24 / 84
024
しおりを挟む
それから2日、同じようにクエストを受け、今日は休息日。
僕は、錬金市場に出かける事にした。
錬金市場は見て回るだけでも楽しい。
掘り出し物がないかなぁ。
そう言えばトムに武器の事を聞いたところ、防具よりは安いらしい。ほとんどの者はスキルで攻撃するからで、ナイフは武器というより採取などに使う道具扱いだから、それほどでもないという。
けど、1,000ハカリはかなり格安だった。
初心者が初めて作った作品だろうと、トムが言っていた。
一番高いのは、防具と言っていたとおり、よく見れば服やズボンが高い。金貨表示のモノがザラだ。
値段は、1,000,000未満だとハカリ表示だけど、それ以上だと金貨表示。
でも高い意味はわかる。魔獣に引っかかれてケガするよりは、破れない服を着ている方がいいって事だ。
はぁ。足が痛い。もう靴が限界みたいなんだよね。
森の中を歩くと靴がクタクタになるのが早い。まあ、冒険者になる前からずっと、履いていたからかもしれないけど。
錬金市場でも分割払いが可能なところがあるらしいから、靴を見て回っているんだけど、どれもやはり150,000ハカリ以上はする。
うん? えー!! 凄い格安の靴を発見!
100,000ハカリだって。
チラッと見て、みんな素通りしていく。あんなに安いのに。
でも安いけど、買えない……。
分割できるか聞いてみよう。
「あの、すみません」
「はい! いらっしゃい」
「えーと、ここって分割できますか?」
「すまないね。現金のみなんだ」
「そうですか……」
僕ががっかりすると、驚く事を言って来た。
「これなら安く出来るよ」
それは、一番安い100,000ハカリのロングブーツだ。
大抵のロングブーツは、紐が付いていてキュッと絞めるタイプだけど、これは長靴タイプ。
「ほ、本当ですか? 一番安いのに更に安くしてくれるのですか?」
「君は、冒険者になりたてだろう。靴も錬金靴ではない。その靴で、森の中を歩くのはもう限界じゃないかい」
僕は、そうだとこくこくと頷く。
「実はね、初めて私が作ったロングブーツなんだ。だからこれなら値引きできる。予算はいくらだい」
「80,000ハカリです……」
小さな声で言えば、お店の人がにっこりとして頷いた。
「だったらその値で売ろう」
「いいんですか!」
僕が驚いて言えば、お店の人が頷く。
「もしかしたら売れないかもしれないからね」
「え? なぜ?」
「シンプルだろう。ひも付きが売れ筋なのだけど、まだ私では作れなくてね。それに素人だと丸わかりだ」
「素人? 錬金術で作ったんですよね?」
「あぁ。Eランクになってからやっと、売れるだけの耐久度がついてね。Eランクは、装備品作り手としては、素人と言われるんだ」
「へえ。でも、僕も冒険者の素人だから、有難いです」
親切な人でよかったと、80,000ハカリを支払う。
懐は、一気に寒くなった。
ここで履いていいというので、椅子を借りて履き替える事にする。
僕が知っている長靴とはどこか違って、かっこいい。
靴を履こうすると、靴の内側に『E799801』と書いてある。
「あの、Eの後に数字が書いてあるのですが、これはなんですか?」
履き替えながら僕が聞くと、少し照れて店の人が答えてくれた。
「これは私のライセンスナンバーです。Eランクになったので、番号がFからEになったんですよ」
「ライ……」
また知らない言葉が出て来たよ。
ランクって確か、魔法陣スキルが5レベルになるとEランクのスキルを買って、追加してランクアップできるやつだよね。
「あ、アルケース、こちらの方がわかりやすかもしれません」
「アル……?」
「知りませんか? そうですね。スキルを取得した時に得るのが、ライセンスナンバーなんです。アルケースは、自分で付けられる名前ですね。作り手が誰かわかるようになってるって事です」
「そうなんだ。教えてくれたありがとう」
錬金の仕事も大変そうだな。面白そうでもあるけど。
「その靴はどうしますか? いらないのならこちらで処分しますが」
「いえ。持って帰ります」
靴をつい無意識に、テリトリーにしまう。
「え!」
その様子を見たお店の人が驚いた顔をしている。
しまった。知られない様にした方がいいんだった。
「あなたの固有スキルは、収納系なのですか?」
「えーと」
収納できるのは、どちらかというとおまけの能力なんだけど。
「あ、失礼しました。検索はよくないですよね。でもそれで冒険者とは……。あの、厚かましいようですが、冒険者は危険です。錬金術師になってはいかがでしょうか」
「え?」
お店の人は、20代前半に見えるシルバーの人だ。もしかしたら、冒険者の経験を持つのかもしれない。
「私もね、直接攻撃スキルではなかったんです。なので、スキル隊予備団を蹴って、錬金術師になる道を選んだ。攻撃スキルを取得しても、スキル隊も冒険者も大変でしょう。って、余計なお世話でしたね」
「そうですよね。考えてみます。ありがとうございます」
僕はお礼を言って、その場を離れた。
錬金スキルを使って仕事をしている人の事を錬金術師と言うのかぁ。
攻撃スキルを覚えた後に、錬金スキルを覚えようかななんてちょっと思っていたけど、ちゃんと調べた方がいいかもね。
僕は、錬金市場に出かける事にした。
錬金市場は見て回るだけでも楽しい。
掘り出し物がないかなぁ。
そう言えばトムに武器の事を聞いたところ、防具よりは安いらしい。ほとんどの者はスキルで攻撃するからで、ナイフは武器というより採取などに使う道具扱いだから、それほどでもないという。
けど、1,000ハカリはかなり格安だった。
初心者が初めて作った作品だろうと、トムが言っていた。
一番高いのは、防具と言っていたとおり、よく見れば服やズボンが高い。金貨表示のモノがザラだ。
値段は、1,000,000未満だとハカリ表示だけど、それ以上だと金貨表示。
でも高い意味はわかる。魔獣に引っかかれてケガするよりは、破れない服を着ている方がいいって事だ。
はぁ。足が痛い。もう靴が限界みたいなんだよね。
森の中を歩くと靴がクタクタになるのが早い。まあ、冒険者になる前からずっと、履いていたからかもしれないけど。
錬金市場でも分割払いが可能なところがあるらしいから、靴を見て回っているんだけど、どれもやはり150,000ハカリ以上はする。
うん? えー!! 凄い格安の靴を発見!
