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第60話
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私もピアノしかできず、しかも不得意だと言えばトライアングル担当になった。
私とフロール嬢以外は、伯爵家以上だからかピアノとヴァイオリン以外も嗜んでいて、違う楽器も扱える人がいて思ったよりスムーズに決まった。
総勢27名の楽団が出来上がったのだ。
って、練習が明日の放課後から毎日、王宮内にあるホールでって何?
そこなら他の学年に聞かれずに済むって何?
意味がわからないのだけど。
まあ、貴族学園は王宮の横にあるんだけどさ。
一応防犯上らしいけど。
だから、学園生徒に開放する舞踏会用のホールがあって、そこが練習場となった。
さすがゲームの設定。何でもありなのね。
楽譜は、イルデフォンソ殿下が用意する事になって、明日知らされる。
というか、私達用に書きあげられるのでしょうね。
一日で出来るのかしら?
いや、一日もないわね。今日はきっと徹夜でしょうね。
トライアングルかぁ。小学生以来ね。って出来るかしら……。
「が、頑張りましょうね」
フロール嬢がそう私に声を掛けて来た。
「あ、はい」
「皆さんは、同じ楽器を扱う方が数名いらっしゃるから一緒に練習できるのですよね。そうだわ。一緒にやりません?」
「え……いいですけど」
何か企んでいらっしゃる?
確かにフロール嬢が言う通り、私達の他の人は数名ずつ同じ楽器を扱う人がいる。
あ、クリステル嬢も一人だわ。彼女はピアノを担当する。
あれ、待って! レオンス様が決まってない。ルイス様も。
どうしよう。言った方がいいかな。
楽譜を作らないといけないし。
そうだ。エメリック様に伝えよう。
楽器が決まりそれぞれの楽器の担当同士で集まり、打ち合わせまで始まってしまっていた。
エメリック様は、トランペット。
そう言えば、集まりの時にたまに披露していたわね。
「あの、エメリック様」
そっと話しかけると、にっこり微笑み返してきた。
「何かあった?」
「あの、レオンス様の事なんだけど」
「大丈夫。クリステル嬢に彼に聞いてくれるように頼んでおいたよ」
「そうなのね。ありがとうございます」
私が心配するまでもなかった。
でも、これで暫くは、調べ物は無理ね。
本当に次の日には楽譜が出来上がっていて、ホールに集まった私達に手渡された。
「ファビア嬢、フロール嬢。四人で練習しよう。リズムだけ刻むのは大変だろうからね」
ご満悦のイルデフォンソ殿下が、楽譜を見ていた私達に声を掛けて来た。
よく考えれば、私達に勝てる物があって機嫌がいいのかもしれない。
護衛の三人は、全員ヴァイオリン担当になった。
今だけは、ヴァイオリン担当の生徒と一緒に練習するみたいね。
「わかりました。宜しくお願いします」
私がそう言うと、イルデフォンソ殿下は頷く。
「そうだ。ガムン公爵から君なら音を遮断する事が可能ではないかと言われた。できるか? 他の者の練習の邪魔にならないように、できるならお願いしたい」
なんですとぉ。
そんな事が出来るなんて、ガムン公爵に一言も私は言ってない。そもそも結界を張ったと言ったのは、レオンス様なんだけど。しかも姿が見えない様にする結界でしょう。それ……。
あ、それとも。あの時の事に気づいていたのかしら?
魔法を使っているかどうかわからなくても、護衛に話しを聞いて、内容が聞こえなかったとなれば、魔法を使ったに違いないとなるわよね。
うーむ。どうしよう。
というか、ここで使っていいのかしら?
「あの、試した事はありません。それと、ここで魔法を使ってもいいのでしょうか」
「構わない。無理なら魔法陣がある」
あるんかい!
ならそれを使ってよね。
「ふむ。やはりレオンスは凄いのだな」
なんですと!
「殿下……私にだってそれぐらいできます!」
「え? 今出来ないと言わなかったか」
「出来ないとは言ってません。やった事がないと言っただけです。やってみます! 呪文は知っていますので!」
レオンス様に出来て、私に出来ないわけないわ!
「大丈夫なのか?」
「えぇ。出来ましたわ」
「へ?」
本当に出来たのかと、イルデフォンソ殿下が驚いた顔をする。
「ナタリオ!」
マルシアール殿下が、大きな声でクラスメイトを呼ぶ。だが彼は、振り返らない。
たぶん、向こうにも聞こえていないはず。
「そう言えば、辺りの音が小さくなっているな」
イルデフォンソ殿下が辺りを見渡し言う。
完全に遮断するのは、まだ無理なんです。でも周りの音も消したのだから、レオンス様より凄いでしょう。
「凄いもんだな。ところで練習しながら維持できるのか?」
「問題ありません。魔力を維持するだけですので」
「簡単に言うな」
マルシアール殿下の問いに答えれば、イルデフォンソ殿下が苦笑いをした。
「さすが、レオンス様の婚約者ですわ」
フロール嬢が、嫌味っぽく言う。いや嫌味なのかもしれない。
まずは、王子二人で聞かせてくれるというので、見学する事にした。
驚いた! 二人共凄く上手だ。
イルデフォンソ殿下なんて、王子だという事を忘れそうなぐらいよ。
逆にマルシアール殿下は、剣を下げた騎士様っぽいのに、優雅な感じになった。
これだけで、見ものだわ。
私達は素晴らしいと拍手を送る。
和やかに始まった練習だったけど……。
「そこ違う! 何度言ったらわかる。一拍置くんだ」
イルデフォンソ殿下から私に怒声が飛ぶ。
リズムを刻むって、思ったより難しいんだけど!
