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第五話
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わぁ、人がいっぱい。
森を出て程なくして人間達の街に着いた。道中モンスターに出会わず無事についてよかったよ。
「なんか、平和そうだね」
「そうね。でも武装している人もいるから危険はあるのだろうけどね」
ツティーちゃんの言う通り、剣や弓を持っている人達もいっぱいいる。それこそ鎧を装備した人も。重そうだな。あれで戦闘ができるなんて尊敬しちゃう。
「で、これからどうするつもり?」
「うーん。そうだな。ここまで偶然にもモンスターに遭遇しなかったけど、これからの事を考えると装備を整えた方がいいかなっては思っているけど……」
「森を出てからモンスターに出会わなかったのは、近くの森にモンスターがいないからだと思うわ。つまりクロバー様の恩恵を人間達も受けているって事ね」
「え? そうなの?」
「森に潜んでいるモンスターに襲われないから森の近くに街があるのよ」
「ふーん」
そういうものなのか。そういえばここから見えるお城みたいなのはなんだろう。
僕らが出てきた森を背に、右側にお城みたいのが見える。かなり近い。
「ねえ、あのお城の様なものは何だと思う」
「どう見てもお城でしょう。ところで今着ている服って、ただの服なの? 他の人とはちょっと違うみたいだけど」
そこなんだよねぇ。この服に防御力があるのかがわからない。もし見た目に反して凄い能力があったらと思うとこのままの方がいいような。どうしよう。……あ、そうだ。
「防御効果が高い外套を買おう!」
「で、その服はただの服なわけ?」
「どうなのだろう。わからないから調べる方法を手に入れたら調べる」
「なるほどね。では、そうしましょう。ところで人間の文字を読めるのかしら?」
「……あ、読めるみたい」
横を見たらちょうど看板があり、食事所みどりって書いてあった。そういえば、妖精ってご飯が必要なのだろうか。昨日、エルフ達と一緒に飲んだり食べたりしていたけど……。
「妖精って、僕達と同じ物を食べて生きているの?」
「唐突ね。はっきり言って必要なモノではないわ。でも味はわかるの。私達は、森などこの世界の生命力……アニマというモノを吸収して生きているわ。エルフもそれを力の源にして魔法を使うの」
「アニマね。見えないけど森にはそれが溢れているって事だね」
「えぇ。そしてモンスターもそれを糧にしていると聞いているわ。だから人間も襲うそうよ」
「うん? どういう意味?」
「クロバー様の話によると、この世界のあらゆる命あるものにアニマが存在しているとか。まあ見えないけど、私達は感じる事はできるわね」
「へえ。そうなのか」
「って、話が逸れたわね。では買い物に行きましょう」
「あ、そうだった。そういう話をしていたね」
「もう」
僕らは、笑いあう。
歩きながら外套を売っていそうな店を探す。
Sランク御用達の店「勇者の友」という、いかにも高そうなお店を発見。きっと凄い装備を売っているに違いない。ただ貰ったお金で足りるかなって所が気になるが。
「ここにするの? ここ雰囲気が高級ですと言っているけど大丈夫?」
「まずは、聞いてみる。僕、この世界の事何も知らないし。最初は色々聞いて回らないとね」
「ば、場所とか選んだ方がいいような。まあでも、何事も経験よね」
「そうそう。経験」
「言っている意味わかってないのだから。まあいいわ。入ってみましょう」
僕は扉を開け中に入った。何というか、中で買い物をしている人のオーラが違う。凄く強そう。ちょっと僕、浮いているかも。
「いらっしゃいませ。お尋ねしますが、Sランクなのでしょうか」
うん? Sランク? あ……そういえばSランク御用達って書いてあったっけ。
「えーと。Sランクじゃないと買い物ができないとか?」
「いえ。できますが、Sランクの方に合わせた物を取り揃えておりますので、お値段が高めです」
よかった。買えるんだ。
「あの、このお金で買える外套ありますか」
「うん?」
僕は、こそっと店員にお金が入った袋を渡す。
「開けても宜しいでしょうか」
「はい」
「………」
なんか見入っている。もしかして、驚くほど少ないお金だった?
「ごほん。失礼致しました。こちらにございます」
歩き出した店員の後に僕はついて行く。なんとか買えるようだ。
「こちらにある外套を買えるだけのお金がありますのでじっくりお選びいただければと、ではこちらはお返しいたします。また、グローブや靴などもそちらにあります。合わせていかがでしょうか。何かありましたらお声をおかけください」
お金が入った袋を僕に返し、深々と頭を下げ少し離れた場所へと店員は移動していく。
「靴なども買えるだけあったみたいだね」
「……そうね。あからさまに態度が変わったものね」
「え? そう?」
とにかく買えそうで安心した。
外套というと、何となく暗いイメージがあったけど、白系から可愛い色のピンクやちょっと派手なのではと思うオレンジ色、定番であろう黒系まで彩りが豊富だ。
また形も様々で、シンプルにフードだけついたものから、カッコいい模様や可愛い模様などがついたもの、胸辺りまで二重になっていているものや、マントみたいなものまである。
丈の長さもまちまちだ。これだけ色々あると迷うなぁ。
「一応言っておくけど、見た目も大事だけど目的は防御の高さだからね」
「そ、そうだね。まずそれで絞ろうか……」
ツティーちゃんも僕の考えが読めるのを忘れていたよ。
森を出て程なくして人間達の街に着いた。道中モンスターに出会わず無事についてよかったよ。
「なんか、平和そうだね」
「そうね。でも武装している人もいるから危険はあるのだろうけどね」
ツティーちゃんの言う通り、剣や弓を持っている人達もいっぱいいる。それこそ鎧を装備した人も。重そうだな。あれで戦闘ができるなんて尊敬しちゃう。
「で、これからどうするつもり?」
「うーん。そうだな。ここまで偶然にもモンスターに遭遇しなかったけど、これからの事を考えると装備を整えた方がいいかなっては思っているけど……」
「森を出てからモンスターに出会わなかったのは、近くの森にモンスターがいないからだと思うわ。つまりクロバー様の恩恵を人間達も受けているって事ね」
「え? そうなの?」
「森に潜んでいるモンスターに襲われないから森の近くに街があるのよ」
「ふーん」
そういうものなのか。そういえばここから見えるお城みたいなのはなんだろう。
僕らが出てきた森を背に、右側にお城みたいのが見える。かなり近い。
「ねえ、あのお城の様なものは何だと思う」
「どう見てもお城でしょう。ところで今着ている服って、ただの服なの? 他の人とはちょっと違うみたいだけど」
そこなんだよねぇ。この服に防御力があるのかがわからない。もし見た目に反して凄い能力があったらと思うとこのままの方がいいような。どうしよう。……あ、そうだ。
「防御効果が高い外套を買おう!」
「で、その服はただの服なわけ?」
「どうなのだろう。わからないから調べる方法を手に入れたら調べる」
「なるほどね。では、そうしましょう。ところで人間の文字を読めるのかしら?」
「……あ、読めるみたい」
横を見たらちょうど看板があり、食事所みどりって書いてあった。そういえば、妖精ってご飯が必要なのだろうか。昨日、エルフ達と一緒に飲んだり食べたりしていたけど……。
「妖精って、僕達と同じ物を食べて生きているの?」
「唐突ね。はっきり言って必要なモノではないわ。でも味はわかるの。私達は、森などこの世界の生命力……アニマというモノを吸収して生きているわ。エルフもそれを力の源にして魔法を使うの」
「アニマね。見えないけど森にはそれが溢れているって事だね」
「えぇ。そしてモンスターもそれを糧にしていると聞いているわ。だから人間も襲うそうよ」
「うん? どういう意味?」
「クロバー様の話によると、この世界のあらゆる命あるものにアニマが存在しているとか。まあ見えないけど、私達は感じる事はできるわね」
「へえ。そうなのか」
「って、話が逸れたわね。では買い物に行きましょう」
「あ、そうだった。そういう話をしていたね」
「もう」
僕らは、笑いあう。
歩きながら外套を売っていそうな店を探す。
Sランク御用達の店「勇者の友」という、いかにも高そうなお店を発見。きっと凄い装備を売っているに違いない。ただ貰ったお金で足りるかなって所が気になるが。
「ここにするの? ここ雰囲気が高級ですと言っているけど大丈夫?」
「まずは、聞いてみる。僕、この世界の事何も知らないし。最初は色々聞いて回らないとね」
「ば、場所とか選んだ方がいいような。まあでも、何事も経験よね」
「そうそう。経験」
「言っている意味わかってないのだから。まあいいわ。入ってみましょう」
僕は扉を開け中に入った。何というか、中で買い物をしている人のオーラが違う。凄く強そう。ちょっと僕、浮いているかも。
「いらっしゃいませ。お尋ねしますが、Sランクなのでしょうか」
うん? Sランク? あ……そういえばSランク御用達って書いてあったっけ。
「えーと。Sランクじゃないと買い物ができないとか?」
「いえ。できますが、Sランクの方に合わせた物を取り揃えておりますので、お値段が高めです」
よかった。買えるんだ。
「あの、このお金で買える外套ありますか」
「うん?」
僕は、こそっと店員にお金が入った袋を渡す。
「開けても宜しいでしょうか」
「はい」
「………」
なんか見入っている。もしかして、驚くほど少ないお金だった?
「ごほん。失礼致しました。こちらにございます」
歩き出した店員の後に僕はついて行く。なんとか買えるようだ。
「こちらにある外套を買えるだけのお金がありますのでじっくりお選びいただければと、ではこちらはお返しいたします。また、グローブや靴などもそちらにあります。合わせていかがでしょうか。何かありましたらお声をおかけください」
お金が入った袋を僕に返し、深々と頭を下げ少し離れた場所へと店員は移動していく。
「靴なども買えるだけあったみたいだね」
「……そうね。あからさまに態度が変わったものね」
「え? そう?」
とにかく買えそうで安心した。
外套というと、何となく暗いイメージがあったけど、白系から可愛い色のピンクやちょっと派手なのではと思うオレンジ色、定番であろう黒系まで彩りが豊富だ。
また形も様々で、シンプルにフードだけついたものから、カッコいい模様や可愛い模様などがついたもの、胸辺りまで二重になっていているものや、マントみたいなものまである。
丈の長さもまちまちだ。これだけ色々あると迷うなぁ。
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「そ、そうだね。まずそれで絞ろうか……」
ツティーちゃんも僕の考えが読めるのを忘れていたよ。
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