると。
「私ね、これでもヒロインなの。そして攻略者全員の弱みを知っているのよ」
「あぁ、そうかよ」
「初めは、ファビア嬢が転生者かと思ったのだけど、ヒロインの座を奪うつもりもないようだし、あなたが転生者で魔法学園に行った事により、彼女と婚約する事になって、彼女が割り込んできたようね」
「まあ、そうだな」
乙女ゲームでは、俺は魔法学園に行ってないって事か。
まあそうだよな。両親が行かせるはずがない。本来ならな。
「そこで取引よ。損はさせないわ。私は、公爵家の娘。彼女より上よ」
「悪いけど、俺一度、婚約解消しているし、俺から婚約を申し込んだし、婚約式もしているから婚約解消は無理だ」
「そう。では、婚約破棄は?」
そう言うとフロール嬢は、一歩俺に近づいてくる。
「あなたが私をここに誘い、襲った。そういう筋書きはどうかしら?」
「ガキには興味はない」
「あらあの子より発育はいいと思うけど? そうね。では、殿下のオイタという事にしましょうか。その方が確実でしょう。晴れてあなたは自由の身」
「なんだって!! お前! 言え! あいつはどこにいる!」
冗談じゃない! あんな奴にファビアをやれるかよ!
「あら? そんなに彼女が大事? 私にしたほうがいいと思うわよ。バックにガムン公爵が付くわよ」
「別に権力が欲しくて、ファビアを選んだのではない!」
「私達の未来を奪ったくせに。――へえ。彼女を好きなわけ? もしかしてあなた、ロリ?」
「はぁ?」
ロリじゃない!
あいつは見た目は、幼く見えるけど中身は大人だ。こいつと同じ転生者だけど、こいつなんてごめんだ!
ファビアは、大人なはずなのに無邪気でケーキが大好きで、お人好しで……守ってやりたい相手。
「そうだな。ファビアじゃなくてはダメなんだ……」
この頃のイライラの原因はこれか。
仲良くするベビット殿下に嫉妬していたのか俺は。
「どんなことがあっても、ファビアと結婚する!」
「じゃ、これあげる。これがどこのかは自分で探して」
右手に持って掲げているのは、カギだった。
それってまさか――。
俺は、彼女からカギを奪い取った。
無事でいてくれ、ファビア!
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