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第61話
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「指揮者!?」
「そう。指揮者」
楽団の練習を始めた週の終わりの日が、休日の週だったので、レオンス様と魔法博士図書館へ行く事にした。
レオンス様に迎えに来てもらって、今はそこへ向かっている馬車の中。
隣に座る彼は、どや顔をしている。
何を選んだかと聞けば、指揮者だもんね。
「あのね、指揮なんて出来るの?」
「簡単だろう。指揮棒を振るだけだ」
そう言ってレオンス様は、指揮棒を振る真似をした。
「やり方を知っているのって事よ」
「四拍子ぐらい刻める」
「……いいのそんなんで」
「いいだろう。じゃ逆に聞くけど、指揮者を見て出来るの?」
「え?」
「わかりやすく言うと、指揮者が違うと演奏も変わるのかって聞いている」
それは変らないと思う。
そう言えば、指揮者が居て演奏なんて、それこそ小学校の演奏会とかしかないわね。しかも指揮者は先生。
あれを見て演奏するのって、入るタイミングを計ったりする時ぐらいだったかも……。
「変わらないわね」
「だろう。大体そういう経験がない者達が指揮者の指示なんて理解できるわけないだろう。精々タイミングを合わせるぐらいだ」
う。その通りでございます。
だとしても、なぜ指揮者。
「もしかして、楽器何もできないって事はないわよね」
「違うって。指揮者をやってくれって頼まれたんだ。だから快く引き受けた」
「それって、ガムン公爵の策略ではないの?」
「かもな。提案した彼は、ガムン公爵の傍系だ。俺に見せ場を作らせないようにする為以外思いつかないけどな。別にいいんじゃないか。特段、実害はない」
「かもしれないけど……」
「それに、指揮者は居残りは不要。俺は魔法博士図書館に通い詰めて、資料を選別しておくよ。持ち出しできないからな」
「え! ずるい! だったら私が指揮者したかったぁ」
トライアングルで、あんなにしごかれるなんて、思わなかったよう。変わってほしい!
「あははは。トライアングルは一人だけなんだろう? 大事な役目だ」
「バカにしているでしょう」
「していないって。君にぴったり」
「やっぱりしているじゃないの!」
「あははは。しかし、フロール嬢がタンバリンだなんてな」
「今回は、ガムン公爵一人の作戦なのかしらね」
「さあな。ガムン公爵が俺の見せ場を無くす為だけに、こんな事をするとは思えないから、何か裏があるんだろうな」
「はぁ。トライアングルも難しいのよ。叩けばいいってものじゃなくてね。ピアノにすればよかったかもしれないわ」
ピアノは弾けないわけではない。
前世では、習わせてもらえなかったから、お父様にお願いして習わせてもらったから弾けるけど、あの中で弾いて納得してもらえる腕前ではないと思ったのよね。
「いやいや。彼女でよかったさ。知らないのか? ピアノの指導者が彼女をミューズだと言ったとか」
「え!? そんなに凄い人なの?」
ルイス様のお姉様って凄かったのね。
よかったわ。私が弾く事にならなくて。
「ところで、ルイスは何を弾くんだ」
「え……あ、知らないや」
「まあ、姉が仕切っているのだから出来ない楽器は割り振らないだろう。それより、さすがゲームの世界だよな。王子がドラムってなんだよ」
「それね。私も思った」
「本当、ご苦労様だよな。俺は指揮者だから立って棒を振るだけだけど、正装した令嬢達が一番大変だよな」
「うん? どういう事?」
「どういうって。舞踏会の余興だろう。踊る前に弾くんだから、正装した豪勢なドレスを着ているだろうに」
なんですとぉ!!
いつもに増してきつめに絞められたコルセットよね。
そう考えると、トライアングルでよかったわ。
「そんでもってさ。踊っている時にバックに流れるのは、本物の楽団の曲だよな。これ順番考えないと、俺達比べられるぞ」
「……やめて。これで私失敗したら、イルデフォンソ殿下に殺されそう」
「何だそれ。そんなに気合入っているのか」
「ちょっとでもタイミングはずれると、指摘を受けてやり直し」
「ふーん。じゃ、休日は家で練習するか?」
「え? 練習?」
「ドラムはできないけど、ピアノもヴァイオリンも弾けるからそれに合わせて練習する。どうだ」
「ありがとう!」
助かったぁ。家で一人練習するってなっても、無理だもの。
やっぱりレオンス様は頼りになるわ。ちょっと癪だけど。
図書館に着いた私達は、闇魔法と特殊魔法陣について詳しく調べる為に、資料を漁った。
私が考えた事を伝えたら、ありかもなとなり特殊魔法陣も調べる事になったのよね。
この日は、闇魔法がどういう物かの確認と特殊魔法陣について調べた。
次の日からは、私は放課後楽団の練習。
レオンス様は、帰りに図書館へ寄って調べもの。
驚く事にルイス様は、ハープだった。イ、イメージが。魔法の属性も闇なのに……。
そして、2週間に一回のお楽しみのケーキじゃなかった、レオンス様との練習。
レオンス様ったら、私がトライアングルを叩くところを見て似合うって笑ったんだから!
むくれていたら『手とり足取り教えてやろうか』って、真面目な顔をして、後ろから抱き着くように両手を取られて、ギャーってなって、また笑われた!
もうすぐに揶揄うんだからぁ!!