100,000ハカリだって。
チラッと見て、みんな素通りしていく。あんなに安いのに。
でも安いけど、買えない……。
分割できるか聞いてみよう。
「あの、すみません」
「はい! いらっしゃい」
「えーと、ここって分割できますか?」
「すまないね。現金のみなんだ」
「そうですか……」
僕ががっかりすると、驚く事を言って来た。
「これなら安く出来るよ」
それは、一番安い100,000ハカリのロングブーツだ。
大抵のロングブーツは、紐が付いていてキュッと絞めるタイプだけど、これは長靴タイプ。
「ほ、本当ですか? 一番安いのに更に安くしてくれるのですか?」
「君は、冒険者になりたてだろう。靴も錬金靴ではない。その靴で、森の中を歩くのはもう限界じゃないかい」
僕は、そうだとこくこくと頷く。
「実はね、初めて私が作ったロングブーツなんだ。だからこれなら値引きできる。予算はいくらだい」
「80,000ハカリです……」
小さな声で言えば、お店の人がにっこりとして頷いた。
「だったらその値で売ろう」
「いいんですか!」
僕が驚いて言えば、お店の人が頷く。
「もしかしたら売れないかもしれないからね」
「え? なぜ?」
「シンプルだろう。ひも付きが売れ筋なのだけど、まだ私では作れなくてね。それに素人だと丸わかりだ」
「素人? 錬金術で作ったんですよね?」
「あぁ。Eランクになってからやっと、売れるだけの耐久度がついてね。Eランクは、装備品作り手としては、素人と言われるんだ」
「へえ。でも、僕も冒険者の素人だから、有難いです」
親切な人でよかったと、80,000ハカリを支払う。
懐は、一気に寒くなった。
ここで履いていいというので、椅子を借りて履き替える事にする。
僕が知っている長靴とはどこか違って、かっこいい。
靴を履こうすると、靴の内側に『E799801』と書いてある。
「あの、Eの後に数字が書いてあるのですが、これはなんですか?」
履き替えながら僕が聞くと、少し照れて店の人が答えてくれた。
「これは私のライセンスナンバーです。Eランクになったので、番号がFからEになったんですよ」
「ライ……」
また知らない言葉が出て来たよ。
ランクって確か、魔法陣スキルが5レベルになるとEランクのスキルを買って、追加してランクアップできるやつだよね。
「あ、アルケース、こちらの方がわかりやすかもしれません」
「アル……?」
「知りませんか? そうですね。スキルを取得した時に得るのが、ライセンスナンバーなんです。アルケースは、自分で付けられる名前ですね。作り手が誰かわかるようになってるって事です」
「そうなんだ。教えてくれたありがとう」
錬金の仕事も大変そうだな。面白そうでもあるけど。
「その靴はどうしますか? いらないのならこちらで処分しますが」
「いえ。持って帰ります」
靴をつい無意識に、テリトリーにしまう。
「え!」
その様子を見たお店の人が驚いた顔をしている。
しまった。知られない様にした方がいいんだった。
「あなたの固有スキルは、収納系なのですか?」
「えーと」
収納できるのは、どちらかというとおまけの能力なんだけど。
「あ、失礼しました。検索はよくないですよね。でもそれで冒険者とは……。あの、厚かましいようですが、冒険者は危険です。錬金術師になってはいかがでしょうか」
「え?」
お店の人は、20代前半に見えるシルバーの人だ。もしかしたら、冒険者の経験を持つのかもしれない。
「私もね、直接攻撃スキルではなかったんです。なので、スキル隊予備団を蹴って、錬金術師になる道を選んだ。攻撃スキルを取得しても、スキル隊も冒険者も大変でしょう。って、余計なお世話でしたね」
「そうですよね。考えてみます。ありがとうございます」
僕はお礼を言って、その場を離れた。
錬金スキルを使って仕事をしている人の事を錬金術師と言うのかぁ。
攻撃スキルを覚えた後に、錬金スキルを覚えようかななんてちょっと思っていたけど、ちゃんと調べた方がいいかもね。
127
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる