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第37話》ここが本当の出発点

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 街に戻って来たものの、フィールドの敵ってあまり魔法の石をドロップする感じがしないんだよね……。

 「ねえナビ、魔法の石を効率よく稼ぐ方法ってないかな?」

 『はい、あります。もっとレベルの高い敵を倒す事です。レベル20以上になると、ドロップ率は格段と上がります。その代わり回復薬のドロップ率は減ります』

 敵のレベルによってドロップ率が違ったとは。
 でもなぁ。レベル20はちょっとなぁ。フィールドの敵だとして、どこまで行けばって感じだよな。錬金のところだって15だったんだし。

 「どこら辺まで行くとレベル20の敵のフィールド?」

 『このまま北に行きますと、ババール街に着きます。ババール街の北門から出ると20レベルの敵になります』

 「方角によってレベルが違うって事?」

 『はい。そうです。南門ですと10レベル、西門ですと15レベル、東門ですと12レベルです。西門と東門から出た先には、ダンジョンがあります。そのダンジョンにアイテムモードがありますので、そこでも比較的魔法の石が溜まりやすいです』

 あぁ、そういう所もあるのか。
 とりあえず行って見るかな。レベル15の敵も余裕だったし。でも一応確認しておくかな。

 「俺でも20レベルの敵倒せる?」

 『はい。余裕です。5体までならオールで一発で倒せます。但し魔法耐性を持つ敵にはダメージが半減します』

 「あははは。そう……」

 思っていたより凄かった。レベル3つ上がっただけで、凄く強くなったみたい。とりあえず、呼ばれるまで20レベルの敵を倒しているかな。

 「ババール街に行くよ」

 『はい。頑張ってください』

 俺は、北門から出てババール街へ向かった。


 □ ◇ □ ◇ □


 ふう着いた。
 ババール街は思ったより近かくて直ぐについた。ここは、活気がある。ズルランの街は、なんかさびれた感じだった。プレイヤーもちらほらとしかいなかったし。

 「ここ、活気があるね。ズルランと大違い」

 『ズルランは、通過点の街です。イベントが発生していなければ、回復の為のセーフティエリアとなります』

 そういう位置づけの街だったのか。そう言えばこのゲーム、街や村に戻ればHPもMPも全快だっけ。回復薬もダンジョンで使う感じなのかな?

 「お、掲示板がある。ギルド戦、トーナメント戦……。ここってギルドがあるんだ」

 『はい。この街からゲームプレイの本番が始まります』

 なるほど。

 「ねえ、ギルドって入ったら何か特典ある?」

 『はい。あります。まず、ギルドレベルが存在します。ギルド戦やダンジョン攻略によってポイントが入り、レベルが上がります。レベルが上がると、ギルドメンバーのパラメータアップが出来たり、倉庫が使える様になったりします』

 「倉庫?」

 『はい。大抵のプレイヤーは、マジックバックを持っておりません。マスターの様にファーストステージで手に入れなければ、錬金術で作るしかありません。ですので、鞄に入りきらない物は、倉庫に保管します』

 なるほど。高レベルのプレイヤーが持っているようなバックだったんだ。
 まあ、倉庫は、俺に必要ないにしてパラメータアップは魅力的だよな。

 「ギルド設立の条件とか、入る条件とかってあるの?」

 他のゲームならレベルが到達しないとギルドに入れなかったりするからな。

 『ギルドに入会するのには、それぞれのギルドが定めた規定になります。設立するのには、個人トーナメントで上位に入賞するか、ダンジョンポイントを貯める事です』

 「ダンジョンポイント?」

 『はい。ダンジョン商会に登録すると、ダンジョンをクリアする時にポイントが付くようになります。ただし、ゲートの石で出現したダンジョンにはつきません。100ポイント以上になれば、ダンジョン専門ギルドを設立出来ます』

 うん? ダンジョン専門? 設立方法でギルドの趣旨が違うって事か? 入会する時は、ちゃんと選んで入った方がよさそうだな。
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