でもお陰様で、様になったとイルデフォンソ殿下に言われるまでに成長いたしましたとも。
「そう。指揮者」
楽団の練習を始めた週の終わりの日が、休日の週だったので、レオンス様と魔法博士図書館へ行く事にした。
レオンス様に迎えに来てもらって、今はそこへ向かっている馬車の中。
隣に座る彼は、どや顔をしている。
何を選んだかと聞けば、指揮者だもんね。
「あのね、指揮なんて出来るの?」
「簡単だろう。指揮棒を振るだけだ」
そう言ってレオンス様は、指揮棒を振る真似をした。
「やり方を知っているのって事よ」
「四拍子ぐらい刻める」
「……いいのそんなんで」
「いいだろう。じゃ逆に聞くけど、指揮者を見て出来るの?」
「え?」
「わかりやすく言うと、指揮者が違うと演奏も変わるのかって聞いている」
それは変らないと思う。
そう言えば、指揮者が居て演奏なんて、それこそ小学校の演奏会とかしかないわね。しかも指揮者は先生。
あれを見て演奏するのって、入るタイミングを計ったりする時ぐらいだったかも……。
「変わらないわね」
「だろう。大体そういう経験がない者達が指揮者の指示なんて理解できるわけないだろう。精々タイミングを合わせるぐらいだ」
う。その通りでございます。
だとしても、なぜ指揮者。
「もしかして、楽器何もできないって事はないわよね」
「違うって。指揮者をやってくれって頼まれたんだ。だから快く引き受けた」
「それって、ガムン公爵の策略ではないの?」
「かもな。提案した彼は、ガムン公爵の傍系だ。俺に見せ場を作らせないようにする為以外思いつかないけどな。別にいいんじゃないか。特段、実害はない」
「かもしれないけど……」
「それに、指揮者は居残りは不要。俺は魔法博士図書館に通い詰めて、資料を選別しておくよ。持ち出しできないからな」
「え! ずるい! だったら私が指揮者したかったぁ」
トライアングルで、あんなにしごかれるなんて、思わなかったよう。変わってほしい!
「あははは。トライアングルは一人だけなんだろう? 大事な役目だ」
「バカにしているでしょう」
「していないって。君にぴったり」
「やっぱりしているじゃないの!」
「あははは。しかし、フロール嬢がタンバリンだなんてな」
「今回は、ガムン公爵一人の作戦なのかしらね」
「さあな。ガムン公爵が俺の見せ場を無くす為だけに、こんな事をするとは思えないから、何か裏があるんだろうな」
「はぁ。トライアングルも難しいのよ。叩けばいいってものじゃなくてね。ピアノにすればよかったかもしれないわ」
ピアノは弾けないわけではない。
前世では、習わせてもらえなかったから、お父様にお願いして習わせてもらったから弾けるけど、あの中で弾いて納得してもらえる腕前ではないと思ったのよね。
「いやいや。彼女でよかったさ。知らないのか? ピアノの指導者が彼女をミューズだと言ったとか」
「え!? そんなに凄い人なの?」
ルイス様のお姉様って凄かったのね。
よかったわ。私が弾く事にならなくて。
「ところで、ルイスは何を弾くんだ」
「え……あ、知らないや」
「まあ、姉が仕切っているのだから出来ない楽器は割り振らないだろう。それより、さすがゲームの世界だよな。王子がドラムってなんだよ」
「それね。私も思った」
「本当、ご苦労様だよな。俺は指揮者だから立って棒を振るだけだけど、正装した令嬢達が一番大変だよな」
「うん? どういう事?」
「どういうって。舞踏会の余興だろう。踊る前に弾くんだから、正装した豪勢なドレスを着ているだろうに」
なんですとぉ!!
いつもに増してきつめに絞められたコルセットよね。
そう考えると、トライアングルでよかったわ。
「そんでもってさ。踊っている時にバックに流れるのは、本物の楽団の曲だよな。これ順番考えないと、俺達比べられるぞ」
「……やめて。これで私失敗したら、イルデフォンソ殿下に殺されそう」
「何だそれ。そんなに気合入っているのか」
「ちょっとでもタイミングはずれると、指摘を受けてやり直し」
「ふーん。じゃ、休日は家で練習するか?」
「え? 練習?」
「ドラムはできないけど、ピアノもヴァイオリンも弾けるからそれに合わせて練習する。どうだ」
「ありがとう!」
助かったぁ。家で一人練習するってなっても、無理だもの。
やっぱりレオンス様は頼りになるわ。ちょっと癪だけど。
図書館に着いた私達は、闇魔法と特殊魔法陣について詳しく調べる為に、資料を漁った。
私が考えた事を伝えたら、ありかもなとなり特殊魔法陣も調べる事になったのよね。
この日は、闇魔法がどういう物かの確認と特殊魔法陣について調べた。
次の日からは、私は放課後楽団の練習。
レオンス様は、帰りに図書館へ寄って調べもの。
驚く事にルイス様は、ハープだった。イ、イメージが。魔法の属性も闇なのに……。
そして、2週間に一回のお楽しみのケーキじゃなかった、レオンス様との練習。
レオンス様ったら、私がトライアングルを叩くところを見て似合うって笑ったんだから!
むくれていたら『手とり足取り教えてやろうか』って、真面目な顔をして、後ろから抱き着くように両手を取られて、ギャーってなって、また笑われた!
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