【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
52 / 83

第52話

しおりを挟む
 思ったよりレオンス様事態に、影響がある話ではなかったわ。知れたらタカビーダ侯爵ご夫妻は、色々言われるかもしれないけど、レオンス様が爵位を継ぐのに影響はない。

 「でも、確かにフロール嬢が言っている事はあべこべね。今のアマート様を見ている限り、性格はともかく、成績が凄く上がったとは思えない」
 「そう言う事。考えられる事と言えば、俺の方がもっと成績が悪かっただろうって事だ。でも、侯爵家の嫡男だからな。優良クラスに入れなかったとしても、普通クラスの最下位って事はないだろう」

 レオンス様の言葉に、うんうんと頷く。
 でもたぶん、今よりアマート様の成績はいいのでしょうね。そして、二人は同じぐらいの成績だったのかもしれない。
 そうでないと、フロール嬢から『彼がなっていた』という言葉は出て来ない。
 それに、話の内容からしても攻略者ターゲットは、アマート様だったと思うのよね。

 凄く難易度高そうだけど。
 たぶん、アマート様とのハッピーエンドは、彼が侯爵家の後継者になりフロール嬢が夫人に納まる。
 レオンス様の話からすれば、ゲーム内では二人共、この秘密は知らない設定で、アマート様が継ぐような状況になって初めて二人に明かされるって感じかしらね。

 「思うんだけどさ。彼女もやろうと思えば、魔法博士を狙えた。俺も君も本来は、魔法博士にはなっていなかったと思う。彼女は、その選択をしなかった」
 「それもそうね」
 「攻略者を誰も狙っていなければ、別に俺達が転生者だろうと、放っておけばいい。でもそうしなかった。狙いは、アマートではないかと思う」
 「私もそう思う。私なら王族を狙うけどね。なぜ彼だったのか不思議だわ」

 私達は、だよねと頷き合う。

 「ゲームでは、彼にはそれだけの価値があったのかしら?」
 「彼女には、ガムン公爵の隠し子という秘密以外にまだ秘密を持っているはず。それを利用すれば、できたのではないか?」
 「お待ちください!」

 突然研究室のドアが開き、タカビーダ侯爵夫人の叫び声が聞こえて来た。一体誰が入って来たの!?
 レオンス様も驚いて立ち上がり、休憩室のドアを開けた。
 そこには武装した者が数名。レオンス様も驚いた様子を見せる。
 いや誰でも驚くわよ。王都警ら隊だったのだから。

 「っち。動くのが早いだろう」

 強張った顔でレオンス様が呟く。
 ガムン公爵の差し金だろうけど、どういう罪で捉えに来たのよ。ベビット殿下に対する不敬とか?

 「俺が何をしたと言うんだ」

 警ら隊に両脇を抑えられたレオンス様が訪ねた。

 「そうですわ。何をしたと言うのです」

 タカビーダ侯爵夫人も抗議する。
 侯爵家に余程の事がなければ、こんなマネはできない。

 「きゃ」
 「待て! ファビアは関係ないだろう!」

 私も両脇を掴まれた!

 「二人共連れてくるように言われています」
 「ガムン公爵にか?」
 「……大人しく二人共来てくれるとありがたい」

 レオンス様が、チラッと私を見るので頷いた。
 ここで暴れても仕方がない。
 こうなったら本気で逃避行でもしてやるわ!

 ――◆――◇――◆――

 「私も忙しい身でね」

 二人を捕らえる手配をしてすぐにこやつが訪ねて来た。本来なら放っておくが、フロールの事で話があると言われ聞く事にしたが。まさか見ていたのではあるまいな。

 「もちろん知っていますよ。宰相ですからね。僕にも協力してほしいんですよ」
 「協力……」
 「まずは、これを聞いてもらいたいな」

 『私はこのまま国に帰れば婚約させられる』
 『待って。私には婚約者がいるの』
 『もちろん知っている』
 『だから諦めて……』
 『諦める? だったらこんな事していないよ。ガムン公爵に協力してもらってここに私達はいるんだから』

 「………」
 「どうです? 協力して下さる気になりました?」
 「何が望みだ? 二人の開放か?」
 「いや、ファビア嬢の解放だけでいい」

 っち。面倒な事になった。なぜこいつがこんな代物を持っている? 魔法アイテムで盗聴だなんて、どうなってるんだ。
 けど、それを今問い詰めるのはまずい。
 きっと全て記憶されているのだろうからな。

 「ノーモノミヤ公爵の指示か?」
 「いいえ。僕の……私の独断です。私、ルイスのね」

 ルイスの瞳が怪しく微笑む。

 「彼女と婚約でもする気ですか?」
 「まさか、彼女よりずっと賢く美しい婚約者がいるのにそんなバカな事はしませんよ。ベビット殿下でもあるまいし」

 ふう、異国の王子をバカ呼ばわりか。
 まあ私もそう思ってはいる。もう少し、フロールが彼を引きつけていれば、成功したものを。

 「あぁ、この録音、使わせて頂きますね」
 「何! 彼女を解放する条件は飲む!」
 「大丈夫ですよ。違う部分ですから。あなたに害はありません。邪魔な彼に退場して頂くだけですから」

 やはり、起こった全てを録音してあるようだな。面倒な。

 「本当だろうな」
 「お望みなら全て陛下に聞かせますか?」
 「罰を受けるとわかっていて、聞かせるのか? 仕掛けた場所は応接室だろう」
 「えぇ。でも穏便に済ませて下さると思いますよ。だって、公にできませんから」
 「わかった。今回に限り言う事をきいてやる。もう出ていけ」
 「話がわかる宰相でよかった。では失礼します」

 軽くお辞儀をすると部屋を出て行った。
 まさか、一番真面目で大人しいと思っていたあやつが、牙をむくとはな。
 しかし、あの魔法アイテムはどこで手に入れたのだ。入手経路を調べないとな。
 この私に楯突いた事、後で悔やむといい。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。

ぽんぽこ狸
恋愛
 レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。  その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。  ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。  しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。  それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。  彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

処理中です...