何気にイルデフォンソ殿下が真剣だし。
「やり直し!」
スパルタな王子様だった。トホホ。
私とフロール嬢以外は、伯爵家以上だからかピアノとヴァイオリン以外も嗜んでいて、違う楽器も扱える人がいて思ったよりスムーズに決まった。
総勢27名の楽団が出来上がったのだ。
って、練習が明日の放課後から毎日、王宮内にあるホールでって何?
そこなら他の学年に聞かれずに済むって何?
意味がわからないのだけど。
まあ、貴族学園は王宮の横にあるんだけどさ。
一応防犯上らしいけど。
だから、学園生徒に開放する舞踏会用のホールがあって、そこが練習場となった。
さすがゲームの設定。何でもありなのね。
楽譜は、イルデフォンソ殿下が用意する事になって、明日知らされる。
というか、私達用に書きあげられるのでしょうね。
一日で出来るのかしら?
いや、一日もないわね。今日はきっと徹夜でしょうね。
トライアングルかぁ。小学生以来ね。って出来るかしら……。
「が、頑張りましょうね」
フロール嬢がそう私に声を掛けて来た。
「あ、はい」
「皆さんは、同じ楽器を扱う方が数名いらっしゃるから一緒に練習できるのですよね。そうだわ。一緒にやりません?」
「え……いいですけど」
何か企んでいらっしゃる?
確かにフロール嬢が言う通り、私達の他の人は数名ずつ同じ楽器を扱う人がいる。
あ、クリステル嬢も一人だわ。彼女はピアノを担当する。
あれ、待って! レオンス様が決まってない。ルイス様も。
どうしよう。言った方がいいかな。
楽譜を作らないといけないし。
そうだ。エメリック様に伝えよう。
楽器が決まりそれぞれの楽器の担当同士で集まり、打ち合わせまで始まってしまっていた。
エメリック様は、トランペット。
そう言えば、集まりの時にたまに披露していたわね。
「あの、エメリック様」
そっと話しかけると、にっこり微笑み返してきた。
「何かあった?」
「あの、レオンス様の事なんだけど」
「大丈夫。クリステル嬢に彼に聞いてくれるように頼んでおいたよ」
「そうなのね。ありがとうございます」
私が心配するまでもなかった。
でも、これで暫くは、調べ物は無理ね。
本当に次の日には楽譜が出来上がっていて、ホールに集まった私達に手渡された。
「ファビア嬢、フロール嬢。四人で練習しよう。リズムだけ刻むのは大変だろうからね」
ご満悦のイルデフォンソ殿下が、楽譜を見ていた私達に声を掛けて来た。
よく考えれば、私達に勝てる物があって機嫌がいいのかもしれない。
護衛の三人は、全員ヴァイオリン担当になった。
今だけは、ヴァイオリン担当の生徒と一緒に練習するみたいね。
「わかりました。宜しくお願いします」
私がそう言うと、イルデフォンソ殿下は頷く。
「そうだ。ガムン公爵から君なら音を遮断する事が可能ではないかと言われた。できるか? 他の者の練習の邪魔にならないように、できるならお願いしたい」
なんですとぉ。
そんな事が出来るなんて、ガムン公爵に一言も私は言ってない。そもそも結界を張ったと言ったのは、レオンス様なんだけど。しかも姿が見えない様にする結界でしょう。それ……。
あ、それとも。あの時の事に気づいていたのかしら?
魔法を使っているかどうかわからなくても、護衛に話しを聞いて、内容が聞こえなかったとなれば、魔法を使ったに違いないとなるわよね。
うーむ。どうしよう。
というか、ここで使っていいのかしら?
「あの、試した事はありません。それと、ここで魔法を使ってもいいのでしょうか」
「構わない。無理なら魔法陣がある」
あるんかい!
ならそれを使ってよね。
「ふむ。やはりレオンスは凄いのだな」
なんですと!
「殿下……私にだってそれぐらいできます!」
「え? 今出来ないと言わなかったか」
「出来ないとは言ってません。やった事がないと言っただけです。やってみます! 呪文は知っていますので!」
レオンス様に出来て、私に出来ないわけないわ!
「大丈夫なのか?」
「えぇ。出来ましたわ」
「へ?」
本当に出来たのかと、イルデフォンソ殿下が驚いた顔をする。
「ナタリオ!」
マルシアール殿下が、大きな声でクラスメイトを呼ぶ。だが彼は、振り返らない。
たぶん、向こうにも聞こえていないはず。
「そう言えば、辺りの音が小さくなっているな」
イルデフォンソ殿下が辺りを見渡し言う。
完全に遮断するのは、まだ無理なんです。でも周りの音も消したのだから、レオンス様より凄いでしょう。
「凄いもんだな。ところで練習しながら維持できるのか?」
「問題ありません。魔力を維持するだけですので」
「簡単に言うな」
マルシアール殿下の問いに答えれば、イルデフォンソ殿下が苦笑いをした。
「さすが、レオンス様の婚約者ですわ」
フロール嬢が、嫌味っぽく言う。いや嫌味なのかもしれない。
まずは、王子二人で聞かせてくれるというので、見学する事にした。
驚いた! 二人共凄く上手だ。
イルデフォンソ殿下なんて、王子だという事を忘れそうなぐらいよ。
逆にマルシアール殿下は、剣を下げた騎士様っぽいのに、優雅な感じになった。
これだけで、見ものだわ。
私達は素晴らしいと拍手を送る。
和やかに始まった練習だったけど……。
「そこ違う! 何度言ったらわかる。一拍置くんだ」
イルデフォンソ殿下から私に怒声が飛ぶ。
リズムを刻むって、思ったより難しいんだけど!
何気にイルデフォンソ殿下が真剣だし。
「やり直し!」
スパルタな王子様だった。トホホ。
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