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第52話
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思ったよりレオンス様事態に、影響がある話ではなかったわ。知れたらタカビーダ侯爵ご夫妻は、色々言われるかもしれないけど、レオンス様が爵位を継ぐのに影響はない。
「でも、確かにフロール嬢が言っている事はあべこべね。今のアマート様を見ている限り、性格はともかく、成績が凄く上がったとは思えない」
「そう言う事。考えられる事と言えば、俺の方がもっと成績が悪かっただろうって事だ。でも、侯爵家の嫡男だからな。優良クラスに入れなかったとしても、普通クラスの最下位って事はないだろう」
レオンス様の言葉に、うんうんと頷く。
でもたぶん、今よりアマート様の成績はいいのでしょうね。そして、二人は同じぐらいの成績だったのかもしれない。
そうでないと、フロール嬢から『彼がなっていた』という言葉は出て来ない。
それに、話の内容からしても攻略者は、アマート様だったと思うのよね。
凄く難易度高そうだけど。
たぶん、アマート様とのハッピーエンドは、彼が侯爵家の後継者になりフロール嬢が夫人に納まる。
レオンス様の話からすれば、ゲーム内では二人共、この秘密は知らない設定で、アマート様が継ぐような状況になって初めて二人に明かされるって感じかしらね。
「思うんだけどさ。彼女もやろうと思えば、魔法博士を狙えた。俺も君も本来は、魔法博士にはなっていなかったと思う。彼女は、その選択をしなかった」
「それもそうね」
「攻略者を誰も狙っていなければ、別に俺達が転生者だろうと、放っておけばいい。でもそうしなかった。狙いは、アマートではないかと思う」
「私もそう思う。私なら王族を狙うけどね。なぜ彼だったのか不思議だわ」
私達は、だよねと頷き合う。
「ゲームでは、彼にはそれだけの価値があったのかしら?」
「彼女には、ガムン公爵の隠し子という秘密以外にまだ秘密を持っているはず。それを利用すれば、できたのではないか?」
「お待ちください!」
突然研究室のドアが開き、タカビーダ侯爵夫人の叫び声が聞こえて来た。一体誰が入って来たの!?
レオンス様も驚いて立ち上がり、休憩室のドアを開けた。
そこには武装した者が数名。レオンス様も驚いた様子を見せる。
いや誰でも驚くわよ。王都警ら隊だったのだから。
「っち。動くのが早いだろう」
強張った顔でレオンス様が呟く。
ガムン公爵の差し金だろうけど、どういう罪で捉えに来たのよ。ベビット殿下に対する不敬とか?
「俺が何をしたと言うんだ」
警ら隊に両脇を抑えられたレオンス様が訪ねた。
「そうですわ。何をしたと言うのです」
タカビーダ侯爵夫人も抗議する。
侯爵家に余程の事がなければ、こんなマネはできない。
「きゃ」
「待て! ファビアは関係ないだろう!」
私も両脇を掴まれた!
「二人共連れてくるように言われています」
「ガムン公爵にか?」
「……大人しく二人共来てくれるとありがたい」
レオンス様が、チラッと私を見るので頷いた。
ここで暴れても仕方がない。
こうなったら本気で逃避行でもしてやるわ!
――◆――◇――◆――
「私も忙しい身でね」
二人を捕らえる手配をしてすぐにこやつが訪ねて来た。本来なら放っておくが、フロールの事で話があると言われ聞く事にしたが。まさか見ていたのではあるまいな。
「もちろん知っていますよ。宰相ですからね。僕にも協力してほしいんですよ」
「協力……」
「まずは、これを聞いてもらいたいな」
『私はこのまま国に帰れば婚約させられる』
『待って。私には婚約者がいるの』
『もちろん知っている』
『だから諦めて……』
『諦める? だったらこんな事していないよ。ガムン公爵に協力してもらってここに私達はいるんだから』
「………」
「どうです? 協力して下さる気になりました?」
「何が望みだ? 二人の開放か?」
「いや、ファビア嬢の解放だけでいい」
っち。面倒な事になった。なぜこいつがこんな代物を持っている? 魔法アイテムで盗聴だなんて、どうなってるんだ。
けど、それを今問い詰めるのはまずい。
きっと全て記憶されているのだろうからな。
「ノーモノミヤ公爵の指示か?」
「いいえ。僕の……私の独断です。私、ルイスのね」
ルイスの瞳が怪しく微笑む。
「彼女と婚約でもする気ですか?」
「まさか、彼女よりずっと賢く美しい婚約者がいるのにそんなバカな事はしませんよ。ベビット殿下でもあるまいし」
ふう、異国の王子をバカ呼ばわりか。
まあ私もそう思ってはいる。もう少し、フロールが彼を引きつけていれば、成功したものを。
「あぁ、この録音、使わせて頂きますね」
「何! 彼女を解放する条件は飲む!」
「大丈夫ですよ。違う部分ですから。あなたに害はありません。邪魔な彼に退場して頂くだけですから」
やはり、起こった全てを録音してあるようだな。面倒な。
「本当だろうな」
「お望みなら全て陛下に聞かせますか?」
「罰を受けるとわかっていて、聞かせるのか? 仕掛けた場所は応接室だろう」
「えぇ。でも穏便に済ませて下さると思いますよ。だって、公にできませんから」
「わかった。今回に限り言う事をきいてやる。もう出ていけ」
「話がわかる宰相でよかった。では失礼します」
軽くお辞儀をすると部屋を出て行った。
まさか、一番真面目で大人しいと思っていたあやつが、牙をむくとはな。
しかし、あの魔法アイテムはどこで手に入れたのだ。入手経路を調べないとな。
この私に楯突いた事、後で悔やむといい。
「でも、確かにフロール嬢が言っている事はあべこべね。今のアマート様を見ている限り、性格はともかく、成績が凄く上がったとは思えない」
「そう言う事。考えられる事と言えば、俺の方がもっと成績が悪かっただろうって事だ。でも、侯爵家の嫡男だからな。優良クラスに入れなかったとしても、普通クラスの最下位って事はないだろう」
レオンス様の言葉に、うんうんと頷く。
でもたぶん、今よりアマート様の成績はいいのでしょうね。そして、二人は同じぐらいの成績だったのかもしれない。
そうでないと、フロール嬢から『彼がなっていた』という言葉は出て来ない。
それに、話の内容からしても攻略者は、アマート様だったと思うのよね。
凄く難易度高そうだけど。
たぶん、アマート様とのハッピーエンドは、彼が侯爵家の後継者になりフロール嬢が夫人に納まる。
レオンス様の話からすれば、ゲーム内では二人共、この秘密は知らない設定で、アマート様が継ぐような状況になって初めて二人に明かされるって感じかしらね。
「思うんだけどさ。彼女もやろうと思えば、魔法博士を狙えた。俺も君も本来は、魔法博士にはなっていなかったと思う。彼女は、その選択をしなかった」
「それもそうね」
「攻略者を誰も狙っていなければ、別に俺達が転生者だろうと、放っておけばいい。でもそうしなかった。狙いは、アマートではないかと思う」
「私もそう思う。私なら王族を狙うけどね。なぜ彼だったのか不思議だわ」
私達は、だよねと頷き合う。
「ゲームでは、彼にはそれだけの価値があったのかしら?」
「彼女には、ガムン公爵の隠し子という秘密以外にまだ秘密を持っているはず。それを利用すれば、できたのではないか?」
「お待ちください!」
突然研究室のドアが開き、タカビーダ侯爵夫人の叫び声が聞こえて来た。一体誰が入って来たの!?
レオンス様も驚いて立ち上がり、休憩室のドアを開けた。
そこには武装した者が数名。レオンス様も驚いた様子を見せる。
いや誰でも驚くわよ。王都警ら隊だったのだから。
「っち。動くのが早いだろう」
強張った顔でレオンス様が呟く。
ガムン公爵の差し金だろうけど、どういう罪で捉えに来たのよ。ベビット殿下に対する不敬とか?
「俺が何をしたと言うんだ」
警ら隊に両脇を抑えられたレオンス様が訪ねた。
「そうですわ。何をしたと言うのです」
タカビーダ侯爵夫人も抗議する。
侯爵家に余程の事がなければ、こんなマネはできない。
「きゃ」
「待て! ファビアは関係ないだろう!」
私も両脇を掴まれた!
「二人共連れてくるように言われています」
「ガムン公爵にか?」
「……大人しく二人共来てくれるとありがたい」
レオンス様が、チラッと私を見るので頷いた。
ここで暴れても仕方がない。
こうなったら本気で逃避行でもしてやるわ!
――◆――◇――◆――
「私も忙しい身でね」
二人を捕らえる手配をしてすぐにこやつが訪ねて来た。本来なら放っておくが、フロールの事で話があると言われ聞く事にしたが。まさか見ていたのではあるまいな。
「もちろん知っていますよ。宰相ですからね。僕にも協力してほしいんですよ」
「協力……」
「まずは、これを聞いてもらいたいな」
『私はこのまま国に帰れば婚約させられる』
『待って。私には婚約者がいるの』
『もちろん知っている』
『だから諦めて……』
『諦める? だったらこんな事していないよ。ガムン公爵に協力してもらってここに私達はいるんだから』
「………」
「どうです? 協力して下さる気になりました?」
「何が望みだ? 二人の開放か?」
「いや、ファビア嬢の解放だけでいい」
っち。面倒な事になった。なぜこいつがこんな代物を持っている? 魔法アイテムで盗聴だなんて、どうなってるんだ。
けど、それを今問い詰めるのはまずい。
きっと全て記憶されているのだろうからな。
「ノーモノミヤ公爵の指示か?」
「いいえ。僕の……私の独断です。私、ルイスのね」
ルイスの瞳が怪しく微笑む。
「彼女と婚約でもする気ですか?」
「まさか、彼女よりずっと賢く美しい婚約者がいるのにそんなバカな事はしませんよ。ベビット殿下でもあるまいし」
ふう、異国の王子をバカ呼ばわりか。
まあ私もそう思ってはいる。もう少し、フロールが彼を引きつけていれば、成功したものを。
「あぁ、この録音、使わせて頂きますね」
「何! 彼女を解放する条件は飲む!」
「大丈夫ですよ。違う部分ですから。あなたに害はありません。邪魔な彼に退場して頂くだけですから」
やはり、起こった全てを録音してあるようだな。面倒な。
「本当だろうな」
「お望みなら全て陛下に聞かせますか?」
「罰を受けるとわかっていて、聞かせるのか? 仕掛けた場所は応接室だろう」
「えぇ。でも穏便に済ませて下さると思いますよ。だって、公にできませんから」
「わかった。今回に限り言う事をきいてやる。もう出ていけ」
「話がわかる宰相でよかった。では失礼します」
軽くお辞儀をすると部屋を出て行った。
まさか、一番真面目で大人しいと思っていたあやつが、牙をむくとはな。
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