【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
63 / 83

第63話

しおりを挟む
 学園舞踏会当日を迎えた。
 舞踏会と言えば夜だけど学校行事である為、昼間に行われる。
 生徒会長であるサルバドル様が挨拶をした。
 打ち合わせの時に、どこかで見掛けた事があると思っていたら、入学式よね。

 どうやら二年生の時のトップは彼だったようで、サルバドル様が生徒会長になった。
 二年生の終わりにクラス替えの試験が行われるそうで、そこでトップが入れ替わったみたいね。

 という事は、ベビット殿下達がいなくなったので、来年は新しいクラスメイトが二人増える予定って事よね。
 いや、ボケーっとしていたら優良クラスから脱落もあり得る!
 まあ一番焦っているのは、ルイス様だろうけど。

 今日は、生徒全員が着飾っているので、ホールが華やかだ。
 会場は、私達が楽団の練習をした王宮内の学生専用ホール。

 私の今日のドレスは、青紫を基調した金の刺繍が入っているドレス。
 一般的には、婚約者の瞳の色か髪色を基調とするけど、レオンス様は、両方とも金なんだもん。
 前世の記憶がある私には、金を基調としたドレスなど着れません。

 レオンス様もそれはわかってくれたので、私の瞳の色に合わせた。レオンス様も私の瞳の色に合わせ、青紫色のテールコート。そして、黒色のタイ。

 カッコイイ。
 凄く大人っぽく見える。
 よくよく考えたら、前世でこれぐらいの男の子がこの様な恰好などしないものね。

 それにしても苦しいわ。
 ローレットが『太りました?』などと失礼な事を言いながら締め付けてくれたのよね。

 そうそう。先ほど、イルデフォンソ殿下が婚約者のファニタ嬢をご紹介下さった。
 なんと辺境伯の一人娘らしい。なので、彼女が貴族学園を卒業後に、辺境伯に婿に行く予定だとか。

 ファニタ嬢は、茶色髪をまとめてトップでお団子を作っていた。こげ茶色の瞳がクリっとしてかわいらしい。
 イルデフォンソ殿下の髪と瞳と同じ紫色のドレスに髪のリボンも紫。
 年齢はやはり私の一つ下。
 イルデフォンソ殿下は、彼女の瞳と同じこげ茶色のテールコート。
 お似合いの二人だわ。

 マルシアール殿下は、式典などでは黒のテールコートを着るらしく婚約者もいらしていないから、今日はフロール嬢をエスコートしたのよね。
 流石に驚いたわ。
 彼女は、紫色のドレスを着ていた。
 もうレオンス様は狙ってはいないみたいね。

 そして、ルイス様の隣には、彼が来ているテールコートと同じミッドナイトブルーのストレートの髪でブルーの瞳の令嬢。
 私的には、日本人っぽい髪色と外人の瞳に違和感があるけど、めちゃ美人。
 大人っぽいのに一つ下だと言うのだから驚きよね。

 そしてお名前が、キャロライン嬢。名前を聞くとフロール嬢より彼女の方が、ヒロインっぽいわよね。



 これから普通クラスCから催しを披露する。
 普通クラスC組は、1年生の普通クラス5,6と2,3年生の普通クラス3の組。アマート様はこの組。
 次は、普通クラスB組、A組と続き、私達優良クラスは最後。

 立食形式のランチの後に、ダンス。
 これは、3年生から踊る。
 私は、レオンス様が2年生なので、その時に踊る事になる。
 婚約者がいない人は、声を掛けて踊ってもらう事が可能なのよね。
 お目当ての子がいれば、チャンスっていう訳。
 また、何度も踊ってよいので、声を掛けられればどの方とも踊れるとか。

 普通クラスC組は、歌だった。コーラスになっていて、思ったより上手だわ。

 「家で練習していた」

 ボソッとレオンス様が、私に呟いた。
 練習を頑張っていたみたいね。

 普通クラスB組は、ちょっとした劇だった。
 ただ、衣装は特段劇に合わせていないので、何となく物足りない。
 着替えるのが大変だから仕方ないのかもしれないけどね。

 普通クラスA組は、ダンス。
 他国のダンスを披露。これも衣装がね……。

 そして、ラストは私達優良クラス。
 カーテンで仕切っていた場所がお披露目になると、始まる前から拍手が起こった。
 す、すごく期待されてない?

 まあ衣装がと言っていたけど、私達もそうなのよね。
 それぞれ立ち位置に立つと、わざわざ脇からレオンス様が登場し、中央に立って観客に礼をする。
 そして、観客に背を向け構えた。

 総練習の成果があって、きれいなスタート。
 一曲目の途中で、イルデフォンソ殿下のドラムのソロがある。
 初めは、ドラムを叩くイルデフォンソ殿下に驚いていた生徒達も、聞くだけではなく彼のドラムを叩く姿に釘付け。

 二曲目は、マルシアール殿下のフルートのソロ。
 みんなうっとりよ。
 三曲目は、イルデフォンソ殿下とマルシアール殿下のデュオ。
 なのに、立ち上がるはずのマルシアール殿下が立ち上がらない。というか、吹いていない?

 ではこの音はどこから?
 フルートではないわ。これってハーモニカ!?

 よく見ると、レオンス様が私達に背を向けている。
 そして、左手で指揮棒を振りながら器用に右手でハーモニカを持って吹いていた。
 どうなっているの!?

 何事もなかったようにレオンス様がこちらを向き、少し皆慌てた様子だけど、最後まで遅れずに続けることができた。
 ちょっと待って。私にも内緒ってどういう事よ!

 演奏が終わると、拍手喝采。大成功よ。
 チラッとフロール嬢を見れば、ジド―とした視線をレオンス様に送っていた。
 レオンス様が言う通り、フロール嬢は絶対にレオンス様に惚れてなどいないわね。

 総練習の時に、イルデフォンソ殿下がレオンス様から指揮者だと聞いているって言っていたけど、自分のソロパートをお願いしたのかもしれないわね。

 二人のデュオ見せ場を奪うなんて凄すぎる。
 しかし、この世界ってハーモニカあったのね。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。

ぽんぽこ狸
恋愛
 レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。  その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。  ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。  しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。  それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。  彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

処理中です...